イオレ、事業構造の転換を優先し、通期は増収減益 今期は営業益で前期比112.9%増を見込む

2019年5月17日に行われた、株式会社イオレ2019年3月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料 質疑応答パートはこちら

スピーカー:株式会社イオレ 代表取締役社長 吉田直人 氏
株式会社イオレ 代表取締役 副社長 小川誠 氏
株式会社イオレ 取締役 中井陽子 氏

会社概要

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吉田直人氏:みなさま、本日は誠にありがとうございます。2019年3月期、当社の決算説明会を開催します。

まず、ご存知ない方もいらっしゃるかと思いますので、当社の概要を資料にも記載させていただきました。後ほどご覧になっていただければと思います。

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沿革

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沿革の部分で、太文字のところが5つございます。2005年の「らくらく連絡網」、2010年の「ガクバアルバイト」、2013年の「らくらくアルバイト」、2014年の「pinpoint DMP」、そして今年「ジョブオレ」という新しいサービスを提供させていただいております。まだ結果はこれからですが、こちらが非常に今後伸びていくのではないかということで、当社の期待を背負った商品となっています。

2020年3月期経営体制について

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15日に開示させていただいたのですが、今後の当社の「pinpoint」をはじめとする運用型広告事業について、BtoBの事業戦略を拡大するため、現・代表取締役副社長の小川に社長を交代することを、次の株主総会を経て決めるということで、5月15日に開示させていただきました。

2020年3月期経営体制について(続き)

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経営体制に関しては、私は取締役会長というかたちになります。どちらかというと3年、5年、10年先の当社の主力事業になるような新規事業の開発・発展に注力したいと考えています。現状の事業に関しては、小川が引き続き推進するかたちで考えています。

役員陣を見ていただければわかるとおり、とくに変わりはないのですが、今回、執行役員を3名選出させていただきました。事業の強化、ガバナンスの強化を含め、これからまた事業の拡大を図るために、経営陣を強化させていただいた次第です。

次が事業概要なのですが、こちらのパートは小川から、詳細をみなさまにご説明させていただきたいと考えています。

事業概要

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小川誠氏(以下、小川):小川です、よろしくお願いします。当社の事業概要をあらためてご説明します。3事業から成り立っています。

1つ目が「pinpoint」で、現在の主力サービスになりますが、「pinpoint DMP」を活用した運用型広告事業です。2つ目が「らくらく連絡網」「ガクバアルバイト」「らくらくアルバイト」といった自社メディア事業。3つ目が「その他」としていますが、これは一般の代理販売を行っている代理店事業だとご理解いただければけっこうです。

特色としては、例えば大学構内の学食にトレイ広告を掲出できるなど、そうしたフィールド系のメディアを生協さま、書店さまと、大学構内において取り組ませていただいています。

事業概要 ― 自社メディア【らくらく連絡網】

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自社メディアの「らくらく連絡網」のご説明をします。日本最大級の連絡網サービスです。現在、38万2,000団体、669万人の会員さまにご利用いただいています。特色は3点あり、1つは大学生のサークル、ゼミ、部活といったシーンでご利用いただいていること。

もう1つが、子どもを持つ保護者の方々に、PTA活動や子どものサッカー少年団のような習い事における保護者の連絡網としてご利用いただいています。

一方、スライドの円グラフを見ていただきますと、スポーツ系でのご利用が非常に多いという特色がございます。スポーツの中でも、例えば野球で2万チーム、サッカーでも2万チーム以上にご利用いただいています。

事業概要 ― 自社メディア【らくらく連絡網】(続き)

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今、世の中にはコミュニケーションツールがたくさんありますが、その中での「らくらく連絡網」のポジショニングです。連絡網ですので、受け取るユーザにとって情報の重要度が高いところに位置付いています。また、「Twitter」「Facebook」等々に抵抗感のある方々、とくに子どもを持つ奥さま等に、子どもの連絡網としては利用をいただく、といったところでもご評価をいただいています。

