「働き方改革」によって、残業への風当たりが強まっています。以前なら、深夜までついていたオフィスの照明や空調が、一定の時間になると消される会社さえあります。

厚生労働省は「働き方改革特設サイト」を設けており、残業の削減などに焦点を当てた施策は、国をあげたものになっています。サイト内では、その目指すところは企業の生産性の向上によって「育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化」に対応することだと書かれています。そのためには、誰もが働きやすい環境を整えること、男性の育児参加比率を高めることが大切……ということになるのでしょうか。

とはいえ、適切な業務量の設定、時間管理に迫られる管理職の負担、育児中の社員が休んだときの対応など、「残業をなくせば全て解決」というわけにはいかないのが現実。また、育児・家事の負担が女性に過重にかかっている現状は、男性社員の残業時間削減によって解決するかと言えば、事態はそれほどシンプルではありません。

退勤後に寄り道する人気スポットは?

「うちの夫、昔より残業時間は減ったし、退社時に“これから帰る”という連絡をくれるのはいいけど、そこからが長いの。会社から自宅は50分のはずなのに、なぜか1時間半以上かかることがあって。こちらは、帰宅時間を逆算して家族そろってご飯を食べられるように夕飯を食卓に並べてるのに、子どもが“お腹が空いた”ってギャーギャー泣くのが苦痛。こちらも仕事で疲れているからイライラしちゃって。いったい何してるのやら」

こう語るのは、働きながら子育てをする女性Aさん。