定額制サービスでストック性・優位性を高めるための考え方

ストックビジネス作りの転換点とは?

成長し続けるビジネスの仕組みである「ストックビジネス」についてお伝えしていく本シリーズ。今回は、上手くいくストックビジネスが生み出せるようになる転換点がどこにあるのか、実例をもとに見ていきます。

定額制サービスでストック性を高めるための試行錯誤

数多くの新規事業立ち上げを経験した筆者は、ひょんなご縁で『ストックビジネスの教科書』という本を出版し、長期に安定収入を生み出す方法を紐解きました。そして現在、「ストックビジネスアカデミー」という経営者コミュニティーで、毎月ストックビジネスに関するオンライン相談を受けています。

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そこではストックビジネスの構築を3年指導していますが、今年に入ってから明らかに成果が出てきていて、複数の会員に上手くいきそうな定額制サービスのストックビジネスが生まれ始めています。

同じようなタイミングなのが不思議ですが、そんな成果が出ている方には共通のパターンがあることに気づきました。ここでは、地域活性化のコンサルティング業を20年経営するA社長の例を取り上げます。

A社長の場合、仕事の半分近くが行政の仕事のため年度予算に左右されるのと、入札時期が重なることから繁忙期・閑散期の差が激しいのが特徴です。A社長はストックビジネスについて学び始めた当初、すぐにやれそうなことが浮かんできたといいます。それは、同業者や行政書士の知人に声をかけ、定額制で「行政の申請関連事務作業のできる事務員」を何人かでシェアするビジネスでした。

このアイデアに問題があるわけではないのですが、私は、それを彼がやることには少々疑問を感じていました。というのは、A社長は関連法規を徹底的に調べてノウハウをつきつめるような職人的な経営者なので、事務員のシェアリングのようなサービス業よりも、もっと彼らしい高度なノウハウがどんどん蓄積して「時間経過とともに、より優位性が高まる」ビジネスビジネスモデルにした方が、ストック性が高まるんじゃないかと考えたのです。

その点、「人のシェア」は業務効率化にはいいのですが、彼がやる優位性が感じられなかった。すぐにできそうなのは良い点ですが、先々優位性が高まらないと拡大発展させていく段階で悩むのではないかと心配したのです。実際、事務員シェアリングは検討したものの半年くらいでスケールしないことがわかって、また次のビジネスネタを探したそうです。

そうするうち、行政機関のOBを顧問として雇った時に転機がやってきました。行政との付き合い方について同業者が頼ってくるようになり、そのアドバイスが重宝がられるようになったのです。地域が違えば協業できますので、同業者にニーズがあることが分かったA社長は、会員だけに事例を伝え相談に乗る会員組織を作っていったのです。結果、同業者なら誰でも欲しがるサービスとなりました。

ストックビジネス作りが軌道に乗るプロセスに共通するのは?

前述したように、A社長以外にも自分の得意分野に近いところで現実的なストックビジネスを作り始めている社長たちがいます。このように、ストックビジネス作りが上手くいきだした社長には共通する点があります。

彼らは、学び始めるとすぐに動いて、定額制のアイデアを試して小さな失敗をしています。そして、その失敗から、定額制でも長期的価値の提供をしないと先々続かないことに気づくのです。また、どんな面白いアイデアでも、自分の強みが生かせる、あるいは自分の得意分野でやらないと継続が難しく、ストックビジネスになり難いことも解ってくるのです。

つまり、失敗を通じて「ストックビジネスの仕組みとは単なる定額制ではなく、お客様のニーズに継続性があり、かつ自社もいつまでも続けられること」だという本質的な部分がわかり、そのタネは自社の周辺にあることに気づくのです。

「自分の得意分野やその周辺に、継続的に価値を提供できるものは作れないか?」

この考えが自然に出てくるまで多少時間はかかるものの、このプロセスは無駄ではありません。一度ストックビジネスを作ればまた次のストックビジネスが作りやすくなるという好循環が可能だからです。つまり、行動して失敗して気づくことで、明らかにストックビジネスの目利きができるようになっているのです。

転換点に行き着くために大切なのは?

私はこう思います。積極的に行動していれば、一定の期間でビジネスチャンスは必ず来る。最初のころはそれがストックビジネスになりやすいかどうかに気づかなかっただけで、目利きができるようになってからは「これなら続けられるし、ストックになりそうだ」と瞬時に感じることができるようになっているんですね。

また、何人もが同時期にでき始めたというのは、「あいつにできたんだから自分もできるはず」という、心理的効果も大きいのではないかと思います。経営者にとって、ともに学ぶ仲間はとても大事ですね。

筆者が携わっているストックビジネスアカデミーは、そこに集う仲間とお互いに気づきを与え合う経営者コミュニティーです。ストック思考で自分の事業の未来を作りたい方は、ぜひ覗いてみてください。

大竹 啓裕

参考記事

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大竹 啓裕
  • 大竹 啓裕
  • 株式会社ハッチ・ワーク 代表取締役会長兼CEO

福島県出身、株式会社ハッチ・ワーク 代表取締役会長兼CEO、株式会社ストック総研 取締役会長
20代はセコム株式会社にて理想的なストックビジネスの原点を経験、その後、30歳でラーメンFCチェーンの創業メンバーとして参画、ラーメンFCとしては全国一位となる約300店のストックビジネスモデル構築の原動力となる。
40代は(株)ハッチ・ワークにて貸会議室「アットビジネスセンター」や月極駐車場探し「アットパーキング」にて国内オンリーワンのサービスを次々開発して事業拡大する。これまでの新規事業立ち上げは20事業以上。
経営者塾ストックビジネスアカデミーではストックビジネス構築を指導。
近著に『ストックビジネスの教科書』(ポプラ社)、『ストックビジネスの教科書 プロフェッショナル』(ポプラ社)がある。

 

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