らくらく連絡網を活用したビジネスモデル

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あらためて、当社の「らくらく連絡網」を活用したビジネスモデルになります。後ほどご説明しますが、中心となるメディアがやはり「らくらく連絡網」になっていまして、「ガクバアルバイト」「らくらくアルバイト」とデータ連携を行う、または「pinpoint」もデータ連携を行いながら、ビジネスを展開しているところです。

事業概要 ― 自社メディア【ガクバアルバイト】【らくらくアルバイト】

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続いて、自社メディアとしての「ガクバアルバイト」「らくらくアルバイト」です。「ガクバアルバイト」については、大学生に特化した掲載型の求人メディアとなります。一方、「らくらくアルバイト」は、連携している求人媒体社さま・求人メディアさまの案件をポータル化し、応募者を送客するモデルで展開していますので、業界的にはアグリゲートサイトと呼ばれております。

事業概要 ― 自社メディア【ガクバアルバイト】【らくらくアルバイト】(続き)

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業界のポジショニングになりますが、「ガクバアルバイト」は大学生に閉じたものということで、特化型のメディアに位置付いています。一方、「らくらくアルバイト」は、スライドに記載のような求人媒体社さまの求人案件をポータルとして展開していますので、競合としてはアルバイトEXさまなどがあげられます。

広告市場の変遷

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「pinpoint」のサービスにてついてご説明します。よく「このビジネスモデルが理解できない」というお声をいただきますので、あらためて、広告市場の変遷からご説明します。

広告市場においては、第一世代・第二世代、新聞・テレビという流れで変遷してきました。スライドは「Yahoo! JAPAN」の画面ですが、1990年代の後半に、日本においていわゆるインターネットメディアが立ち上がり、インターネット広告が始まりました。

当然のことですが、インターネットメディアは、興味を持った段階ですぐ行動が起こせて、登録ができたり、資料請求ができたりします。場合によっては物を購入することもできるため、こうしたところが革新的でした。

一方、移り変わりは早く、2000年初期には第四世代として「ネット検索型広告」、いわゆるリスティング広告が始まっています。こちらは、キーワードに対して入札する仕組みです。さらに現在は第五世代に移ってきており、これが当社の事業領域になっていますが、「運用型広告」ということで、インターネット広告市場の中で主流になってきています。

(インターネット広告費は)1兆7,000億円~1兆8,000億円といわれ、「おそらく今年か来年には、テレビを抜くのではないか」と言われております。その中の79.5パーセントが、すでに運用型広告で構成されているのが特徴です。

運用型広告による広告掲載のイメージ

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その上で、当社の「pinpoint」のDMPを活用した広告掲載イメージについてです。仮に「イオレ大学2年生で、ランニングサークル所属のタナカタロウくん」という方がいらっしゃったとします。スライドは「LINE」のタイムライン画面で、アプリを閲覧しにいくと、その際に、当社はLINE社と連携が取れていますので、この会員情報を基に「pinpoint DMP」……DMPとは、データを保管しておく箱だと思っていただければけっこうですが、照合がかかります。

この人はランニングサークルに所属しているわけですので、「LINE」のタイムラインで広告を掲出できるスペースに、最新のランニングシューズの広告を差し込むことができ、実際にタナカタロウくんに広告を掲出する流れです。

これが0.1秒未満、つまりリアルタイムにデータ照合も含めてやり取りがなされているものが、「pinpoint DMP」を活用した運用型広告だとご理解いただければけっこうだと思います。業界的にはRTB(Real Time Bidding)という仕組みを用いたものです。

事業概要 ― 運用型広告【pinpoint 】(続き)

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15ページですが、業界の中ではアドテクノロジーというところに属しています。この業界の成り立ちですが、わかりやすくご説明します。スライドの左側が広告を出す人たちです。右側が、いわゆるインターネットメディアを展開されている会社さまたちです。

当たり前のお話ですが、メディア社は1円でも高く広告のスペースを売りたい。広告を出す人は、1円でも安く広告を出したい。これを、先ほど申し上げた、RTBという入札の仕組みを使って、一番入札額の高かった会社さまをメディアに掲載するといったかたちで生まれたのが、このアドテクノロジーという業界になります。

