株式市場の振り返り-日経平均株価は4日ぶり反落、一時21,000円目前も徐々に失速

2019年2月5日(火)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 20,844円(▲39円、▲0.2%) 4日ぶり小反落
  • TOPIX 1,582.8(+1.5、+0.1%) 小幅続伸
  • 東証マザーズ総合指数 868.8(▲10.4、▲1.2%) 3日続落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:1,325、値下がり銘柄数:730、変わらず:72
  • 値上がり業種数:22、値下がり業種数:11
  • 昨年来高値更新銘柄数:13、昨年来安値更新銘柄数:4

東証1部の出来高は12億2,836万株、売買代金は2兆1,054億円(概算)となり、いずれも前日より減少しました。米国株の上昇や円安進行等で買い意欲が強まりましたが、模様眺めに徹する投資家も多く、盛り上がりに欠けた商いとなりました。売買代金は何とか2兆円を維持しましたが、依然として低水準が続いています。

そのような中、日経平均株価は膠着感の強い展開となりました。寄り付き後間もなく一時+102円高まで上昇し、21,000円台回復が目前となる場面がありましたが、それも束の間、すぐにマイナス圏へ沈みました。その後は前日終値を挟む攻防が続きましたが、徐々に下げ足を速め、大引け直前には一時▲60円安まで下落しています。

最後はやや戻したものの、結局は4日ぶりの小反落で引けました。21,000円の壁は思った以上に厚いのかもしれません。

なお、TOPIXも同じような値動きでしたが、最後はプラス圏を維持して続伸となりました。これは、前日に続き中小型株への買い戻しが優勢だったことを示唆しています。

東証マザーズ総合指数は3日続落、サンバイオ株の売買成立で売買代金は2,000億円超

東証マザーズの出来高は1億373万株、売買代金2,047億円となり、いずれも前日より大幅増加となりました。出来高は昨年10月29日以来の1億株超えであり、売買代金は昨年6月のメルカリ上場時に次ぐ規模となっています。

ただ、この大商いは、ストップ安が続いてきたサンバイオ(4592)の売買取引が5日ぶりに成立したことが要因であり、出来高の半分強、売買代金の3分の2がサンバイオ株の売買でした。その意味では、“サンバイオ・ショック”の後遺症は残っており、個人投資家の物色意欲は大きく減退したままと言えましょう。

なお、総合指数は3日続落で引けています。900ポイント回復にはまだ相応の時間を要するかもしれません。

NECが連日で昨年来高値を更新、ファーストリテイリングは一時▲4%弱安の大幅下落

個別銘柄では、ファーストリテイリング(9983)が一時▲4%安に迫る大幅下落となり、ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)も大幅安となりました。

また、前日に大幅高となったアステラス製薬(4503)が一転して▲5%安に迫る急落となり、ソニー(6758)とホンダ(7267)は続落で引けています。

その他では、シャープ(6753)が▲7%超安急落し、任天堂(7974)も大幅反落となったことが目を引きました。

一方、ファナック(6954)が値を上げ、前日に決算発表を行った花王(4452)も大幅高となりました。

また、ハイテク株ではNEC(6701)が連日で昨年来高値を更新し(注:終値は下落)、ローム(6963)と村田製作所(6981)は大幅上昇となっています。その他では、キーエンス(6861)やSMC(6273)の大幅上昇が注目を集めました。

新興市場(東証マザーズ)では、サンバイオ(4592)の売買取引が5日ぶりに成立し、終値は▲30%弱安でした。なお、この5日間での下落幅は最大で約▲9,300円(11,710円から2,401円へ)となっています。また、図らずも時価総額トップに返り咲いたメルカリ(4385)も大幅続落となりました。

葛西 裕一