2019年2月8日に行われた、株式会社テー・オー・ダブリュー2019年6月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料

スピーカー:株式会社テー・オー・ダブリュー 代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO) 江草康二 氏

連結業績の総括

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江草康二氏:テー・オー・ダブリューの江草でございます。よろしくお願いいたします。それでは決算のお話にまいります。まず、連結業績の総括でございます。

売上・利益ともに期初の計画はオーバーいたしました。売上はプラス8.4パーセント、経常利益はプラス35.1パーセントです。また、原価・販管費の厳格管理ならびに、前期は複数大型低営収案件がございましたが、それがなかったということもございまして、営業利益率は前年比でプラス2.1ポイントでした。

一方、子会社のT2Cの外部売上が減少いたしました。これが、売上が前年を上回れなかった要因の1つとなっております。結果としまして、売上以外の営業利益・経常利益・純利益は過去最高を更新することができました。

2019年6月期 第2四半期決算の概要(連結)

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決算概要でございます。2019年6月期第2四半期決算の概要ということで、売上高86億4,700万円、当初計画比で108.4パーセント。売上総利益16億1,500万円、当初計画比122.1パーセント。営業利益12億1,600万円、当初計画比134.7パーセント。経常利益12億3,300万円、当初計画比135.1パーセント。純利益8億2,600万円、当初計画比137.1パーセントという結果となりました。

2019年6月期 第2四半期決算の概要(個別)

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次は、個別でございます。売上70億6,400万円、当初計画比111.7パーセント。売上総利益11億5,800万円、当初計画比132.3パーセント。営業利益7億8,500万円、当初計画比166.3パーセント。経常利益13億6,100万円、当初計画比130.7パーセント、純利益11億600万円、125.3パーセントとなりました。

売上高

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直近3期の連結業績で見てまいります。赤い線が連結の数字、黒い線がテー・オー・ダブリュー単体、緑の点線が子会社でございます。

見ていただいてわかるように、子会社の外部売上がマイナスになっています。テー・オー・ダブリューはプラス2パーセントということで、連結で4.3パーセントのマイナスとなりました。

営業利益

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営業利益です。連結はプラス12.3パーセント、テー・オー・ダブリューは33パーセント、子会社はマイナス12.1パーセントということで、4期連続の過去最高益というかたちになりました。

経常利益

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同じく経常利益です。連結は真ん中、12.9パーセント、テー・オー・ダブリューは33.7パーセント、子会社はマイナス12パーセントということで、連結においては4期連続の過去最高益でございます。

四半期純利益

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純利益もこのようになっております。連結に関しましては、6期連続の過去最高益というかたちになりました。

財政状態・経営成績(連結)

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財政状態・経営成績の連結でございます。総資産、純資産、1株当たり純資産は、ご覧のスライドのようになっております。また、1株当たりの当期純利益、自己資本比率、ROEもスライドに記載のとおりとなっております。

キャッシュ・フロー計算書(連結)

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キャッシュ・フローも、記載のとおりとなっております。

カテゴリー別売上高(連結)

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事業内容でございます。まず、カテゴリー別売上高からまいります。上から販促、広報、文化・スポーツ、博覧会、制作物となっております。

上期は広報が大きく伸びました。公表もしておりますが、大規模な周年イベントの広報イベント、電子たばこのお披露目パーティ広報イベントと、この2つの受注金額が大変大きく、その2つプラスアルファで、ほかのものも含めまして、広報の比率が非常に多かったです。

その反面、販促の数字がマイナスになっております。販促の仕事がなくなっているなど、そういうことではなく、限られた人材のなかでの配分として、広報にこの上期は重点が置かれたということです。

制作物は、映像、Web動画が増えました。そのせいもあって、このスライドのようになっております。年々、マス広告ではなくWebで動画をつくっていく傾向が増えていることがわかります。

業種別売上高(連結)

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続きまして業種別でございます。こちらは基本的に、いつものように情報・通信、食品・飲料・嗜好品、化粧品・トイレタリー・日用品、自動車という4つのカテゴリーが、当社のトップフォーということは変わりございません。そのなかで、若干のぶれがあったということで、嗜好品が入ったところがさっきの案件です。

マイナスのところで申しますと、去年は自動車は大きな試乗会がたくさんございました。粗利率、利益率はあまり高くなかったんですけど、それがなくなったということもあってのマイナスです。通常の期に比べて大きく減ったということではございません。前期と比べてのマイナスというかたちです。

また、精密機器その他製造が伸びておりますのは、精密機器のなかにパソコン向けのゲームも入ってございまして、ゲーム会社の直案件が増えたことで、プラスになっております。

