「結婚するのにお金がかかる」と言われますが、結婚後は出産、子育て、マイホーム、マイカー、介護、老後資金など、お金が必要な場面を想像すると枚挙に暇がありません。それを乗り切るには、夫婦2人で協力してお金を貯めていかなければなりませんね。そこで今回は、人生の中でも特に大きな出費と言える「マイホームの頭金」「教育資金」「老後資金」の作り方をご紹介します。

必要資金の性格を見極め、金額の目安を考える

まず、今回取り上げる3つの資金の特徴を掴むことから始めましょう。必要になるタイミング、貯金に使える時間、必要金額などを考えていくと、この3つはそれぞれ特徴があることがわかります。

まずはマイホームの頭金。たとえば、必要になるタイミングを「子どもが小学生に上がるとき」だとしましょう。まだ子どもが生まれる前であれば、少なくとも6年間は貯金に使える時間があるわけです。

次に金額です。マイホームの頭金の目安としては、物件価格の2割と言われていますよね。4000万円の家を購入するのであれば、800万円というわけです。また、別途登記や保険、手数料などの諸経費の目安が物件価格の1割と言われているので、物件価格の3割である1200万円を目安に貯めなければならないというわけですね。

1200万円を6年後までに貯めるには、年間200万円の貯金が必要です(話をシンプルにするため、年数で均等割した金額を示しています。以下同)。ただし、何が何でもそれがマストなわけではなく、足りなければ1年先延ばしにするとか、少し頭金の額を減らして毎月の返済額を増やすという方法がないわけではありません。

次に教育資金ですが、一番お金がかかるのは大学ですね。その前に私立の小学校や中学校に入れたいというのであれば話は変わってきますが、大学のことだけを考えるのであれば子どもが生まれてから18年も貯金に使える時間があるのです。必要金額は子どもの希望にもよりますが、高いところで私立医大なら6年間の学費総額が2000万円をゆうに超える場合も多いもの。これを18年間で貯めるには年間120万円前後、教育費として貯める必要があります。

ただ、普通のサラリーマン家庭から学費に2000万円以上かかる医大へ進学するのはかなり難しいかもしれません。そういう場合は、子どもとの対話で私立ではなく国公立へ進学することも選択肢になるでしょう。また、子どもが国公立文系へ進学した場合には浮いた分を他の用途に使うことができるので、頑張って2000万円貯めるというのも悪い選択肢ではありません。

最後は老後資金ですが、一番長く貯金に使う時間が取れるのがこの資金ですね。定年後のことを考えると、20年、30年かけてじっくり貯めることのできるお金なのではないでしょうか。必要金額はその人の生活水準次第ですが、たとえば30年間で3000万円貯めようと思ったら年間100万円を老後資金として貯めていけばいいということですね。

貯めていくスケジュールを考える

ここまで見てきたことをまとめると、マイホームの頭金のために毎年200万円を6年間、教育資金のために毎年120万円を18年間、老後資金のために毎年100万円を30年間も貯めなければならないのか、と思ってしまいがち。最初の6年間は年間最大420万円も貯金に回さないとダメなのかと思うかもしれませんが、実際は少し違います。