転職活動中、とりわけ面接の場で話せることを増やしておく必要があります。それは、十分に企業リサーチを行うことでもあり、自分のことをよく理解して客観的に評価することでもあり、業界に関して自分なりの意見が言えたり、仕事に関する自分のポリシーや考え方を説明できることであったりするわけです。

特に同業他社への転職では、面接でよく業界の動向について聞かれます。「どこの会社に勢いがあるか」とか「どの会社にどんな問題があるか」など、業界全体の話に思いがけずなることも多々あります。

こういうときにしどろもどろになったり、「不勉強ですみません」などと言うと「この人は業界全体のことを見ていないで、何をしているんだろう」と思われてしまうのがオチです。転職活動をする前に業界のことをよく知っておきましょう。

また、異業種への転職の場合も「不勉強で…」というのはご法度。「素人目で恐縮ですが、こういうサービスを展開していくのがいいのでは?」「どこの会社もこういうサービスになっているが、こういうところを不便に感じるからこうしたらいい」など、自分なりの視点や解決策を持っていることが大事です。

職務経歴書にストーリーを持たせる

職務経歴書を書くとき、どういうことを意識して書くでしょうか。転職サイトがいろいろな見本を出していますよね。そういうテンプレートも大事ですが、人事担当者はすでに見飽きています。文字がたくさん書いてあるのに熱意を感じる人もいますが、資料は見やすく簡潔にまとめることが大事です。それは職務経歴書も同じことです。

あなたの職務経歴書にはストーリーがあるでしょうか。「こういうことをした」ということばかり羅列されていても、「だから何?」で終わってしまいます。「こういうことをした」、だから「こういう結果が出た」ということはもちろんですが、それに加えて自分なりに工夫したことや自分の視点を書いておくといいでしょう。

また、数字で成果をはっきり書くことには、見やすくて目立つという利点もあります。目を引くということは、面接中にも「この数字なんだけど…」と話題にあがりやすくなります。自分の強みについて聞かれるのですから、自信をもって話すことができますよね。

面接は「対等な立場で」話をする

一番大事なのは、面接ではあくまで「対等な立場」として話をすることです。新卒採用のときは、自分が学生という立場で社会人経験もなく、相手のほうが社会人としては明らかに先輩なので、対等に話すということはなかなかできなかったでしょう。

しかし、中途採用ということであなた自身も数々の経験を積み、さまざまなスキルを身につけてきています。社会人歴は相手の方が上であっても、もしかしたらビジネスを共に推進する仲間になるかもしれない人です。相手が部長職や役員などの場合にはそうはいきませんが、同じ社会人として、同業他社なら業界人として対等に話ができるように会話のキャッチボールを意識してください。

つまり、こちらばかり質問されても仕方ないのです。「御社の場合~なんですか?」「御社ではこういうサービスをしていますが、顧客の反応はどうですか?」など、ビジネスを共にする人間として自然に話ができるといいですね。

まとめ

いかがでしたか。転職は人生を変えてしまうかもしれない重要な分岐点。あなた自身の大事な選択でもありますから、満足のいく結果を出したいという気持ちはあってしかるべきです。よりよい選択ができるように、手を抜かずしっかりと準備をして転職活動に臨んでくださいね。

大塚 ちえ