流通につきましては、前期に多くございましたコンビニの販促ツールの制作がなかったこともありまして、マイナスになっております。

価格帯別案件数の推移(個別)

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続きまして、平均単価です。前期は1,100万円台に乗せたのですが、この上期も1,197万円ということで、単価は1,100万円台の後半を維持することができております。

スライドを見ていただければわかりますが、去年上期で8件しかなかった1億円以上の案件が12件あったということで、大きい案件が増えたことも影響して、このようになっています。

企画力について(勝率)

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続きまして、企画力でございます。当期は勝率が非常によく、39パーセントと今までにない勝率でした。これは、提案力を認めていただいているということだと思いますので、引き続き維持していきたいと思っております。

2019年6月期の進捗(個別)

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予想の前に、進捗をご説明いたします。2018年2月8日と2019年2月7日の進捗です。これは個別で、連結ではないですが、上期は去年よりもプラスになりました。下期に向かっての受注残は、少し去年と比べると少ない状況です。竹・梅でしかかっている仕事は同じぐらいです。

このように見ますと、通期の目標に向けて、下期はざっくりいうと計画どおりには進んでおります。

2019年6月期 決算の見通し(連結)

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みなさまへのご公表どおり、決算の見通しは期初どおりとしております。連結は、このようになっております。

2019年6月期 決算の見通し(個別)

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個別の決算の見通しはこのとおりです。

配当方針及び配当金について

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配当金につきましても、期初の予定どおり中間で13円、期末で13円と考えております。

中期方針

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さて、中期方針のレビューと対策ですが、前回発表は6ヶ月前で、みなさまにお話ししたものがここに書いてあります。

1つ目が、一部大手顧客の変革への対応をしていく。2つ目が、「高い収益率の維持×戦力増=規模拡大」を狙っていく。3つ目が、日本初の「体験デザイン・プロダクション」をさらに深化させていく。

そして4つ目です。これは少し変わりましたが、2025年の大阪万博が決まりましたので、それも含めまして、2019年のラグビーワールドカップを皮切りに、2020年のオリパラ等々、そして2025年の万博までということで、ゴールデン・国際イベント・イヤーズのそれぞれの案件の取り込みです。5つ目が、さらに踏み込んだアライアンスです。

①一部大手顧客の変革への対応

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まず最初に、こちらの変革では、具体的に当社の体制を変更しました。1月1日付で営業統括を担当する専務を配置して、全社の営業を統括する役員体制をスタートしました。

すでにもう行いましたが、本部間の社員の異動を実施いたしました。今後も随時、外部環境に適した最適なリソース配分を全社的に行う体制を進めてまいりたいと思います。

また、質の意味でも営業力、数字の管理方法、さまざまな戦略・戦術というところで、本部間にそれぞれの特色あるナレッジを、なるべく共有化・均質化していくことを図り、中期的な視点で受注力・提案力を向上していく施策を推進してまいりたいと思います。

②高い収益力維持×戦力増=規模拡大

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2番目は収益力です。ご覧のスライドのように、営業利益率も2ポイント以上アップし、勝率も上がっております。

それに加えまして、41期、42期、43期、当期における連結の社員数ですが、こちらも増えております。4月には210名ぐらいになる予定です。高い利益率を維持しながら働き手を増やしていき、成長していきたいと考えております。

③「体験デザイン・プロダクション」の深化

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また、何度も「体験デザイン・プロダクション」と申しておりますが、こちらをさらに深化するために、前期からもずっと継続しておりますが、とにかく社員に体験デザイン力を上げてもらいます。

バイリンガル社員からマルチリンガル社員へということで、今まではリアルイベントとデジタルの2つでバイリンガルとしていましたけれども、そこに映像、PR等を含めまして、できればデータも使う、そんなマルチなプロデューサー、プランナーを育てていくということです。

そのための研修会・勉強会、それからみんなが実際に担当した案件がどれだけ体験デザインになっているのかということで、案件レビューを定期的に行います。体験デザイン本部には、今までにないPR会社や映像会社、デジタル会社といった異業種の中途社員の方に入っていただいていますので、そういう方たちと一緒にコラボしながら、いろんなことを身につけていきます。

そして、社内表彰・評価制度を反映し、いろいろな新しいテクノロジーを見つけに海外視察に行く等々、社員の体験デザイン力向上施策を、多面的かつ継続的に実施しています。これに終わりはございません。ずっと続けていかなければならないです。