スライドの赤い線が当社の事業領域ですが、赤い線ではないところ……例えばSSPはメディア社を囲っている仕組みのことで、一方のDSPは広告主側を向いたプラットフォームとなっています。

日本においては、このアドテクノロジーの普及が2011年から始まりました。当社がこの「pinpoint」というサービスを始めたのが、2014年4月からですので、業界の中では後発でした。後発であるがゆえに、DSPやSSPの領域にはあえて踏み込みませんでした。将来的にそこが問屋化して、かなり薄利になっていくのが当時から想定されていたからです。一方、将来的にデータが非常に価値を生み出すのではないかと考えまして、それがつまり当社の事業領域であるDMPという領域です。

トレーディングデスクですが、これは広告を運用する人を指しています。リスティング広告も同じく、やはり広告のパフォーマンスを出して初めて広告出稿主のご理解をいただけるところですので、サービス開始の2014年から、データとしてのDMPと広告を運用するトレーディングデスクに力を入れていたのが当社の「pinpoint」というサービスです。

DMP*(Data Management Platform)ベンダー表

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DMPですが、スライドがベンダー表となります。「pinpoint」は左下に位置しています。

補足で説明をさせていただきます。左の「1st Partyデータ」について、当社は「らくらく連絡網」がデータソースの中心となっていますので、当社の「pinpoint」は1st Partyデータに位置付けられています。一方、「3rd Partyデータ」とは、わかりやすくいえば、みなし属性だと思っていただければけっこうです。「おそらく女性であろう」「おそらく30代であろう」といったデータの持ち方をしているのが、3rd Partyデータです。

表の上下ですが、CRM系でDMPを活用する会社さまと、広告として活用する会社さまということで、当社は、「広告系の1st Partyデータ」を中心としたポジショニングを取っています。

事業概要 ― 運用型広告【pinpoint】

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「pinpoint」は、このスライドのようなサービスです。左側の「らくらく連絡網」以外のデータ連携として、提携企業から格納させていただいています。総数では、2,000万人を超えるデータが「pinpoint DMP」に格納されています。もちろん、個人は特定できませんし、不可逆的な暗号が書かれていますので、匿名加工化された情報として格納しています。

一方、スライド右側ですがGoogleさんや有力なSNSとDMPは連携が取れていまして、「LINE」上でも当社のデータを活用した広告配信ができますし、「Instagram」でも「YouTube」でも、同じことができるビジネスモデルです。

このDMPに関してですが、先ほど「アドテクの参入が後発であったがゆえ」というお話をしましたが、日本においてはCookieで連携されていく会社さまが圧倒的に多いです。しかし、日本は多くの方がiPhoneを使われていて、iPhoneに限っては「Cookieという概念が将来的になくなっていくのではないか」というところも予測していましたので、当社のDMPに格納しているデータは、アプリの広告ID……実はそういったものが、デバイスを特定するものとしてあり、データとデバイスを特定するIDで紐づけているのが「pinpoint DMP」の1つの特徴です。

では、業績の推移、ならびに2019年3月期の通期の概況については、CFOの中井から説明します。

2019年3月期業績 ― 四半期別売上高

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中井陽子氏:中井です、よろしくお願いします。私からは2019年3月期の業績概況について、トレンドとともにご報告申し上げたいと思います。

まず売上高です。当社では一昨年度、すなわち2018年3月期の第4四半期ごろから、当社が強みを持つ求人広告の分野において運用型広告のニーズの高まりを感じています。

2019年3月期については、戦略転換期と位置付けました。1つが、「pinpoint」を中心とした運用型広告の販売と運用への注力。2つ目が、OEM代理店への営業支援体制の強化。3つ目は、データベースの連携を強化してアドテクノロジーを推進する。この3本柱を立て、「pinpoint」および運用型広告の販売に注力してきました。

結果として、売上高はスライドのとおり、各四半期ごとで前年同期比増となりました。とくに、第3四半期については前年同期比23パーセント増。第4四半期の前年同期比は38パーセント増というかたちで成長できました。

