「貯蓄1000万円以上が平均」といわれると、驚かれる方もいると思います。同調査では、中央値と最頻値も公表しています。中央値とは、データを大きい(小さい)順に並べたとき、真ん中に来る値です。今回の調査では1036万円(貯蓄「0」世帯を含めると978万円)となっています。

また最頻値とは、データの中でもっとも頻度が高い値をさします。これは「貯蓄100万円未満」の階級となっており、全体の11%を占めています。

世帯主の年齢階級別にみると、40歳未満の貯蓄現在高は600万円、負債額は1248万円となっています。しかし60~69歳の貯蓄現在高は2327万円、負債額は207万円、70歳以上の貯蓄現在高は2249万円、負債額は104万円と高齢者が平均貯蓄額を引き上げていることが分かります。

まとめ

2人以上の世帯において、家計を一元管理することは貯蓄額を増やす上でも重要です。ですが、夫婦でお金について話し合いを重ねるのは、なんだか億劫…。そのため夫婦のどちらか一方が家計管理する方が、夫婦の関係性を良好に保てるのかもしれません。そして管理するのは、妻である女性が多いようです。これは妻の方が家事時間が長いから、妻の方がお金の管理が得意など、各家庭によって理由はさまざまでしょう。

とはいえ、子どもがいる場合は子どもの学年が上がるにつれ、教育費などについて話し合う機会が増えるでしょう。また老後資金などについても、さまざまなタイミングで話し合うときがくると思います。パートナーとお金についてオープンに話す習慣は、若い時から必要かもしれません。

【参考】

夫婦の金銭事情に関する調査』 ゲンナイ製薬調べ

貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

尾藤 ちよ子