やる気を持って働き始めたものの、企業の実情が想像と異なることはよくあることです。実務面も働き始めてみないと分からないものですし、一連の就職活動を通して、他に取り組みたい方向性が次第に見えてくることもあります。

会社を辞めるのは勇気の要ることかもしれませんが、会社はあなたのすべてではありませんし、人生を保証してくれる存在でもありません。転職という段階を踏むことで自分の進路を早めに修正できる可能性もあります。

転職情報サイトdoda*の「転職で年収アップするのはこんな人」によると、転職による給与のアップ率は20代後半で一番高く、平均して15%ほど上昇しているようです。業種別で見てみると、平均金額アップ率1位は専門商社、2位が人材サービス、3位が金融となっています。

今の会社で悩んでいる方は、何が自分にとって大切なのかを改めて自己分析してみましょう。

年収を上げるための3つの転職のコツとは

近年は人材不足のため、転職のチャンスではと感じている人も少なくないと思います。年収や待遇面など、条件アップを狙える転職のコツを見てみましょう。

[1] 転職理由には細心の注意を

転職しようと思うきっかけは様々だと思いますが、その理由を自分の中でうまく消化し、前向きで説得力のあるものにすることが重要です。

転職するときは、前職を辞めた理由、辞めたいと思っている理由について必ず聞かれます。相手が「なるほど」と納得できるような理由を答えなければなりません。

基本としては「さらなる能力開発・スキルアップのため」や「御社に惹かれたから転職を検討している」ということになるでしょう。ポジティブに退職理由をしっかり構築できれば、マイナスな印象を避けられるはずです。

[2] 自分のスキルの棚卸しをする

履歴書や職務経歴書を書く前に、自分の能力や成果、スキルの棚卸しをしておきましょう。営業成績など、具体的な数字も重要です。中途採用者は基本的に即戦力を求められていますから、成果を数字でまとめておくと説得力のあるデータとなります。

また、経歴の中にストーリーを意識してみましょう。工夫してきたポイントや自分の視点を加えることで興味を引く職務経歴書が出来上がります。

[3] 面接は「対等な立場で」話をする

一番大切なのは、面接での第一印象や話し方でしょう。新卒採用の時とは異なり、社会人同士として面接官と話をすることになります。あなた自身も企業人として経験を積み、スキルを身につけてきましたので、同じ社会人としての対等な会話を意識してください。

異業種への転職の場合も「不勉強で」というのはご法度となります。企業リサーチを行ない、自分の職歴を踏まえてその業界に関する話ができるように準備していきましょう。「素人目で恐縮ですが」という言葉から話を膨らませていくと、企業側としても人物的な大きさを感じ取ることができます。

「有価証券報告書」のチェックも忘れずに!

企業を学ぶため、「有価証券報告書」などの公開資料を見てみましょう。有価証券報告書は機関投資家や証券アナリストにとって重要な企業情報です。ニュースで耳にする「有価証券報告書への虚偽記載」という言葉の通り、有価証券報告書で虚偽記載が起きると、金融商品取引法における重大な事件となります。

企業が慎重に情報を整理し公開している情報ですので、その内容は詳細かつ多岐にわたります。従業員数や従業員の平均年齢、平均年間給与をはじめ、経営陣の経歴や大株主の状況、事業セグメントごとの売上高や各利益など、各種重要な情報が掲載されています。

また、面接前に直近の決算情報を知りたい場合は「決算短信」がおすすめです。有価証券報告書ほど詳細ではありませんが、四半期ごとの直近の決算情報が公開されています。

有価証券報告書の他に「決算説明会資料」も