ここで、市場の特性についてお話をしたいと思います。広告業界全般で、とくに下半期、年度後半にかけて強くなる傾向がありますが、現在当社が事業上で重点を置いている求人広告分野は、日本においては新年度を意識した採用活動の特性みたいなものがあり、年度末に向けて大きく伸びる季節性動向があります。

2019年3月期業績 ― 経常利益

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利益の推移ですが、昨年度、2019年3月期の期初では増収減益計画とお話をさせていただきました。2019年3月期は、自社メディアの広告販売と「pinpoint及びその他運用型広告」の販売、というサービスミックスの変更、さらに将来の売上拡大のため直販以外にOEM代理店等の営業支援強化といったところにリソースを振り向けたことに伴い、第1四半期、第2四半期については減益となりました。

しかし「pinpoint及びその他運用型広告」の需要の高まりは、当社の予想を少し上回るかたちで推移しました。第3四半期からは利益も回復し、第4四半期については前年同期比増で着地できました。よって、期初に掲げました事業構造の転換は一定程度成功したものと考えています。

2019年3月期 業績ハイライト

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結果として通期で見ますと、21ページのとおりの通期業績となりました。売上高が19億5,500万円、営業利益が7,800万円、経常利益が7,600万円、当期純利益が5,800万円です。先ほど申し上げましたとおり、「pinpoint及びその他運用型広告」を中心に、直近のトレンド数値が堅調に拡大した結果です。

2020年3月期については、このトレンドを基調として前年比23.7パーセントの増収、112.9パーセントの増益の見通しです。2020年3月期の計画詳細については、第4章で再び小川からご紹介します。

2019年3月期業績 ― サービス別売上高

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サービス別の売上です。決算短信にもありますが、市場の需要の高まりと営業リソースの集中ということもあり、「pinpoint及びその他運用型広告」が大きく成長しています。

2019年3月期業績 見通し差異 ― pinpoint及びその他運用型広告の拡大

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このトレンドについて詳しくお話をしたいと思います。一番左が、2018年3月期の実績です。2019年3月期の最初、ちょうど1年前の業績予想での「pinpoint及びその他運用型広告」が、左から2番目の棒グラフです。

その次が、2019年11月に発表させていただきました、修正した下期の見通しです。そして今回の着地というかたちになっています。当社も、もともとこの分野が拡大するだろうと予測しての戦略展開でしたが、予想を超えてこの部分が拡大しています。

受注が好調だったことに加えて、運用効率、あるいは販売効率が上がったことでコストの上昇が抑制されたこともあり、結果として先週5月8日に上方修正というかたちで出させていただいた次第です。

2019年3月期 業績ハイライト ― B/Sサマリー

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B/Sのサマリーですが、共有させていただきたいポイントが2点ほどあります。負債の部の社債のところで、当社は過去からの社債型の借入がありましたが、その一部を1年ほど前倒しで返済させていただいています。

また、純資産の部の株主資本の下に「(内、利益剰余金)」と書かせていただいています。こちらは毎年ご質問をいただくのですが、過去から配当原資である利益剰余金が累積損失により、現在マイナス2億6,800万円となっています。ただし、この収益トレンドが続きますと、近い将来ここが解消していく見込みです。

最後に、ご質問いただく配当についてです。申し上げましたとおり、当社では会社法の規定上、配当可能な状況ではございません。

株主様への利益還元については、重要な経営課題の1つと経営陣は認識していまして、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、将来的に配当を検討するつもりです。現時点においては、配当実施の可能性や時期に関しては未定です。

以上が、2019年3月期の実績数値のサマリーです。2019年3月期の戦略の進捗状況、ならびに2020年3月期の戦略については再び小川からご説明します。

2019年3月期 戦略・結果(まとめ)

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小川:2019年3月期の期初の段階で、3つの戦略を挙げさせていただきましたので、その結果を踏まえてご説明します。

運用型広告へのシフトの理由

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まず1点目、「pinpoint」を中心とした運用型広告の販売と運用に注力していくところです。とくに、当社が狙っていく新たなマーケットとしては、求人広告市場です。この構造変化と運用型広告需要の伸長が顕著でした。

