2019年4月22日に日本証券アナリスト協会主催で行われた、株式会社三栄建築設計2019年8月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:株式会社三栄建築設計 代表取締役社長 小池信三 氏
株式会社三栄建築設計 経営企画部長 榎本喜明 氏

MELDIA認知アップの施策

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小池信三氏:本日は株式会社三栄建築設計の2019年8月期第2四半期決算説明会にお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。それでは、まずはじめに、新しいCMができあがりましたので、少しご覧いただければと思います。

(CMが流れる)

当社のイメージ(キャラクター)として城田優さんを起用して、4月20日からCMを実施することに決定しました。昨今、当社も大学生の採用に非常に苦労しておりまして、そういった意味で、彼のような、若い世代に知名度がある俳優を使って、大学生の新卒採用確保、そしてまた、当社の若い世代にもさらに知名度をアップしていこうということで、城田優さんを起用しております。

2019年8月期第2四半期 グループTOPICS

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それでは、第2四半期のトピックスから説明させていただきたいと思います。第2四半期は、過去最高の売上と利益を大幅に更新することができました。また、生産工程の平準化により、安定的な生産供給を実施することができました。さらに今回、この中間決算までの間に中期経営計画を発表させていただいております。

業績TOPICS①

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当期間における過去最高の売上ということで、売上高で532億2,400万円、利益で47億3,000万円を確保することができました。これは、戸建以外の売上なども寄与した結果ではありますが、総合的にメルディアグループ全体として、売上確保できたと考えております。

生産工程平準化への取り組み

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そして、生産工程の平準化を今期から実施しております。今まではどちらかといいますと、決算期に向けて商品を販売していくというかたちでした。ですから、どうしても第1、第2四半期の売上が低調で、そこから第3、第4四半期……とくに第4四半期の売上が非常に伸びてきたというところがありました。

職人さんの確保など、当社社員の過度な労働がその時期に集中してしまう結果、品質の安定化といったところで少し不安な部分があったのも事実でございます。

そういったところをなくそうということで、今期から一定の在庫を持ちながら、毎月一定の生産を実施した結果、中間の売上もこのように上がっておりますし、品質、原価の均一化も非常によくできたと思っています。ただし、デメリットとしましては、若干借入の金額が増えていることと、棚卸在庫が増えてしまっているということです。

当社の場合は完成前契約率が50数パーセントと、完成前に半分以上は売れているのが現状でございます。一時期は70パーセントぐらいを維持できていたのですが、今は2,000棟近く供給しており、その50パーセントというと、1,000棟近くは完成前に契約が済んでいます。この数字は、業界においても非常に高い数字だと思っております。

また、当社の商品企画力はずば抜けており、他社とは比較にならないほどのデザイン力があるということが、業界においてはかなり認知されており、それが完成前契約率に繋がっていると思っています。

在庫を持っているといいましても戸建ですので、土地を買ってから販売するまでの期間は、今まで5ヶ月回転ということで、土地を買ってからお客さんに引き渡すまで、5ヶ月を目標にやってきました。ここがまた7ヶ月くらいに延びています。

しかし、経営を大きく左右するほど在庫を多く持っているわけではないと思っておりますので、その意味では将来的な不安要素ではないと考えております。

業績TOPICS②

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続きまして、中期経営計画についてです。三大都市圏でメルディアの分譲住宅シェアを拡大していくということで、3ヶ年で売上高1,500億円、経常利益125億円を目指して、各セクションで売上を伸ばしていこうと考えております。

メインの事業は戸建で、用地仕入から販売戦略、生産、そして販売まで行います。そのために当社は、広告戦略としてメルディア・マーケティング・プロモーションという子会社を作り、事前にこちらにお客さまをストックするというビジネスをスタートしております。そして、以前から販売子会社でありますメルディア リアルティという会社で販売するという流れを、しっかり作っていこうと思っています。

一つひとつの物件の広告を打って販売するのではありません。当社のデザイン力、商品力に共感いただいているお客さまを、メルディア・マーケティング・プロモーションという子会社のサイトにストックしており(そこに販売していき)ます。目標としましては、2万人のお客さんをストックしておこうということで、この会社をスタートしております。

そして、ストックしたお客さんに対して、随時購入した用地を企画し、できあがった商品に関して、完成前から紹介していくという流れを作っていくことで、より効率よく販売するという戦略を進めております。

