KLab、新作の好調に加え、既存作品の減衰が想定以下で、通期の売上・営業益・経常益は過去最高に

2019年2月13日に行われた、KLab株式会社2018年12月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:KLab株式会社 代表取締役会長兼社長CEO 真田哲弥 氏
KLab株式会社 専務取締役CCO 森田英克 氏
KLab株式会社 常務取締役CFO 高田和幸 氏

連結損益計算書

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高田和幸氏:取締役の高田でございます。それでは私から、2018年度第4四半期および通期の業績について説明させていただきます。

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第4四半期の連結損益決算書の概要になります。売上高は77億3,700万円。前四半期比で13.5パーセントの減収となりました。営業利益は10億500万円。前四半期比で28パーセントの減益となっております。経常利益は8億8,800万円。親会社株主に帰属する当期純利益は5,900万円の赤字となっております。第3四半期の業績が非常に好調だったこともあり、その反動で売上高・利益ともに減収減益となっております。

ただ一方で、開示しておりました業績予想に対しましては、売上高および各段階利益ともに(当社想定)を上回るかたちで着地しております。

売上高 前四半期との比較

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売上高の分析です。前四半期との比較になりますが、『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』は、前四半期比で横ばい。『キャプテン翼~たたかえドリームチーム~』は、前四半期比で微減。『BLEACH Brave Souls』は、前四半期比で減少となっております。『幽☆遊☆白書 100%本気(マジ)バトル』につきましては、第3四半期は約1ヶ月分の売上寄与でしたが、前四半期は3ヶ月分、フルで売上に寄与しております。

売上高および営業利益の推移

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売上高および営業利益の推移については、資料をご確認ください。

海外売上高の推移

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海外売上高の推移です。第4四半期の海外売上高は、29億6,100万円となりました。約30億円弱での着地となっております。第3四半期には僅かにおよびませんでしたが、高い水準で売上が維持できていると考えております。

中身を見てみますと、第3四半期に好調でした『ブレソル』および『キャプ翼』が、その反動で減少しております。一方で、中国大陸・繁体字圏向け『BLEACH』がカバーしており、30億円弱の売上になっています。

費用

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費用の概要です。売上原価は54億4,900万円。前四半期比で21.1パーセントの減少となりました。減少の主な理由としては、売上高に連動します使用料および支払手数料が売上減少にともなって減少したためです。

販売費及び一般管理費は12億8,200万円。前四半期比で14.6パーセントの減少となりました。第3四半期は、東京ゲームショウなど大型プロモーション施策がございましたが、第4四半期はそういった施策がありませんでしたので、広告宣伝費が減少しております。

主な費用の推移

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主な費用の推移です。費用の構造自体は大きく変わっておりませんが、開発力強化のために、労務費・人件費および外注費といった科目が増加傾向にございます。

特別損失

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特別損失の計上についてです。合計で、9億5,800万円の特別損失を第4四半期に計上いたしました。内訳を説明しますと、まず一部のゲームタイトルにつきまして減損の兆候がございましたので、収益性を見直しました。その結果、減損損失として1億7,800万円を計上しております。

後ほど説明いたしますが、開発中の『ラピスリライツ』というタイトルがございます。開発方針の変更にともなって、開発途中の費用をソフトウェア仮勘定として固定資産に計上していたものを、今後使用する見込みのない固定資産については除却を行い、除却損として5億6,800万円を計上しております。

また、投資有価証券の評価損として、2億1,100万円を計上しております。

グループ従業員数の推移

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グループ従業員数の推移です。採用を強化しておりますので、それにともないまして緩やかに従業員数は増加しております。

連結貸借対照表

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連結貸借対照表の概要です。資産の合計は192億4,500万円。負債の合計は47億7,800万円。純資産の合計は144億6,600万円となりました。大きな増減はございませんが、売上が減少しましたので、売掛金も減少しております。

また負債に関しましては、前受金の取り崩し、その他買掛金が減少したことにより、負債も減少しております。

その他・ニューストピックス:死神BLEACH-正版授權手遊

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その他・ニューストピックスです。中国の崑崙(ゲームブランド名:GameArk)さまと共同開発を行い、中国大陸向けにリリースしておりました『BLEACH 境・界-魂之觉醒:死神』の繁体字版である『死神BLEACH-正版授權手遊』を、台湾・香港・マカオにリリースしております。

その他・ニューストピックス:盛大遊戯との業務提携

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続いて、中国・盛大遊戯(シャンダゲームズ)さまとの業務提携になります。昨日、プレスリリースをしておりますが、当社がKADOKAWAさまと共同で原作を開発しております『ラピスリライツ』のゲームを、中国のシャンダゲームズさまと共同で開発すると、昨日にプレスリリースを出しております。日本および中国大陸でリリースする計画となっております。

