最近は学力格差の話題がマスコミやネットで取り上げられることが少なくありません。筆者も、自分が塾講師として働いていた約10年前と現在ではどのくらい格差が広がっているのか、自分の子供を通してずっと考えています。確かに格差は確実に広がっており、親の学歴がそのまま子供世代に受け継がれ、負のスパイラルに陥っている感は否めません。

しかし、世間一般で言われている経済力と学力の関係性は本当にあるのでしょうか。全てがお金で解決してしまうのか大きな疑問を抱いています。なぜなら、経済力以上に大切なことを塾講師をしていた時の出来事で実感したからです。

経済力が全てとは言い切れない学力の差

経済力が全てとは言い切れない現実を、筆者の経験から紐解いていきます。

富裕層でもやる気のない子供たちとの出会い

塾で仕事をしている時、一定数の富裕層の子息が通っていました。筆者自身は裕福とは縁遠い子供時代を過ごしていたことやそれまでの経験上、富裕層=勉強ができる、と思い込んでいたのです。しかし、富裕層の中でも子供の学力が二極化しているという衝撃の事実を目の当たりにしました。

もちろん、習い事も複数しているなど一般家庭の子に比べて羨ましい環境です。それなのに、勉強へのやる気がない子や、中学生なのに小学校3,4年の漢字の読み書きもままならない生徒もいました。