眠れない、ゆっくりご飯が食べられない、お風呂もじっくり入れない、ほっと一息つくなんてもってのほか。毎日があわただしく過ぎて行く子育て期間。

じゃあ、ほんの少しでも、主人や両親に子どもを預けて休息時間やリフレッシュタイムをもらえたら、子育てはグンと楽になるのでしょうか? ほとんどのママの答えはこうでしょう。「NO」。だって、子育てが大変な理由、それは「休めないから」ではないのです。

思ったらすぐ行動できる幸せ

筆者の友人は、ふたりの子どもが1歳と2歳のときに職場復帰しました。当時、友人は「子育てで毎日大変で、その上仕事もして家事もして…って私、倒れてしまうかも。でも、仕方ないよね」と、不安そうだったのを覚えています。

筆者は彼女の話を聞きながら、「まだまだ子どもに手のかかる時期。きっと大変だろうなぁ」と思っていました。それから数カ月後、久々にその友人と会うと、なんだかイキイキ。疲労感などみじんも感じさせないのです。

「どうしたの? なんかすごくパワーがみなぎってる感じでいいね」と思わず声をかけると、友人はこう言ったんです。

「仕事と育児、家事の3つをこなすのは確かに大変だし、時間がいくらあっても足りない。でも、仕事中は『喉が渇いた』と思ったときにすぐにお茶が飲める、『トイレに行きたい』と思ったときにすぐにトイレに行ける…。今まで当たり前だと思っていたことが、すごく幸せに感じて。肉体的にはしんどいな、と思うことがあるけど、『これをやりたい』と思ったときにすぐにできる時間がある今は、精神的な疲れがまったくない」

確かに、子育て中は「気が付いたら朝から飲み物を飲んでいなかった」という日はしょっちゅうだし、トイレの戸を閉めようものなら大号泣されるから、トイレの戸をあけっぱなしで用を足す…なんてことも。

たまには外食を…といっても、子どもに食事を与えるのが先。ようやく自分の番…となっときに、お腹いっぱいで退屈になった子どもが席から立ち上がろうとする。急いで冷めた料理をかきこむ、もちろん味なんてわかりません。

これが日常で、これが当たり前の風景。自分の意思で行動できない。行動が制限される。そんな不完全燃焼な気持ちが心の中に蓄積されていく…これこそが「子育ては大変だ」と感じる原因なのではないでしょうか。

愛しているがゆえの苦悩

そう考えると、ママたちが口癖のように「ひとりになりたい」「誰にも邪魔されずに好きなことをしたい」と思うのは至極当然のように思えてきませんか?