LINE、「LINE Pay」の拡大に伴うマーケ費や人件費の増加の影響等で、1Qの営業損失は約79億円に

2019年4月24日に行われた、LINE株式会社2019年12月期第1四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:LINE株式会社 代表取締役社長 出澤剛 氏
LINE株式会社 取締役/CFO 黄仁埈 氏

2019年12月期第1四半期ハイライト

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出澤剛氏:社長の出澤です。本日はLINE株式会社2019年第1四半期決算発表コールにご参加いただき、誠にありがとうございます。さっそくですが、私から当第1四半期の振り返り及び今後の事業戦略について、説明申し上げます。

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当四半期における「LINEメッセンジャー」の主要4ヶ国のMAUは、1億6,400万人となりました。日本においては、MAUが1年で500万人増加し、8,000万人となりました。さらに、エンゲージメントを示すDAU/MAU比率も86パーセントと、非常に高い水準を維持しています。

事業面では、ディスプレイ広告において、ユーザー接点の非常に多いスマートチャネルへの広告配信が始まるとともに、アカウント広告はリデザイン後の新料金プランが好評で、公式アカウントの新規開設アカウント数が大きく増加しました。

戦略事業では、「LINE Pay」のPayトクキャンペーン等、ユーザー向け施策が大きな反響を得て、今期の「LINE Pay」のKPIであるグローバルMAU1,000万ユーザー達成に向けて、順調にユーザー数を拡大しています。さらに、加盟店拡大に向けた取り組みとして、メルペイと提携し、Mobile Payment Alliance構想を発表しました。

また、組織面では、カンパニー制を導入し、より機動的な事業推進を狙うとともに、大型の新株式報酬制度の導入を決議して、し烈な人材獲得競争の中で、グローバルでのトップクラスの人材を獲得・育成し、より大きな事業成長を目指す体制を整備しました。

報酬制度の導入にあたっては、社外取締役を中心とした報酬委員会を設置して検討を進め、中長期的かつ継続的な企業価値と社会的価値の向上を目指す、すべてのステークホルダーに広く価値を提供する報酬ポリシーと報酬制度を決定いたしました。

なお、新株式報酬制度導入に伴うコストに関しては、ストックオプションが発行されたあとにご説明させていただく予定です。

全社|売上収益

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続いて、全社の売上収益ですが、当四半期の連結売上収益は553億円となり、前年同期比で13.5パーセント増加しました。全体の売上に占める広告売上比率は54パーセントとなり、日本の売上比率は75パーセントとなりました。

セグメント別売上収益及び営業利益率

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次に、セグメント別の売上収益及び営業利益です。当四半期におけるコア事業の売上収益は、広告事業の堅調な成長に伴い、前年同期比12.3パーセント増の480億円、営業利益率は17.2パーセントと大きく改善いたしました。

戦略事業は、売上面では「LINE FRIENDS」の売上が季節要因で減少したことにより、前四半期比では減少したものの、前年同期比では21.8パーセントと増加し、営業損失については計画どおり投資が進み、150億円の損失となりました。詳細については、のちほどCFOの黄よりご説明いたします。

コア事業|広告

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コア事業のご説明に移ります。広告事業全体としては、前年同期比18.6パーセント成長し、299億円の売上となりました。アカウント広告においては、新プラットフォームへの刷新、リデザインが功を奏し、グローバルでの公式アカウント数は前四半期から151件増え、925件となり、「LINE@」のアカウント数も60万件増加の974万件となりました。結果、アカウント広告の売上は、前年同期比16パーセント増の156億円となりました。

ディスプレイ広告においても、自社の新プラットフォームへの切り替えを実施し、拡張性が高く、開発速度を高速化できる基盤を整えるとともに、DPAやアプリ広告向け機能の追加、ターゲティング精度と広告配信ロジックの向上も同時に行いました。

広告インプレッション数は、国内外の各サービスの成長と、スマートチャネルのローンチにより、前年同期比で49パーセント増と大きく成長しました。結果、ディスプレイ広告の売上は、前年同期比16パーセント増の106億円となりました。

コア事業|広告:スマートチャネル

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スマートチャネルについては、昨年11月より慎重にテスト配信を進めてまいりましたが、当初の計画どおり、4月中には国内のすべてのユーザーを対象に、コンテンツ及び広告の配信を開始いたします。

配信するコンテンツは各ユーザーごとにパーソナライズされ、天気やニュースのほかにも、占いや漫画、おすすめスタンプ等のコンテンツが配信され、徐々に広告の配信も拡大してまいります。また、今月からは台湾、タイでもコンテンツ配信を開始いたしました。

