これからは「資産の劣化」こそビジネスの大チャンス。それを掴むための思考回路とは?

成長し続けるビジネスの仕組みである「ストックビジネス」についてお伝えしていく本シリーズ。今回は「資産の劣化がビジネスチャンスになる」ということについてお伝えします。

資産価値が減るところにビジネスが生まれる

日本は高度成長でどんどん物を作ってきました。人が増え続けるときは放っておいても需要が増えるので必ず資産価値が上りましたが、人口減少になると急激に価値が落ちてくる。特に老朽化しているとさらに価値は急降下します。そろそろ社会問題になってきた空き家などはいい例ですね。

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資産の目減りで困る人がたくさんいれば、それを止めることはものすごく価値あるサービスになります。止めるのをやめたら終わりですから需要も長ーく長ーく続く。「維持」というのはビジネスのストック性が高くなるキーワードです。そこで世の中で劣化しているものを探して、そこにストックとなる事業を作ることがビジネスチャンスになるのです。

事業を進めるにあたっては、この先成長するものを探したくなるのが人情です。ただ、成長市場の多くは競合もみんな狙っているのですぐに真似されて追いつかれる可能性も高い。

一方で、価値が劣化していくもの、価値がなくなってしまったもの、これから投げだされそうなものにこそ改めて価値を生み出すことが、結果的にストックビジネスを組み立てていくことにつながるのです。

筆者が携わっているストックビジネスアカデミーという経営塾では、長期的に見て「変化」するものを一緒に探します。何らかの変化が起きると急激に資産が減る瞬間がある。その変化による劣化を食い止めるのは、ストック思考とチューニングの技術がポイントで、これで仕組みを作ればいいのです。以下、具体例を交えて説明します。

優良資産だったものが「お荷物」になる事例

筆者が手掛けている事業で、小さく生んで大きく育ち最近ますます問い合わせが増えてきているのが機械式駐車場です。よくマンションの横についているぐるぐる回るゴンドラ型のやつです。パレット型もありますね。

機械式駐車場付きのマンションがあるとします。新築当時は入居者だけでいつも満車で解約待ちの行列。これこそ「優良資産」です。それから20年経つと車のサイズも変わり、稼働率も悪くなる。このあたりはまだ資産価値は残っています。

さらに進んで建物も老朽化するころには住民の年齢も高くなって車を持たない人が増え、空きが目立つようになってくる。それに古くなると修繕箇所が増えてメンテナンスコストも必ず高くなります。

新築当初の収支は満車と安い運営費で優良資産。それが何十年か経つと空車と高い運営費で「お荷物」に。それでも、これまでは管理組合の同意で維持し、住民が車を持って使っていれば仕方がないと思えた。しかし、管理コストを負担する住民の多くは車を持たなくなっています。

利用する人も利用しない人も管理費の負担は同じというのでは不満が出る。では、廃止をすればどうなるか。駐車場付きマンションではなくなってしまうからマンションの価値が落ちてしまう・・・。八方ふさがりですね。

機械設備なので大きな修繕はまだこれから。先々この費用に悩まされることになるでしょう。それでも、他に手がなければ延命しようとしますね。

資産が負債に変わるタイミングを見極める

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大竹 啓裕
  • 大竹 啓裕
  • 株式会社ハッチ・ワーク 代表取締役会長兼CEO

福島県出身、株式会社ハッチ・ワーク 代表取締役会長兼CEO、株式会社ストック総研 取締役会長
20代はセコム株式会社にて理想的なストックビジネスの原点を経験、その後、30歳でラーメンFCチェーンの創業メンバーとして参画、ラーメンFCとしては全国一位となる約300店のストックビジネスモデル構築の原動力となる。
40代は(株)ハッチ・ワークにて貸会議室「アットビジネスセンター」や月極駐車場探し「アットパーキング」にて国内オンリーワンのサービスを次々開発して事業拡大する。これまでの新規事業立ち上げは20事業以上。
経営者塾ストックビジネスアカデミーではストックビジネス構築を指導。
近著に『ストックビジネスの教科書』(ポプラ社)、『ストックビジネスの教科書 プロフェッショナル』(ポプラ社)がある。

 

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