2019年1月31日に行われた、株式会社あおぞら銀行2019年3月期第3四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:株式会社あおぞら銀行 代表取締役社長 CEO 馬場信輔 氏
株式会社あおぞら銀行 取締役専務執行役員 CFO 関澤行雄 氏

2019年3月期第3四半期決算説明会

馬場信輔氏:あおぞら銀行の馬場でございます。本日はお忙しいところ、当行のネットカンファレンスにご参加いただきまして、誠にありがとうございます。また、投資家・アナリストのみなさまには、日頃より大変お世話になっております。まず最初に、私から一言お話しさせていただきます。

当四半期は昨年(2018年)の秋口以降、世界的な景気減速やクレジットサイクルの悪化懸念など、世界経済の先行きに対する不確実性が高まり、年末にかけては金融市場のボラティリティも上昇するなど、金融機関にとりましては厳しい環境が続いております。

このような環境のもと、当行はリスク管理に留意しつつ、中期計画のビジネス戦略の推進に努めておりますが、顧客ビジネスが当初の計画と比べると、一部に伸び悩みが生じている一方で、第3四半期は市場が大きく変動する中で、トレーディング業務も苦戦を余儀なくされたことから、当期の業績につきましては親会社株主純利益は297億円と、通期業績予想に対しまして69.1パーセントの進捗に留まっております。

第3四半期の配当は、足元の業績を反映いたしまして、1株当たり40円と決定しました。金融機関にとりましては難しい経営環境が継続しておりますが、当行は環境の変化に慎重かつ機動的に対応しつつ、通期目標の達成に向けて、最大限努力をしてまいる所存でございます。ステークホルダーのみなさまにおかれましては、引き続きご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

それではCFOの関澤より、決算につきましてご説明を申し上げます。

関澤行雄氏:関澤でございます。投資家・アナリストのみなさまには、日頃より大変お世話になっております。本日公表いたしましたニュースリリースに沿いまして、2019年3月期第3四半期決算のご説明を申し上げます。

Ⅱ.損益:概要

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2ページの損益概況をご覧ください。

当期のトップライン……連結粗利益は、前年同期比66億円減少の627億円、経費は前年同期比18億円増の358億円、実質業務純益は前年同期比84億円減少の269億円となりました。

与信関連費用は、一般貸倒引当金の戻入益計上等によりまして16億円の利益、株式等関連損益は112億円の利益、法人税等は136億円の費用となりまして、ボトムラインの親会社株主純利益は前年同期比38億円減少の297億円となりました。

以下、個別項目についてご説明申し上げます。

Ⅱ.損益:連結粗利益 -資金利益-

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資料の4ページをご覧ください。

資金利益につきましては、前年同期比で21億円増加し399億円となりました。運用サイドは、貸出の平均残高が増加したことに加え、米ドル市場金利の上昇を受けた貸出金利回りの上昇等によりまして、貸出金利息が前年同期比で82億円の増加。有価証券利息配当金も、ETFの分配金などが寄与しまして、前年同期比で60億円増加したこと等により、資金運用収益は前年同期比で143億円の増加となりました。

調達サイドにつきましては、米ドル市場金利上昇等の影響によりまして、資金調達費用は前年同期比121億円の増加となっております。

利回りにつきましては、資金運用利回り・資金調達利回りともに米ドル市場金利上昇の影響を受けまして、前年同期比30ベーシスポイント強上昇しましたが、ネットの資金粗利鞘は表の一番下のとおり1.33パーセントと、前年同期比ほぼ横ばいとなっております。

Ⅱ.損益:連結粗利益 -役務取引等利益・特定取引利益-

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続いて、資料5ページをご覧ください。

役務取引等利益につきましては、貸出関連手数料は堅調に推移したものの、個人のお客さまへの投資性商品の販売が前年同期を下回りまして、全体では前年同期比7億円減の77億円となりました。

特定取引利益に計上される仕組債販売に係る利益を含めた個人のお客さまへの投資性商品販売利益は、保険の販売が堅調に推移した一方で、不透明な市場環境のもと、投資信託および仕組債の販売が前年同期を下回ったこと等によりまして、前年同期比17億円減少し44億円となりました。

特定取引利益は、引き続き日本円市場金利が低位で安定的に推移する環境下、お客さまの運用の様子見姿勢が目立つ状況となりまして、金融法人のお客さま向けデリバティブ関連商品の販売が減少したことに加え、グローバル金融市場の乱高下により、トレーディング業務が振るわなかったことなどから、前年同期比73億円減の54億円となっております。