このスライドの左側です。まず市場ですが、求人広告市場がかなり変わってきそうだという予感が、2年前からしていました。一方、競争に関しても、ネットの運用型広告を行っている、専業といわれる代理店が参入してくるのではないかという可能性が高くなっていました。

右側をご覧ください。(事業を)シフトする理由になる、自社分析です。当社は2年前までは、どちらかというとメディアの売上が多かったです。これを運用型広告にシフトしていくにあたって、どのような結論を出したかについてです。自社メディアに関しては、例えば「らくらく連絡網」等になりますが、粗利は当然のことながら、仕入れが発生しませんので高いのですが、広告主さまがずっと「らくらく連絡網」に広告を出すことはないため、案件の特性上、スポットで終わることが非常に多かったです。

一方、運用型広告に関しては、「pinpoint」の事業の説明をさせていただいたとおり、「LINE」「Facebook」などを活用する第三者配信ですので、仕入れは一定数かかっていきますが、案件が非常に長期化するという特性がございます。

また運用型広告に関しては、社内的にはトレーディングデスクで運用する工数は高まりますが、開発工数は低く済みます。案件が長期化するということで、営業が新規獲得をするところに関しても営業工数は低く、長期的に見たときに運用型広告の方が収益性が高いのではないかと考えました。かつ、求人市場が変革を迎えようとしていたタイミングでしたので、事業構想をシフトさせていただきました。

「pinpoint及びその他運用型広告」の伸長

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その結果、先ほど中井からも説明がありましたとおり、全体の売上は26.1パーセント増収となっています。一方、「pinpoint及びその他運用型広告」のサービスだけを切り出しますと、71.2パーセント増収ということで、かなり牽引しました。

「pinpoint及びその他運用型広告」の伸長(続き)

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全体の売上構成ですが、2018年3月期の「pinpoint及びその他運用型広告」は、全体の46.5パーセントでした。一方、2019年3月期については63.1パーセントまで伸長しました。ちょうど1年前のこの場で、あの時は2年ぐらい……ですので、もう1年ぐらい(事業構造のシフトに時間が)かかると思っていましたが、かなり順調に推移したということで、やや強気に「事業構造の転換は完了」と書かせていただいています。

OEM代理店の伸長と効果

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2つ目が、OEM代理店の営業支援体制の強化になります。OEM代理店をあらためてご説明しておきます。当社の「pinpoint」というサービスを独自の名称で、かつそれに新たな付加価値を付けて販売される商品(の販売店)を、OEM代理店と呼んでいます。OEM代理店は、2018年3月期から見ると、この1年でOEM代理店経由の売上を約3倍に伸ばすことができました。

データベースの強化

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3つ目が、データベースの連携を強化し、アドテクノロジーを推進する、です。その中心となる「らくらく連絡網」の会員推移についてです。現状、会員数が669万人、有効とされる団体が38万2,000団体です。実は数字だけ見ると、「らくらく連絡網」はそんなにすごく伸びているようには見えないと言われるのですが、連絡網ですので、当社が重要視しているKPIは団体数となります。

大学のサークルなどをイメージいただければわかると思うのですが、「1年生が入り、4年生が出ていく」といったように、(団体の)中で人が入れ替わっているのです。つまり、「らくらく連絡網」の純増数として、今669万人まで到達していますが、この中で人が毎年入れ替わっていますので、データ自体は常にリフレッシュされている状態となります。

データベースの強化(続き)

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現状、2,000万人強のユーザー情報が「pinpoint DMP」に格納されているところです。

「pinpoint及びその他運用型広告」の伸長 ― 新サービス「ジョブオレ」のリリース

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冒頭、吉田からもお話がありましたとおり、3月1日に「ジョブオレ」というサービスをリリースさせていただきました。「ジョブオレ」は簡単に申し上げると、いわゆる求人サイト・求人ページを簡単に作れるASPサービスであり、さらに応募者の管理を企業ごとで行うことができるサービスであるとご理解いただければと思います。

この「ジョブオレ」は、リアルタイムに「Indeed」「スタンバイ」「求人ボックス」「Yahoo!しごと検索」「Googleしごと検索」に対応する商品ですので、「ジョブオレ」を導入すると、無料で「Indeed」等に連携されます。