今後もコンテンツの拡大とUIの改善を継続的に行いつつ、動画広告など、広告フォーマットも拡充し、ディスプレイ広告のさらなる成長の柱としていきたいと考えています。

コア事業|広告:LINE Sales Promotion

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また、販促領域でのソリューションを提供する「LINE Sales Promotion」においても、新しい成果が出てきています。LINEの圧倒的なエンゲージメント、位置情報データ、メッセージ機能は、販促ソリューションと非常に相性がよく、デジタル化が進まなかった販促市場に、大きな進化をもたらすことができると考えています。

すでに販促キャンペーン用のさまざまな機能をご提供しておりますが、第1四半期には「LINE Beacon」を活用した店頭告知ソリューションの提供も開始し、第1四半期における新規案件数は60件まで増加して、前年比5倍の成長となりました。

さらに、先日ダイエーと共同で、位置情報データを利用したデジタルチラシの実証実験を行い、「LINE Sales Promotion」を活用することで、来店率や掲載商品の購買点数が大幅に上昇することが検証できました。

今後は、多くの企業が活用できるよう、より汎用性の高いソリューションの開発を進め、「LINE Pay」「LINEウォレット」との連携も進めて、アカウント広告、ディスプレイ広告に次ぐ、第3の柱として「LINE Sales Promotion」を成長させていきます。

コア事業|コミュニケーション・コンテンツ・その他

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続いて、コア事業のコミュニケーションとコンテンツです。コミュニケーション売上は、お年玉スタンプや各種キャンペーンを実施し、前年同レベルの74億円の売上となりました。

コンテンツ売上では、ゲーム「バブル2」でのコラボレーション企画や、「ディズニーツムツム」の5周年イベントなどで着実な成果を出し、また「LINE マンガ」「LINE MUSIC」が引き続き成長を牽引することによって、前年比3パーセント増の95億円の売上となりました。

また、4月17日より新タイトル「ディズニー トイカンパニー」をリリースし、初夏には任天堂との協業による、「Dr. Mario World(ドクターマリオ ワールド)」の提供を開始する予定です。

戦略事業|O2O・コマース

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続いて戦略事業のO2O・コマース領域の進捗をご説明します。オンラインコマースの「LINEショッピング」では、新規パートナーの増加や機能改善により順調に取扱高を伸ばしました。

また、昨年末に開始したオフライン領域の「SHOPPING GO」は、想定を超えるスピードで取扱高を拡大し、3月からは家電量販店最大手のヤマダ電機でも利用が可能になりました。これらの結果、ショッピング領域の取扱高は、前年比69パーセント増加しました。

グルメ領域でも「LINEデリマ」の期間限定の半額セールの実施や、「LINE Pay」との連携キャンペーンにより取扱高が大きく成長して、前年同期比で79.6パーセント増加しました。4月からはテイクアウトサービスの「LINEポケオ」を先行公開しました。

位置情報を活用したレストラン検索、LINE上での注文、「LINE Pay」による事前決済と、LINE上ですべてが完結するサービスを提供することで、店舗が抱える食品ロスや人件費高騰などの課題解決をサポートし、利用者にも圧倒的に便利なテイクアウト体験を提供していきます。

6月以降、さまざまなジャンルの店舗での導入が予定されており、2020年末までに掲載店舗3万店を目指してまいります。

「LINEトラベルjp」でも本格的なサービス展開を開始し、直前四半期比で456.1パーセント増の成長となりました。各サービスが成長することによって、O2Oコマース事業そのものの価値が増大するだけではなく、「LINE Pay」との連携、広告との連携など、多くのシナジー効果を創出することを目指しています。

例えば昨年、「LINEデリマ」における「LINE Pay」の決済比率は4パーセントでしたが、直近では18パーセントまで上昇しており、利用者にとってシームレスな体験を提供することで双方のサービス成長を加速させ、「LINE」プラットフォームのエコシステムの強化につながっています。

戦略事業|LINE Pay

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続いて、「LINE Pay」の進捗についてです。第1四半期におけるグローバル取扱高は、前年同期比45.8パーセント増の2,522億円となりました。前四半期は、台湾で保険料納付による一時的な取扱高の増加があったほか、1月からは台湾でのポイントの還元率を従来の2パーセントから1パーセントに引き下げた結果、台湾の取扱高は前四半期比で減少しましたが、日本国内における取扱高は順調に増加しています。

日本で毎月実施している「Payトクキャンペーン」等のマーケティング施策により「LINE Pay」のブランド認知度も大きく向上した結果、第1四半期末におけるグローバルMAUは前年同期比85.2パーセント増の430万人となっており、今期のKPIであるグローバルMAU1,000万人に向け着実に拡大しています。

戦略事業|LINE Pay:国内の取り組み

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日本での取り組みの一部をご紹介いたします。まずは加盟店拡大の取り組みとして、昨年末に発表したGlobal Allience構想を国内にも広げることを発表し、国内パートナー第1弾としてメルペイさんと提携いたしました。