また、お客さまからも、最近ようやく「テー・オー・ダブリュー、いいね」と言っていただけるようになり、評価されつつあります。その結果、中型、大型の案件も増えてきたと思っております。これを増やしていければと思っています。

今後はやはり、データを活用した仕事、アライアンス強化を含めて、さらに全社的にデザイン力のアップに繋げていきたいと思っております。

広告主は“非マス領域”を年々重要視

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こちらのスライドは、みなさんにも何度か見ていただいております。相変わらず、メディアへのマス広告の出稿に比べて、非マス領域の広告が増えています。また来期も増えていくと思います。これは、広告主が非マス領域を年々重視しているという証でございます。

マス広告だけで人は動かない。体験をデザインし、ヒトとココロを動かす。

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我々のプロモーション・デジタル領域というところが、ますます期待されているなかで、当社はスライドの真ん中にあるリアルに加えて、データ、デジタル、映像、PRというものを使いながら、マス広告だけではなかなか人が動かないなかで、体験をデザインして、ヒトとココロを動かすところをスローガンにして、進んでまいりたいと思っております。

「課題に合わせたデータ活用・メニューを開発し、体験デザインの精度と成果を追求する」

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このようなメニューを社内でもつくっています。業界/得意先/商材を正しく理解したいという社員、もしくはターゲットの生声やインサイトを探りたい、もしくは体験による効果を測定したい、案件の成果を武器に次の仕事に繋げたいといった状況に応じてメニューをつくって、それを提供するということを始めております。

第5回 体験デザイン大賞

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また、デザイン力を上げるためにも、この「体験デザイン大賞」というものを年2回行い、全社員の理解とチャレンジを促して、よりよい体験デザイン案件を生み出していくためのアワードを進めております。

④2020案件を含め2019~2025年の6年間はゴールデン・国際イベント・イヤーズ

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4番目です。大阪万博2025年が決定いたしました。これは来場者が2,800万人と計画されています。東京オリパラは1,000万人ですね。今年は、夏のG20大阪サミットがありまして、そのあと9月にラグビーワールドカップがあります。

それから、これはあまりご存知ない方も多いかもしれないのですが、あと数ヶ月経ちますと、オリパラ1年前のテストイベントが各地で始まります。それを積み重ねていき、2020年の夏には約1,000万人の来場者を見込むオリパラが行われます。そして大阪では、その翌年にワールドマスターズゲームズというイベントもあります。

大阪万博から、当然IR(カジノ統合型リゾート)も一緒についてくると思いますけれども、そうした国際イベントが目白押しということで、世界中から人が集まる国際的ビッグイベントが多く開催されます。

さまざまな企業が、これに合わせてプロモーション活動をしていくため、このゴールデン・国際イベント・イヤーズをしっかり取り込んでいくように動いていきたいと思っております。

“2019案件”の取込み

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当社では、ラグビーのいろんなプロジェクトもやらせていただいています。いろんなスポンサー企業さんの仕事も引き合いをいただいておりますので、来期になるか今期になるか、少し微妙なタイミングではありますけれども、ラグビーも盛り上がっていると思います。

“2020案件”の取込み

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そして、2020年です。前回は、なかなか具体的に動き出せないんですというお話をしたと思いますが、ようやく動き出したと思います。今年の3月が、来年の聖火リレーが始まるちょうど1年前ということで、もうそろそろ仕込みが始まらないと間に合わないタイミングでもございます。

いろいろなお仕事の引き合いの声もかかっておりますので、それをきちっと、確実な受注にしていきたいと思います。

実際に行われるのは来年ということでありますので、当社の今期、とくに下期でどれだけ売上に反映できるのかは、案件を精査しながらみなさんにご報告しなければいけないかなと思っています。

1年先の仕事を今から仕込んで、いろいろやっている状況であります。今年の夏、1年前ぐらいから動き出すと思われますので、きっちり受注を目指していきたいと思います。

⑤さらに踏み込んだアライアンス

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210名の社員では(取り組めることに)限界がございます。こういう大きなイベントを控え、対応できるように、数社のイベント会社さんとアライアンスを進めて、大きな仕事を一緒にやっていくということを進めております。今後も、全国の各イベント会社さんとの連携を進めていかなければならないと思います。

両輪で成長

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今期に限りませんけれども、この先、当社の軸足となる体験デザイン力の向上をベースに、各企業さんのブランド・プロモーション案件の受注といった日常的なものに加えて、ゴールデン・国際イベント・イヤーズの大型イベント案件の取り込み、その両輪で成長していくようにしたいと考えております。

以上です、ありがとうございました。

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