『ラピスリライツ』のIPをより発展させて、ここからの収益を最大化させるということで、最適な業務提携になると考えております。

その他・ニューストピックス:株主還元(株主優待)

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株主還元についてです。昨期に引き続き当社株式の保有数・保有期間に応じて、オリジナルのQUOカードを進呈する株主優待を発表しております。

2018年度 通期:連結損益計算書

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2018年度通期の業績報告になります。2018年度通期の売上高は326億7,300万円となり、前期比で22パーセントの増収となりました。営業利益は49億9,500万円。前期比で2.1パーセントの増益となっております。経常利益は49億9,700万円。親会社株主に帰属する当期純利益は、25億7,000万円となりました。売上高・営業利益・経常利益は過去最高の業績となっております。

2018年度 通期:売上高および営業利益の推移

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年次の売上高および営業利益の推移については、資料をご確認ください。

2018年度 通期:連結貸借対照表

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連結貸借対照表の概要です。前年比で見ますと、資産の部で売掛金が減少し、現預金も減少。一方で、ゲーム開発の進行によって無形固定資産が増加したことが特徴になっております。

業績のご報告は以上とさせていただきまして、引き続き2018年度通期の総括について、社長の真田から説明させていただきます。

2018年度 通期:総括① - 国内

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真田哲弥氏:それでは私、真田より2018年の総括についてご報告を申し上げます。

まずは国内です。国内では、一昨年の2017年にリリースした『キャプ翼』『シャニライ』が、2017年では期中でしたから通年の売上ではなかったわけですが、2018年は通年の売上として寄与したことが大きかったです。それ以前にリリースした『BLEACH』も非常に好調に推移いたしました。

2017年度は2つのタイトルをリリースしました。中でも『幽☆遊☆白書 マジバト』は弊社がIPを獲得し、アクセルゲームスタジオさんが開発するモデルでございました。弊社はもともとソフトウェアの開発会社からスタートし、ゲームデベロッパーとして成長してきたわけですが、他社さまにIPを渡して、他社さまで開発してもらって、私どもがパブリッシングをするビジネスモデルでした。

このパブリッシャーモデルへ展開して成功を収める……今まで狙ってきた事例を結実させることができた点が、非常に大きな成果であったと考えております。

2018年度 通期:総括② - 海外

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続きまして、海外です。昨年は『キャプ翼』をアラビア語・ブラジルポルトガル語を追加した8言語対応で、グローバル展開いたしました。サッカーワールドカップシーズンに合わせた施策なども投入いたしまして、全世界1,500万ダウンロードを突破し、大人気になりました。

日本でも非常に珍しい事例として、『BLEACH』という1つのIPを、グローバル展開とは異なるゲームで中国圏に投入する施策を行い、非常に好調に推移いたしました。

それらによって海外売上高は、前期比2倍以上、5年間で10倍以上に成長いたしました。当社は「グローバルで収益化を図れる会社」へと脱皮することができたと考えております。

2018年度 通期:総括③ - 業績

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最後に、業績全般のよかった点・悪かった点を総括いたします。新規タイトルをリリースしたことに加え、既存タイトルの減衰が当社想定よりも小さかったことが原因で、売上高・営業利益・経常利益ともに過去最高を更新いたしました。

悪かった点は、2018年中のリリースを想定しておりました新作タイトルがスケジュール変更となり、2018年中にリリースできませんでした。これは今後の課題として、今年に解決しなければならないと認識しております。

重要人事:常勤取締役

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重要人事を報告させていただきます。すでにプレスリリースなどで発表させていただいておりますが、経営陣の若返りを図り、新たな経営体制のもと、当社主力事業であるゲーム事業のさらなる成長と企業価値の向上を目指すため、森田が代表取締役社長 CEOへ就任いたします。

それにともない、順次繰り上がりと申しますか、変更が発生いたします。私は取締役会長へ就任いたします。五十嵐洋介は代表取締役副会長、高田は専務取締役へ、それぞれ就任します。そして中根良樹は新任取締役として、新たに就任する予定でございます。

以上が、人事異動の予定でございます。3月の株主総会をもって正式に決定いたします。

それでは、この後は新任の代表取締役社長の森田に、今後の経営方針、2019年度の事業計画について報告させていただきます。森田さん、よろしくお願いいたします。

2019年度:業績予想

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森田英克氏:代表取締役社長CEOに就任予定の森田でございます。私より、2019年度の通期業績予想をお話しさせていただきます。