これにより、「LINE Pay」とメルペイにおける加盟店を相互に開放し、それぞれのユーザーは双方の加盟店で決済が可能になることから、加盟店獲得のさらなる強化につながります。今後は両社で加盟店Allience・Mobile Payment Allienceを設立し、他の事業者にも参画を促していくことで、日本のキャッシュレス化の促進を牽引してまいりたいと思います。

サービス面では、今月から「LINE Pay」アプリの提供を開始しました。多くのユーザーからご要望をいただいていた店舗マップ機能や「LINE Pay」クーポン等、「LINE Pay」で頻繁に決済するユーザーさんにとって非常に便利な機能を搭載し、よりシンプルに決済ができるようにいたしました。

さらに本日、従来の銀行口座連携を通じた本人確認方法に加えて、オンライン本人確認サービス「LINE Payかんたん本人確認」の提供を発表しました。ユーザーは「LINE」アプリ内から必要情報を入力し、身分証明書と自分の顔を撮影することによって、本人確認が簡単に完了します。これまで送金機能などを利用する際のハードルとなっていた本人確認が手軽にできることで、「LINE Pay」ユーザーのさらなる拡大・活性化につながると期待しています。

また大型の提携では、スターバックスジャパン社との包括的な業務提携を発表しました。この提携では、「LINE Pay」だけではなく「LINEウォレット」「LINE」公式アカウントもご活用いただき、ユーザー利便性の高いシームレスな顧客体験を共同で実現してまいります。また、すでに一部店舗で導入されている「LINE Pay」決済も、今後全店に拡大していきます。

このような決済だけではなく、送金、公式アカウント、「LINEウォレット」などがシームレスに連携した「LINE Pay」の提供価値は、ユーザーにとって利便性が高く、企業や店舗にとっても利用価値が高いため、我々の大きな強みであると考えています。引き続き「LINE Pay」自体の利便性向上、ユーザー活性化と加盟店拡大を強力に推し進めつつ、「LINE」プラットフォーム上で提供しているさまざまなサービスとの連携を強化して、「LINE Pay」のさらなる普及・発展を目指してまいります。

以上をもちまして、私からの説明を終わります。続きまして、CFOの黄より当第1四半期の業績の詳細をご説明申し上げます。

2019年12月期第1四半期連結業績

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黄仁埈氏:CFOの黄です。それでは私から、第1四半期の実績について説明いたします。2019年第1四半期の連結営業収益は554億7,500万円、営業損失は78億9,200万円になりました。その他の営業収益を除く売上収益は553億2,300万円を記録し、前年同期比13.5パーセントの増加、前四半期比では1.2パーセント減少しました。

第1四半期におけるコア事業の売上収益は合計で479億4,800万円、前年同期比12.3パーセント、前四半期比で3.2パーセント増加しました。営業利益は82億6,600万円、営業利益率17.2パーセントで、前四半期比56.6パーセント増加しました。コア事業の利益率の上昇は、広告事業やスタンプ事業の売上増加に加え、ゲーム事業におけるマーケティング費用の減少によるものです。

次に、戦略事業の売上収益は合計で73億7,500万円、営業赤字149億8,700万円を計上しました。主に、「LINE Pay」において決済ユーザー拡大のために積極的なマーケティングを実施したことや、金融事業のサービス拡大に伴う人件費の増加によるものです。

営業費用

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続いて、営業費用についてご説明申し上げます。第1四半期の営業費用は633億6,700万円、前年同期比29.4パーセントの増加、前四半期比では0.2パーセント減少しました。人件費とマーケティング費用は19ページに詳細を記載していますので、それ以外の費用の内訳を説明します。

販売手数料は前四半期比12.8パーセント減少し、42億5,400万円になりました。主にLINEバイト事業とFriends事業の売上減少によるものです。外注費は、リリースを控えた金融事業における開発に関わる外注費の増加により、前四半期比3.3パーセント増加、91億100万円になりました。

減価償却費は、前四半期比57.9パーセント増加し、51億8,400万円になりました。今期からIFRS16号による新リース基準の適用に伴い、これまで「その他の営業費用」に計上されていた対策関連費用を、減価償却に計上しています。前述のとおり、主に新リース基準の適用に伴い、その他の営業費用は前四半期比39.6パーセント減少し、86億2,800万円になりました。その他、Friendsの売上減少による製造原価の減少によるものです。

従業員報酬費用及びマーケティング費用

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当四半期の従業員報酬費用は、前四半期比11.7パーセント増加し172億円になりました。主に「LINE Pay」や金融事業を含む戦略事業の積極展開に伴い、当該事業分野の人員を継続的に採用していることが要因です。

マーケティング費用に関しては、大部分が戦略事業にあたります。とりわけ「LINE Pay」において、決済ユーザー拡大のために積極的なプロモーションを実施したことにより、前四半期比26.0パーセント増加して75億円になりました。

営業利益及び四半期純利益

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第1四半期の営業損失は79億円、当期純損失は107億円となりました。私からの説明は以上です。

記事提供:ログミーファイナンス

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