注文住宅におきましても、先般発表させていただきましたように、ウィズ・ワンという非常にデザイン力が強い会社の事業譲渡を受けました。こちらは、都内4ヶ所に住宅展示を持っていたのですが、そちらも当社が引き受けることができました。非常にいい場所で、なかなか空きがない場所だったのですが、そこを4ヶ所確保することによって、今後、注文住宅も伸びていくと考えております。

また、子会社で大阪圏にあるシード平和は、大阪圏では優良なデベロッパー会社さんと非常に綿密な関係を築いておりますので、シード平和が発表しました中期経営計画どおりに売上が乗ると考えております。

そして、新しく当社で作りました投資用の会社……これは投資事業を大きく伸ばそうということではないのですが、確実にいろいろと利益寄与できる事業を遂行していきたいと思っております。

海外事業におきましては、今後は日本だけにとどまらず、以前から進めておりますベトナムとアメリカといったところにも商品を提供していこうと考えています。

とくに、当社のアメリカの開発案件、ロサンゼルス西エリアにおきましては、当社の知名度も非常に上がってきまして、いろいろな案件がロサンゼルス支店に入ってきている状況です。

また日本の大手デベロップ会社からも、当社と一緒にJVに入りたいというお話をいろいろいただいている状況で、海外のビジネスにおいては、当社単独というよりは、日本チームとしていろいろなビジネスを展開するという流れになっております。

そういう意味で、メルディアグループ全体で、今後、売上高1,500億円を達成していくつもりでございます。

事業TOPICS(分譲事業①)

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続きまして、当社の主要事業である分譲戸建住宅についてです。こちらに関しては、何度も何度も説明しておりますとおり、やはり当社はデザイン力を一番重視している会社でございます。2018年も「グッドデザイン賞」を受賞し、2年連続で受賞することができました。

それ以外にも、「東京ガス賞」や「ニチハ賞」など、さまざまな賞をいただくことによって、当社のデザイン力を強調しておりますし、そういったところでいろいろなお客さんに支持されております。

事業TOPICS(分譲事業②)

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当社の特長としましてデザイン室というものがあります。そこで一貫して、デザインのコンセプトやいろんな街並みの企画を審査しています。若い人からベテランまで、デザインにムラがないようにしっかりチェックしながら、商品を世の中に出しています。その部分には、ものすごい時間と手間をかけております。

そこのトップを務めるのは山口という者です。イタリアの国費、つまり政府の予算でイタリアに留学してデザインを学んで戻ってきた人間で、デザインもセンスも非常に優れている人材です。山口以外にも、当社にはさまざまなデザイナーがおりまして、そういった人間が一つひとつ、すべての物件に関してデザインチェックを行っておりまして、「この現場はデザインがいい。しかし、この現場はデザインが悪い」といったことのないように、デザイン性に関しては非常に注意しています。

何度も言いますが、たくさんの契約者さんがいる中でも、デザインが気に入らないというお話は、一度たりとも聞いたことがありません。非常にデザインが気に入ったというお話をいただいております。

またデザインだけではなく、住まい勝手のプランニングに関しても、高い技術力を持ち、住みやすい住宅を作っているということを自信を持って言えます。

結果として、先ほど言いましたように完成前契約率は50パーセントを下回りません。もちろん、都市、(東京)23区内だけで50パーセントを維持するというのは簡単ですが、当社の場合は埼玉、千葉、神奈川、名古屋、大阪とありますので、全体で50パーセントを切らないというのは、非常に高い数字かと思っております。

事業TOPICS(分譲事業③)

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また当社としましては、今期から店舗の統廃合、支店制からエリア制を取り入れております。今までは小さい支店がたくさんあったのですが、これをブロックごとに大きくまとめて、しっかりとした指示系統(を構築して)、商品やサービスのバラつきのないようにするということで、大きなブロックの中で管理していこうと思っております。

そのために小さいユニット制を設けまして、お客さまに対して、一つひとつの物件について、ユニットでサービスと商品を提供していこうという方向性で、このエリア制を取り入れております。こちらに関しましては今期からスタートしまして、今、試行錯誤の中でいろいろ組織を構築している段階でございます。

事業TOPICS(海外事業)

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続きまして、海外事業でございます。引き続き、ベトナムの事業に積極的に投資しております。今回は、今までとはまた違い、NETLANDというベトナムの不動産仲介会社の最大手に資本を入れました。海外株主としては一番シェアを持っており、保有率は18.75パーセントです。そちらの経営、また物件に関しましても出資しながら、ベトナムの入り口から出口まで一貫して、しっかり不動産市場をカバーできるような体制です。

