老後生活の直前に「お金がない!」なんて状況にならないためにも、十分な備えを用意しておきたいもの。まずは目標とする金額を決めておきたい…と考えている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、気になる老後資金の金額の基準や貯め方をご紹介します!

老後資金は50代後半で年収の7倍!?

老後を迎えるまでに、どのくらいの老後資金を用意しておく必要があるのでしょうか。考え方のひとつに、年収を基準にする方法が挙げられます。

現在20代、30代の方向けの「退職準備の指標」として、「退職時に年収の7倍(年収倍率)を用意する」という目標が提示されています。退職直前に年収800万円の場合は5,600万円、年収600万円の場合は4200万円を退職金以外に準備する、というわけです。

ただし、この「年収の7倍」という数字には以下の前提が考慮されています。

・2014年の年金財政検証で「公的年金は2040年代前半をめどに現在の受給額よりも実質ベースで20%減額される」と示唆されたため、試算の前提として給付を20%削減している。
・、退職後も現役時代と変わらない生活水準を標準値とする。

そのため、すでに退職が近づいている状態の方は「公的年金の受給額が変わらない(20%削減を想定しない)」と考えられ、退職時までに用意する資産の年収倍率は5倍で済むでしょう。また、退職後の生活水準を現役時代の80%に抑えることでも、年収倍率を7倍から6倍に下げられます。

この両方を踏まえると、年収倍率を4倍まで引き下げることができます。老後に必要な資金は、ご自身の今の年齢や老後の生活をイメージしながら考えておきましょう。

ある夫婦の家計改善計画

家計の現状をみて「このままでは十分な老後資金を貯められない…」と不安に感じる方も多いかもしれません。そこで、実際に家計を改善して老後資金を増やした夫婦の取り組みをご紹介します。

家計の状況を整理する

もともとご夫婦は「食費のやりくりは妻が担当」「光熱費は夫の口座からの引き落とし」という状態だったそうです。そこで、それぞれしか関与していない家計の項目を共有するようにしました。

また、お互いの収入や貯金、支出の状況もすべて打ち明けることにしました。その結果、世帯全体の資産や経済状況をしっかり把握できたのです。お互いの無駄遣いしがちなポイントも、自然と見つかりやすくなるでしょう。

貯金計画を立てる

続いて、貯金を順調に増やしていくために貯金計画を立てました。この夫婦の場合は収入に波があったため、貯金は一定額でなく「収入に対する割合」で設定することに。また、マイホームを購入する目標があったため、出費を踏まえて目標金額を定めました。

退職後の地方移住にも注目