2017年末にNHKの「クローズアップ現代+」が放映した特集「アラフォー・クライシス」は、現在の40代を中心とした世代が直面する未曾有(みぞう)の危機を浮き掘りにして大きな反響を呼びました。

バブル崩壊、アジア通貨危機、リーマンショックなどによる不況のあおりを20-30代で受けたこの世代は、就職氷河期世代ともロスジェネ世代(失われた世代)とも言われます。この記事では、いくつかの調査結果から40代の貯蓄や負債の実情に迫ります。

1000万円の貯蓄、ありますか?

2018年5月に総務省が公開した「家計調査報告(貯蓄・負債編)-平成29年(2017年)平均結果-(二人以上の世帯)」によると、40代の2人以上世帯における貯蓄現在高は1074万円となっています。一方で負債現在高も貯蓄とほぼ同じ1055万円となっています。

1000万円を超える貯蓄現在高を見て、「こんなに貯めていない」と思った人もいるかもしれませんが、この数字はあくまでも平均結果を示したもの。全データの真ん中にあたる中央値のほうがより実態に即しているとも考えられます。

そこで、ここからは金融広報中央委員会の「平成30年(2018年) 家計の金融行動に関する世論調査」のデータを見ていきましょう。この調査は「2人以上世帯」と「単身世帯」に分けて集計されており、中央値も記載されています。