とくに「ジョブオレ」に関しては、Indeed社とかなり密に開発させていただきましたので、「ジョブオレ」を導入すると「Indeed」内ですべての募集が完結できるようになっています。

求職者の目線で言うと、顕在層……求職が顕在化しているユーザー(の獲得が目的)です。当然、何かしらで検索をしたり、登録しているユーザーになりますので、こちらを最適化していくツールです。

日本は労働人口がかなり減っていますので、非常に求人難となっています。「pinpoint」は、転職の潜在層……キャリアアップを目指したい、今の職場に不満があるといった、まだ潜在的なユーザーを早期に獲得していくツールです。

わかりやすくいうと、大学3年生になるとインターンなどを行いますので(求職者として)顕在化していきます。一方、1、2年生はまだ潜在層ですが、一括(採用)のルールが廃止される等々がありますので、大学1、2年生の潜在層にも「pinpoint」を活用して、新卒採用でリーチしていくことができる、といった商品でもあります。

その他の取り組み状況 ― 【ガクバアルバイト】【らくらくアルバイト

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その他の取り組みとして「ガクバアルバイト」ですが、新規の登録者数は、大学生になりますが前年同期比で68.8パーセント伸びました。一方、「らくらくアルバイト」についても会員が前年同期比で17.7パーセント増え、現状では149万3,000人まで増えています。

その他の取り組み状況(続き)

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今後についてですが、「ガクバアルバイト」は、5月15日の早朝にフルリニューアルを完了しています。これにより、ユーザーの利便性と運用効率が向上できると思っています。

「らくらくアルバイト」についてです。「らくらくアルバイト」は、今はまだアルバイト領域の案件しか載っていないのですが、今後はいろいろな求人メディア社と連携をとることで、派遣や中途領域の連携を今期中に進めて、総合求人ポータルというかたちでの展開を現状検討しているところです。

市場環境 ― インターネット広告市場と求人広告市場

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2020年3月期の経営戦略と業績予想です。市場についてあらためてご説明します。当社が狙う求人広告市場についてのご説明です。

スライド左側がインターネット広告市場の推移です。冒頭に申し上げたとおり、79.5パーセントが運用型広告になっている市場です。一方、求人広告市場は、市場規模が1兆1,000億円です。まだこの中は、求人を掲載する、紹介会社さまに依頼をするといった市場で成り立っていますが、いずれ運用型広告が主流になる可能性が非常に高いと思っています。

最新市場環境の分析 ― 販促広告領域と求人広告領域の相関

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その分析になります。これはアメリカの動きで、下が販促広告領域、上が求人広告領域になります。アメリカにおいては、いわゆる「AOL」「MSN」といわれるインターネットメディアが1994年に立ち上がりました。数年遅れて、右斜め上に移り、求人広告市場においてもアメリカで「Monster」「CareerBuilder」などの求人専門サイトが立ち上がります。

またアメリカでは1999年に「Paid Search」として、リスティング広告が販促広告領域において始まります。そして2006年、アメリカで「Indeed」が立ち上がります。現在主流になっている運用型広告は、アメリカで2010年に始まっています。アメリカでは、2016年ごろから求人広告市場において運用型広告が始まり、2018年秋の段階でその普及率は25パーセントまできているといわれています。

これを日本と比較しますと、日本の業界はすべてアメリカから遅れて始まります。(1996年に)「Yahoo!」が立ち上がり、今度は紙が中心だった求人広告において、2000年くらいに「リクナビ」等がWebメディアとして立ち上がります。

また、日本のリスティング広告の始まりは2002年で、「Indeed」が日本に上陸したのは実は早く、2009年に上陸しています。日本において運用型広告は2011年から始まっていますので、私の個人的な肌感覚になりますが、昨年の秋ぐらいから、日本においても(求人広告領域で運用型広告が)始まったという印象を受けています。

日本では求人難が加速しており、アメリカ発の「Indeed」が浸透しています。そして、「Google for Jobs」が今年1月に日本に参入してきました。こういったところを背景に、日本市場における求人広告領域での運用型広告が、今まさに始まっているところです。