また、とくに出口ではこのベトナム(の会社)を活用することで、商品を作るだけではなく、販売するほうも含めて、開発した商品で売れ残りがないようにしっかりした体制で、ベトナムの不動産事業に参加している状況でございます。

事業TOPICS(ホテル事業①)

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続きまして、ホテルメルディアです。こちらに関しましては、ホテル事業を積極的にやろうということではございません。何のためにやるのかと言いますと、子会社のシード平和が、関西圏でたくさんのホテルを受注しており、建築している状況でございます。

関西では、ホテルの建築ラッシュでございます。将来的には、必ず3年や5年ごとにリニューアルが必要だと思いますし、小さいメンテナンスも必要になってきます。

そういった中で、当社のシード平和はそのノウハウを持って、いろんなメンテナンスや補修など、建築するだけではなく、管理・運営をしっかりできる流れを作っていこうということです。そうしたホテル運営のノウハウを当社でも持っておくために、この取り組みをやっております。

事業TOPICS(ホテル事業②)

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「ホテルメルディア 荻窪」や、これからオープンする「ホテルメルディア 大阪肥後橋」は、ほかにはなかなかないコンセプトで建築しておりまして、非常に評判がいい状況でございます。

ホテル運営のノウハウやアセットを多く持っている……どちらかと言いますとマネジメントですが、管理・運営もまた、修繕のビジネスにつなげていければと考えています。

事業TOPICS(その他)①

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その他のトピックスとしましては、先ほど申し上げましたように、メルディア・マーケティング・プロモーションという子会社の設立です。また、戸建てを買うお客さまの事例をストックするためのシステムを開発中です。また、販売網の強化として、子会社である仲介会社のメルディア・リアルティ江戸川支店をオープンしました。

そして、とくに説明するほどでもないのですが、私がまた『家づくり大革命』という本を書きましたので、ぜひご覧ください。価格は1,400円で、もしかしたら本屋に残っているかもしれませんし、Amazonさんであれば売っていると思います。よろしければ、読んでいただければと思います。

また、湘南ベルマーレがJ1リーグに残留しまして、ルヴァンカップも優勝することができました。あまり経営とは関係ないですが、優勝したというのはいいことです。

事業TOPICS(その他)②

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最後に、メルディアリアルティについてです。当社は、商品力、デザイン力に関しては絶対の自信を持っています。また、企画力や商品の総額金額といったところでも、非常にお客さまに喜ばれる商品を作っていると思います。ただ、それをしっかり説明する販売の力がまだまだ弱いです。

今はまだ、半分以上が一般の仲介業者に委託して販売している状況でございますが、最終的にはそこを100パーセント、当社で売っていくということです。メルディアリアルティは設立して3年が経ちましたが、順調に支店も増えておりますし、売上における仲介件数もしっかり増えております。

今後、100パーセントを自社で販売できるよう、しっかり組織づくりに邁進している状況でございます。100パーセント自社で売ることによって、販売手数料といったものも削減できますし、最終的には利益率の向上につながると思っております。また、当社の商品は当社の運営側が一番理解しているわけですので、より早いスピードでお客さんに説明を行い、より早いスピードで販売契約が進むと考えております。

そういった意味で、各部署、各セグメント別に順調に業績を伸ばすことができておりますので、まずは今期の売上1,200億円、経常利益100億円を100パーセント確実に達成するということを目標にしております。そうした数字は最低(の目標)で、そこからどれだけ上振れることができるかが、私の大きな目標でございます。

第2四半期の説明について、簡単ではございますが、以上となります。続きまして財務関係の内容を、経営企画部長から説明させていただきたいと思います。

連結P/Lの概要

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榎本喜明氏:それでは、連結決算の概要について、第2四半期のところを私から説明させていただきます。

まず、先ほど小池からもお話がありましたとおり、この第2四半期は、過去最高の売上高、利益を更新することができました。期初予想に対しまして大幅に上回っての着地ということで、第2四半期で上方修正も出させていただいております。

売上高は、前年同期と比較しまして38.1パーセント増でございます。予算比でいいますと9.7パーセントの増加となっております。営業利益でございますが、こちらは予算比で23.3パーセント増、前期比で117.7パーセント増でございます。

経常利益に関しましても、予算に対して24.5パーセント増、前年同期に対して109.8パーセント増と、大幅に上振れることができました。

連結P/Lの概要(セグメント別 売上・営業利益)

