これから資産運用を始めようとされる方の中には、長期で資産形成をするにはどの資産に投資をすればよいのか迷われる方もいらっしゃるかと思います。

また、そもそも長期の資産運用を始めるといっても、これまでは銀行預金が中心だった方も多いでしょう。そうした方場合、何をどうすればよいのか、とお困りの方もいらっしゃるでしょう。

投資経験が短い方が資産運用を始めるにあたって、取り扱いやすいのが投資信託です。投資信託には、株式や債券、不動産などの各資産に集中的に投資しているものもあれば、各資産を分散させている投資信託もあります。

資産を分散させると資産価格の動きであるボラティリティを資産全体で抑えることができます。ですから、資産運用をこれから始めようという方にとっては資産を分散させた投資信託はリスクが低いと言えます。ここでは、様々な資産を組み込んだ投資信託であるバランス型投資信託について考えてみましょう。

■目次■

1 バランス型投資信託とは
2 バランス型投資信託のメリットとデメリット
3 バランス型投資信託の選び方3つのポイント
 3.1 プロでも難しい資産配分―だから任せてしまおう
 3.2 機動的資産配分が資産を守る
 3.3 信託報酬はしっかり比較しよう
4 代表的なバランス型投資信託の例
5 まとめ

1 バランス型投資信託とは

バランス型投資信託とは、国内外の株式や債券などを分散して保有する投資信託のことを言います。

バランス型投資信託で保有する資産は、各資産を代表する指標となるインデックスファンド-日本株でいえば、TOPIXといったようなインデックスファンドを保有することが多いです。

バランス型投資信託の運用では、各資産の配分をどう機動的に調整ができるかがカギになります。投資の世界では、これをアセットアロケーションと呼びます。バランス型投資信託の超過収益の源泉は、資産の配分を決定するアセットアロケーターのアセットアロケーション能力ということになります。

2 バランス型投資信託のメリットとデメリット

資産運用をこれから始めようとする方には、価格の動きが比較的小さなバランス型投資信託が扱いやすいと思います。以下にメリットとデメリットをまとめてみました。

バランス型投資信託の場合、株式相場が絶好調の際には株価指標の上昇にバランス型投資信託の価格上昇が追いつかない面がありますが、裏を返せば価格変動の動きが小さいことになり、資産運用初心者にとっては扱いやすい金融商品と言えます。

メリット デメリット
  • 資産が分散しており、資産価格の変動が小さくリスクが小さい
  • 株式のアクティブファンドと比較すると信託報酬が低いことが多い
  • 株式相場が好調な際には、その上昇ペースについていけない
  • アセットアロケーションがあるためにベンチマーク比での比較がしにくい

3 バランス型投資信託の選び方―3つのポイント

3.1 プロでも難しい資産配分―だから任せてしまおう

バランス型投資信託は、様々な資産運用会社で取り扱われています。実は、どの資産をどれくらい保有するのかを決めるのは、資産運用のプロの中でも最高難易度の仕事と言われています。通常は、日本株を何%、外国債券を何%で運用しますという、資産運用会社が用意したいくつかのリスク別資産配分パターンがあります。資産クラスを分散してリスクを抑えるという大前提のもとに、その中でもやや積極的に値上がり益を狙いたい方は株式の組み入れ比率が高めのバランス型投資信託を、リスクを抑えることを大事にする方は債券の組み入れ比率が高めのバランス型ファンドを選んではいかがでしょうか。

3.2 機動的資産配分が資産を守る

ただし、バランス型投資信託でもアセットアロケーションを機動的に行う投資信託もあります。機動的アセットアロケーションの頻度もポイントなのですが、重要なのは、相場が下落する際にどのような対応をしてくれるかだと思います。たとえば、日本株が下がる際に、日本国債も下落し、同時に円高に振れていることもあり、その結果海外資産も下落することがあります。そうした際に、いくらバランス型投資信託で資産を分散しているといっても、分散効果が十分に効きにくいこともあります。相場下落時に安全資産である現金等に機動的に資産を切り替えることで資産を守り、次の相場の上昇を狙う運用方針を掲げている投資信託は、資産運用書初心者にはありがたい投資信託と言えます。

3.3 信託報酬はしっかり比較しよう

バランス型投資信託を検討する上で外せないのが、信託報酬と呼ばれる運用手数料の水準です。投資信託は長期投資で運用することが目的ですので、できれば信託報酬が低いものを選びましょう。

4 代表的なバランス型投資信託の例

機動的にアセットアロケーションをしている代表的な投資信託は、DIAMアセットマネジメントの「クルーズコントロール」です。下落相場では、機動的に現金の比率を高める運用を行っています。

投資信託名 信託報酬(年率、税込み) 主な取扱ネット証券と手数料
クルーズコントロール
1.512%
SBI証券:0%
楽天証券:0%
マネックス証券:0%
au カブコム証券:0%
岡三オンライン証券:0%

また、長期投資で気になる信託報酬が低く抑えられているものとして、三井住友アセットマネジメントの「SMAM・グローバルバランスファンド(機動的資産配分型)【愛称】資産配分おまかせくん」が挙げられます。資産運用の初心者で長期投資を目指す方にとっては年0.6372%(税抜0.59%)の信託報酬は魅力的といえるのではないでしょうか。

投資信託名 信託報酬(年率、税込み) 主な取扱ネット証券と手数料
SMAM・グローバルバランスファンド(機動的資産配分型)
0.6372%
SMAM投信直販ネット:0%

5 まとめ

いかがでしたか?資産運用の初心者にとって投資信託は欠かせない金融商品ですが、その中でもバランス型投資信託は重要です。資産運用に迷ったら、機動的な資産配分をしてくれて、信託報酬の水準が低いバランス型投資信託は有力な選択肢と言えるでしょう。ぜひ、参考にしてみてください。

LIMO編集部