求職者にとっての変化

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これを、求職者側の目線でご説明します。従来の掲載型の求人広告は、当然「Google」「Yahoo!」で検索しますし、テレビで見たことのある媒体を選定して、媒体ごとに登録します。そして、登録が終わると案件を検索して、やっとエントリーができるという仕組みです。

一方、運用型広告は、検索するとすぐにリアルタイムに案件の詳細にたどり着くことができ、エントリーできます。インターネットの世界においては、この遷移が少なければ少ないほどいいといわれていますので、求職者側ではスライドの下のような遷移が主流になりつつあります。

求人企業にとっての変化

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お金を出す側、人を必要としている求人企業の変化です。従来型の掲載型求人広告をわかりやすく申し上げると、掲載してみないと(応募があるか)わからなかったのです。場合によっては、応募がまったく来ないケースもあったかと思います。

一方の運用型広告についてです。どういう運用をしているかというと、1人を採用するのにいくらで採用したいかに合わせた運用ができるところが特徴です。当然のことながら、人が充足すれば案件を下げることもできます。これは入札を用いる仕組みですので、採用単価が上がってきていたら、入札額を下げたり、入札をやめることもできます。

クリエイティブの面で、大きな会社さまでは100パターンぐらいのクリエイティブを作らせていただくこともありまして、どれがエースクリエイティブなのかをABテストを重ねながら最適化を図っていきます。結果として、求人企業さまが獲得したい1採用単価に合わせていくところが、この運用型広告の特徴です。

採用広告領域における運用型広告の成長イメージ

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当社が試算する市場規模です。いろいろ書いてありますが、アメリカの運用型広告は今、求人広告市場において25パーセントほど普及しています。仮に日本がアメリカ並みに普及した場合、2,052億円の市場規模になるのではないかと思っています。

採用広告領域における運用型広告の成長イメージ(続き)

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その結果として、当社の成長イメージになります。昨年のおそらく秋ぐらいが黎明期です。まだ市場規模はそこまで大きなものではないですが、この市場での移り変わりは非常に早いですので、2~3年くらいのタイミングで2,000億円ほどの市場になっていくのではないかと思います。インターネット広告は79.5パーセントが運用型広告の枠ですので、場合によってはそれ以上の普及を遂げるかもしれません。そこで、こうした成長イメージを考えています。

当社は2年前から、この市場に目を付けて走り出していました。現時点でいえるのは、当たり前ですがトップランナーだと思っています。ですから、この市場の成長とともにリーディングカンパニーを目指していくところが、成長のイメージとなっています。

2020年3月期通期業績予想

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今期、並びに中長期のご説明をします。中井からもありましたように、「ジョブオレ」の活用をはじめ、「pinpoint及びその他運用型広告」の強化を続けることで、2020年3月期の通期業績は増収増益で計画しています。利益額的には、ちょうど前々期ぐらいの利益額まで回復する計画になっています。

2020年3月期通期業績予想(続き)

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それを牽引していくものは、先ほどの説明のとおり、求人広告市場における「pinpoint及びその他運用型広告」の伸長で、全体を牽引していく計画になっています。

中期経営計画(3ヶ年)成長イメージ

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あわせて、中長期のご説明もします。当社の過年度、2017年3月期からの売上と営業利益の推移ですが、今後、まず当社が数字の部分で目指していくものは、売上においては20パーセント以上の増収を維持していきます。

営業利益に関しては、(事業構造を)転換をすると発表したところでは、いったん営業利益率は4パーセントまで落ち込みましたが、今期の計画では6.9パーセントまで回復する計画となっています。当社で試算していますが、営業利益は理論上15パーセントまで将来的に引き上げられると思っていますので、売上の伸長率20パーセント以上、営業利益率15パーセントを目指していきます。

成長戦略イメージ

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成長戦略のイメージです。求人広告市場等々のお話をさせていただきましたが、当社ではこの「らくらく連絡網」を中心とした「pinpoint DMP」が現主力サービスです。このサービスを使って、求人広告市場で新たなマーケットを作っていくところに注力しています。