2019年度も、レンジ形式による通期業績予想開示を採用いたします。売上高は400億~320億円。営業利益は45億~10億円となっております。

2019年度:業績予想根拠

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業績予想の根拠です。売上高からお話しいたします。今期は3本の新作タイトルおよび既存タイトルの他言語版のリリースを想定しております。既存タイトルの売上ライフサイクル、および新作タイトル、既存タイトルの他言語版のヒットの度合いを勘案し、レンジを設定しております。

レンジ幅の上限は、新作タイトルが好調だった場合、かつ既存タイトルの減衰が小さい場合を想定して設定しております。レンジ幅の下限は、新作タイトルが不振だった場合、かつ既存タイトルの減衰が大きい場合を想定して設定しております。

次に、費用について申し上げます。新作タイトルの積極的なプロモーション展開やイベント出展による広告宣伝費の増加を見込んでおります。新作タイトルリリースにともなう運営費用の増加を見込んでおります。

具体的には労務費、外注費・業務委託費、減価償却費等でございます。人員増加による労務費および採用関連費用の増加を見込んでおります。

営業利益に関して申し上げます。固定費はレンジ幅の上限・下限にかかわらず、一定額で算定しております。

経営方針:中期目標

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2019年度の経営方針についてお話しさせていただきます。中期目標として2点、挙げさせていただいております。1点目は、ゲーム事業中心に成長路線を継続いたします。2点目は、グローバルでゲーム会社コンテンツ企業として高い価値提供を行い、「KLabブランド」を確立していきます。こういう中期目標を持って取り組んでまいります。

経営方針:事業方針

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事業方針です。継続的に成果を出すための基盤づくりのような取り組みだと思っていただくのがわかりやすいかと思います。2点ございます。

1点目、ゲームの長期安定運営を目指します。ゲームの長期安定運営を実現することによって、1つのタイトルが長く収益を上げ続ける体質に持っていくことができると考えております。そのために必要なこととして、運営オペレーションの効率化・仕組み化に取り組んでまいります。

売上を上げていくためユーザーデータの分析を強化し、そこから魅力的な商材やコンテンツの開発・提供につなげてまいります。ユーザーのエンゲージメントを高めるためにファンコミュニティの醸成を行ってまいります。

2点目、ヒット率を向上させ、収益の拡大を狙ってまいります。新作タイトルがヒットしていくことで、売上・利益が積み上がっていくような構造でございますので、2点目として挙げております。今後に関して注力するポイントとしましては、世界で通用するゲームづくりに力を入れてまいりたいと思っております。

もはや、ゲームの配信国が世界ほぼすべての国と地域に向けて配信しておりますので、日本だけで受け入れられるゲームづくりというよりは、グローバルで受け入れられるゲームづくりにしていくことを考えております。

こうしたハイクオリティなゲームづくりを可能とする開発体制の確立、品質管理の徹底もあわせて行ってまいります。最後ですが、マーケティング・プロモーションの強化も、より力を入れてまいります。

経営方針:3 PILLARS①

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事業戦略です。2017年度より「3 PILLARS」戦略を打ち立てていましたが、それをさらに深化させていくことに取り組んでまいります。おさらいになりますが、Japanese IPs、Global Growth、Original Creationsと、3つの柱を打ち立てております。

1点目のJapanese IPsは日系IPをベースにゲーム化し、収益基盤の安定と成長を図ります。2点目のGlobal Growthは、海外展開を行い、1タイトルあたりの収益を最大化していく点です。3点目のOriginal Creationsは、自社IPでヒットタイトルを創出し、より利益率の高いプロジェクトを作っていくことで大きな成長を狙います。

経営方針:3 PILLARS②

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1点ずつ、詳細なお話をさせていただきます。1つ目が、IPタイトルのヒット実績やKLab・KLabGamesのブランド力を武器に、日本のIPホルダーさまに対して、有力IPや成長の期待が持てるIPのゲーム化権を獲得できるよう働きかけを行ってまいります。当社または他社が過去にゲーム化したIPの再ゲーム化も検討してまいります。

2点目が、グローバル展開力を養い、よりグローバルで売れる企業になっていくことで、パブリッシャーとしての魅力をより高めてまいります。

3点目が、アニメ出資等を通じて作品の創出にかかわっていきます。IPホルダーさまとの関係をより強固なものにしていくことで、ポテンシャルの高いIPのゲーム化の働きかけに関しても、早期にも行ってまいります。

