「一人で死ね」論争の過熱、”悪者探し”が連鎖する空気が辛い

登戸児童殺傷事件のショックが消えない中、その4日後となる6月1日には元農林水産事務次官の熊沢英昭容疑者が長男を殺害するという事件も起きてしまいました。

子どもの安全をいかに守るか、また中高年の引きこもりといった社会問題が取り沙汰される中、一連のニュースについてコメントした芸能人や問題提起をした人に対して次から次へと批判が起こる事態が続いています。

激しい言葉が飛び交う「一人で死ねよ」論争

スクールバスを待っていた罪もない子どもたちや保護者を、51歳の男が襲った登戸児童殺害事件。その残酷さから多くの人が被害者や遺族に対して哀悼の意を示しています。また、やりきれない怒りから、自殺した犯人に対して「自殺するくらいなら一人で死んでほしい」という声も殺到しました。

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この声に対し、次の凶行を生まないためにという思いを込めて、NPOほっとプラス代表理事の藤田孝典さんが異を唱えたことから「一人で死ねよ」論争が過激化。今なお、藤田さんに対する批判も多く見受けられます。

一方で、同事件を扱ったワイドショー「ひるおび」(TBS)で立川志らくさんが「どうやって子どもを守ったらいい。死にたいなら他人を巻き込まずに1人で死んでくれよ」と、「ワイドナショー」(フジテレビ)では松本人志さんが犯人に対して「人間が生まれてくる中で何万個に1個出てくる不良品。そういう人同士でやり合ってほしい」とそれぞれコメント。

すると、ネット上には「日本の自殺者は1日55人。あなたの望み通り、今日も明日も他人を巻き込まずに1人で自殺する人はいますよ!」「そんなことを言うあなたこそが不良品」と、それぞれに対する厳しい批判の声が上がりました。

このように事件から1週間以上を経てもなお、事件や犯人に対する著名人の意見も、その著名人に対する批判も、とかく激しく攻撃的な言葉が飛び交い続けています。

怒りをぶつけるための “悪者探し”?

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秋山 悠紀

早稲田大学文化構想学部出身。女子高でサッカー部、フリーター、演劇活動、編集プロダクションなどを経て独立。
子育てへの不安から1年半の保育園勤務の後、第一子を出産。
現在、長男を育てながら女性の生き方、子育て、ジェンダー、社会、旅、ドラマ、映画について執筆中。