今後については、当然データの拡張はしていきます。新たな提携企業等を含めたデータの拡張によって、新たな市場を開拓することができると思っています。もしくは、求人広告市場のように市場が変革を迎えてくるところも、なんとなく感じているところです。

先ほどの変遷を見ていると、もしかしたら、求人広告市場のようにポータルメディアというものは世の中からなくなっていくのではないか、という気がしています。スライドに記載していますが、もしかしたら旅行業界、不動産業界、飲食のポータルメディアがそれかもしれません。

当社では、データと市場を掛け合わせて新たなマーケットを作っていくかたちで、成長の戦略をイメージしています。以上です。ありがとうございました。

質疑応答:「Indeed」における運用型広告の意味合いについて

質問者:かなりクリアな将来ビジョンを今回は出されていて、理解がだいぶ深まったわけですが、いくつか確認させてください。

まず、「pinpoint及びその他運用型広告」ということで、1つは御社自体から「Facebook」「Twitter」に入っていくという潜在顧客のところと、もう1つは「Indeed」「Google for Jobs」ところで、そこはリスティング広告の方々とのお付き合いだと思うのですが、小川さまが考えている運用型広告は、やっぱりダイレクトにFacebookやTwitterなど、そういうところに持っていくピュアな運用型広告を持っていらっしゃると思うのですが、「Indeed」などを活用している部分での運用型広告の意味合いについて、はっきりおっしゃっていないので、前世代の「Indeed」と付き合うのか、それを乗り越えるアイデアがあるのかというところは、意味合いとして教えていただけるとありがたいです。

小川:ありがとうございます。「pinpoint及びその他運用型広告」というセグメントで説明させていただきましたが、「pinpoint」と、「その他運用型広告」はどういうものなのかについて、あらためてご説明させていただきます。

「pinpoint」に属する収益は、当社のDMP、いわゆる本社のデータを活用した広告配信をした場合に、pinpointの収益になっています。「その他運用型広告」に関しては、それに付帯するようなもので、例えばリターゲティングをしたり、リスティング広告を運用します。当社では、「Indeed」の有料での運用も一定数行っていたりしますので、いわゆる「pinpoint DMP」を介さない収益に関しては、その他運用型広告に入れているといった内訳です。

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「ジョブオレ」のところで、顕在層のご説明をしましたが、今のところ求人業界で媒体として強いのは、やはりあれだけテレビCMをやっていますので、「Indeed」が強いです。現状では、いわゆる「Indeed」での運用は当社でも行っています。

これは(当社が「Indeed」の)代理店というかたちで、今ではシルバーパートナーに認定されていると思います。それも手がけていますが、必ずしもそれだけではなく、ビズリーチさまの「スタンバイ」や、カカクコムさまの「求人ボックス」といったものも、日本版の「Indeed」みたいな位置づけですので、その運用もやらせていただいています。

また、今後脅威になりそうなのは、「Google for Jobs」です。これがどのような仕様で今後展開されていくのか、まだ私でもわかりかねてはいるのですが、「ジョブオレ」を導入することによって、「Google for Jobs」上にも、いわゆるマークアップ記述のようなかたちを取り入れることで反映されることになっています。

また、「Indeed」だけではなく、顕在層を最適化していく上で、「Indeed」以外での顕在層の獲得も、常日頃からいろいろなものにチャレンジしています。

潜在層に関しては、潜在層のため、「Indeed」「スタンバイ」「求人ボックス」にはまだ辿り着いていないユーザーです。このあたりはむしろ、当社が持っているデータがかなり活きてくる領域だと思っています。当社にご発注いただく企業は、潜在層も早期に獲得したい、顕在層も最適化したいというケースが非常に多くなってきています。

質問者:再確認ですが、御社はIndeedなどリスティング広告のところに対して、御社は代理店として、「ジョブオレ」などを活用してリンクされるのは、運用型広告の一環という理解でよいでしょうか?

小川:はい。そこも当社のトレーディングデスクを介して運用していますので、そちらも運用型広告というかたちで考えています。

記事提供:ログミーファイナンス

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