経営方針:3 PILLARS - Global Growth

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次に、Global Growthに関してお話しをさせていただきます。1点目が、グローバル展開をより強化し、ゲーム1タイトルあたりの収益を最大化することを目指します。配信先の国や地域に受け入れられるゲーム運営を、より突き詰めていくことで、1つの国や地域から上がる売上の向上を狙ってまいります。

コスト面です。多言語展開する際、複数の言語を取り扱っておりますので、どうしても運営オペレーションが複雑化してしまいます。こちらをシンプルにして、より一層の効率化を図ることによって、低コストでグローバル展開できる体制づくりを行ってまいります。さらに、未配信のプラットフォームやデバイスへのゲーム展開に関しましても検討してまいります。

2点目が、グローバルにおけるマーケティング強化です。今まではグローバルという大きな1つの塊で、グローバルに対して大きな1つのマーケティング施策を行うやり方が主だったのですが、よりローカルに最適化したマーケティング展開を行ってまいります。

具体的にはスライドい書いてあるのですが、オンライン動画放送を多言語化したり、海外イベントの出展等を通じたファンコミュニティの醸成等を行っていきます。今までイベントを行ったことがない地域に関しても、今年は出店等を行っていこうと考えております。

こういった活動を通じて、KLabGamesの知名度を向上させて、知っていただき、ブランド力を高めてお客さまのエンゲージメントも高めていく活動をしていきたいと考えております。

3点目です。世界最大規模の市場となった中国での展開ですが、こちらでの事業展開をより強化し、成長を加速させることを狙っていきたいと考えております。今回、崑崙ゲームさんと一緒に『BLEACH』の新作タイトルを開発いたしまして、中国および繁体字エリアでリリースさせていただいています。

我々とは違うノウハウを持った海外のデベロッパーさまと組むことによって、我々が今まで大きな成功を収めることができていなかった中国大陸や中華圏でのビジネスを加速することが可能になってくるのではないかと考えております。今回のような取り組みは、継続して行っていきたいと思っております。

また中国・上海にKLab Chinaという子会社がございますので、この拠点を活用して日中をブリッジするようなコンテンツビジネスや新規事業等も検討していきたいと考えております。

経営方針:3 PILLARS - Original Creations

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3点目がOriginal Creationsに関してでございます。自社IPでヒット作を作っていくのは、優秀な人材であったりクリエイターの存在が不可欠でございます。そこで、優秀な人材の獲得、パートナーアライアンス、社外の有力クリエイターとの連携等、社内外のクリエイターとの連携をより強化して、よい作品づくりに邁進する体制づくりを考えております。

アニメ化などのメディアミックス展開で、コアなファン層を育成したいと考えております。ただゲーム化するだけではなく、アニメにしたり、グッズにしたり、そのほかの会社さまにライセンスアウトして商品化していただく等を行います。それを通じて、ゲーム以外での収益機会を創出するとともに、ゲームとこれらのメディア展開を同時で行うことによって、コンテンツの価値を高めて一層のヒットを狙うことを考えております。

3点目は、これらの活動を通して作り上げた自社IPを、グローバルに対して展開していくということです。

4点目が、最新のテクノロジーを取り入れた新たなエンターテインメントを研究し、ビジネスに活用することを検討していきたいと考えております。

ゲームパイプライン

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最後に、ゲームのパイプラインについてお話しさせていただきます。本開発中およびプロト開発中のゲームは、全部で4タイトルでございます。上から『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバルオールスターズ』は、2019年にリリース予定でございます。

次に『テイルズ オブ クレストリア』は、株式会社バンダイナムコエンターテインメントさまより2019年にリリース予定で、英語版の配信もすでに決定しております。『禍つヴァールハイト』は、当社の自社オリジナルIP作品で、2019年にリリース予定でございます。

『ラピスリライツ』は、KADOKAWAさまとの共同原作プロジェクトで、先ほど高田からお話をさせていただきましたが、中国の盛大遊戯さまと共同開発、運営という新しい体制、座組みを作りまして、日中両方でリリースするということで進めてまいります。

新作タイトルではないですが、既存タイトルの海外展開に関してです。『BLEACH 境・界-魂之觉醒:死神』は、崑崙ゲームさんと一緒に開発したタイトルですが、こちらはすでに中国大陸と台湾・香港・マカオでリリース済みです。今後、韓国および東南アジアへの展開を予定しております。

最後に『キャプテン翼~たたかえドリームチーム』ですが、中国版に関しまして、GAEA社より、現在iOS版をテスト配信しております。中国政府による正式版リリースの許諾待ちで、AndroidおよびiOS版の正式リリースがまだできておりませんが、許諾が下り次第リリースするということで進めてまいります。

以上でございます。

記事提供:ログミーファイナンス

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