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続いてセグメント別でございます。今期からセグメント区分を変更させていただきました。前期までは「不動産販売事業」「不動産請負事業」「賃貸収入事業」という3つのセグメントで報告させていただいておりましたが、今期から、不動産販売の中でどのセグメントの売上がどのぐらい上がっているのかがよりわかりやすくなるように、4つのセグメントに分割させていただいております。

セグメントの変更

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具体的には、「不動産販売事業」を、「不動産分譲事業」と「不動産販売事業」の2つに分けさせていただきました。これによって、大型の投資用不動産事業のところがセグメントとして見えやすくなっているという状況でございます。

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前のページの「不動産分譲事業」ですが、昨年のセグメント分けを今期に合わせておりまして、売上高は前期比で18.1パーセントの増加となっております。

そして、新しいセグメントの「不動産販売事業」でございますが、売上高は約45億円から約152億円ということで、238パーセントの増加となっております。また、「不動産請負事業」が10.8パーセントの減、「賃貸収入事業」が29.9パーセントの増となりました。

戸建分譲等の販売件数推移

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戸建ての販売状況でございます。前年同期では497件でしたが、今期の第2四半期時点では663件を販売できました。

請負事業に関しましては、220棟から133棟と減少していますが、前期から、利益の低い請負事業……要するに、業者さまからの建売の請負をあまり積極的にやらず、注文住宅にシフトしていこうという戦略の中で、意図的にこの数字を減らしております。それが、この第2四半期の減というかたちで現れております。これからも注文住宅をどんどん売っていきたいということで、業者様からの請負は積極的に受けるつもりはございませんので、今後もこの傾向になっていくと思います。

また昨年の分譲マンション販売は、子会社のシード平和が第2四半期時点で230件ございましたが、今期の第2四半期までは実績はございませんでした。シード平和のマンションの引渡が第3四半期以降に偏っているため、このような数字となっております。

連結P/Lの概要(販管費)

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販管費の状況でございます。簡単にまとめさせていただきますと、やはり成長企業でございますので、人件費は多少の増となっております。しかしながら、経費の削減というところで会社全体で取り組んでおります。その結果、経費の部分が減じています。

また、子会社のメルディアリアルティについてです。不動産仲介業でございますが、仲介手数料を外部に支払わずに自社で販売というところで、多少の販管費の減少につながっております。今後、ここは棟数が伸びてまいりますので、先ほど小池が申し上げたとおり、当社の建売を全棟、自ら売るということになれば、外部にお支払いする仲介手数料がなくなりますので、利益増に寄与してくるのではないかと考えております。

なお、おかげさまで、当社は昨年9月で25周年を迎えております。その分の(接待交通費の)費用が少し発生しておりましたので、こちらに載せさせていただきました。しかしながら、全体の売上が上がっておりますので、販管比率が前年同期は8.4パーセントだったものが、6.9パーセントになっております。

連結P/Lの概要(営業外費)

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続いて営業外費でございますが、営業外収益はほとんど同等でした。しかしながら、積極的に棚卸を買っておりますので、ここのところで少しポイントが増加しているというところです。

自己資本比率とB/Sの推移(4期間)

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自己資本比率とB/Sのところですが、見ていただきますとわかるとおり、数字が膨らんでおります。それに伴って自己資本比率が減少となっております。

ただし、例年、第2四半期のところで在庫をかなり持ったまま第3、第4四半期に進んでいくということで、今期も販売は加速してまいりますので、期末に向けて自己資本比率が上がってくると見込んでいます。

連結貸借対照表の概要

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B/Sに関しましては、先ほど小池が申し上げたとおり、計画的に販売をしていく……今までの「買って売って、買って売って」というところから、今期は計画的にやっていこうということで、借入の部分は多少増加が見られますが、これは計画的に進めていくことに伴う数字の変化でございます。

キャッシュ・フローの概要

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キャッシュ・フローの状況は、スライドのとおりとなっております。

配当の状況

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配当の状況に関しましては、今期は48円と、前期と同じところを見込んでいます。間違いなく今期の業績予算を達成していくことで、安定的な還元を目指してまいります。

なお、初めての試みといたしまして、今期から中間配当を出すことを決めさせていただき、まずは今期の中間配当は24円というところです。

以上が、第2四半期の業績の部分でございます。この第4四半期に向けてますます加速していきながら、業績の達成を確実なものにしていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。ご清聴ありがとうございました。

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