Ⅱ.損益:連結粗利益 -その他業務利益-

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資料6ページをご覧ください。

国債等債券損益はリートの売却益計上等によりまして、前年同期比25億円増加し41億円の利益。国債等債券損益を除くその他業務利益は、前年同期比31億円減の54億円の利益となりました。

組合出資損益は72億円の利益で、不良債権投資関連を中心に全体としては堅調な実績を維持しておりますが、前年同期比で見ますと、前期は大型の不動産あるいはバイアウト関連の売却益があったことの反動もございまして、19億円の減少となっております。

以上によりまして、連結粗利益は627億円、通期業績予想920億円に対する進捗率は68.2パーセントの結果となりました。

Ⅱ.損益:経費

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ページ下段の経費は、引き続き注力分野における要員増強やインターネット銀行事業開始にともなう経費の増加等によりまして、前年同期比18億円増の358億円となりました。引き続きコスト・コントロールに努めておりまして、通期計画の520億円に対する進捗率は69パーセントで、当初の予算を下回る水準で推移しております。OHRは57.2パーセントとなっております。

以上の結果、実質業務純益は296億円となっております。

Ⅱ.損益:与信関連費用

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資料、8ページをご覧ください。

与信関連費用につきましては、当期は引き続き不良債権の新規発生はわずかに止まる一方、一般貸倒引当金の戻入益計上等によりまして、16億円の利益となりました。従来からの保守的な引当方針には変わりなく、(2018年)10~12月は一般貸倒引当金の繰入等によりまして、13億円の費用となっております。当期末の貸出金全体に対する貸倒引当金の比率は1.59パーセントと、高い水準を維持しております。

株式等関係損益は、112億円の利益となりました。みなさまにご案内のとおり、リクルート株式の一部および日本株ETFの含み益を実現したものでございます。法人税等は136億円の費用となりました。

以上の結果、冒頭の概況でご説明しましたように、当期の親会社株主利益は297億円。前年同期比では38億円、11.4パーセントの減益となりまして、通期業績予想の430億円に対して69.1パーセントの進捗結果となっております。

Ⅲ.バランスシート:概要

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バランスシートの概要が9ページにございます。

Ⅲ.バランスシート:調達

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主要項目は10ページをご覧ください。

預金・譲渡性預金、債券・社債の残高を合計しましたコア調達は、2018年3月末比で1,652億円増加しまして、当期末の残高は3兆3,937億円となりました。このうち、個人のお客さまからの調達が占める割合は53パーセントになっております。

資料には記載がございませんが、個人のお客さまからの調達に、法人のお客さまからの長期預金等を加えました安定調達比率も70パーセント程度で安定的に推移しております。外貨調達も米ドル建外債の発行を含め、調達の多様化・長期化の取り組みを継続的に進めてきております。

Ⅲ.バランスシート:貸出 -全体・国内業種別-

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貸出金は3月末比で756億円増加しまして、期末の残高は2兆6,869億円となりました。このうち、国内向け貸出は規律あるバランスシート運営を継続する中、3月末比21億円の増加です。

Ⅲ.バランスシート:貸出 -海外向け-

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海外向け貸出は、リスク管理体制の強化を図りつつ、市場の動きを注意深くモニターしておりまして、リスク・リターンの良好な北米のコーポレートローンを中心に選択的に取り上げを図っております。残高的には、735億円の増加となっております。

為替レートの変動による影響を除きました米ドルベースでの貸出残高は、2億7,800万ドルの増加となりました。貸出金全体に対する海外向け貸出の比率は、39パーセントとなっております。

Ⅲ.バランスシート:有価証券

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14ページをご覧ください。

有価証券は3月末比692億円増加しまして、1兆2,090億円となりました。12月末の評価損益は、年末にかけての株式やクレジットのマーケットが大きく下落したことから、3月末比で606億円減少しまして、12月末の評価損益は21億円のマイナスとなっております。

株式の一部についてヘッジをしておりますが、ヘッジ手段の評価損益を含めましたネットの評価損益は224億円のマイナスとなりました。みなさまにご案内のとおり、年明け以降は株式市場・クレジットマーケットとも落ち着きを取り戻しております。

当行の有価証券ポートフォリオにつきましても、評価損益は足元では12月末の水準から大幅に改善してきておりますが、引き続きリスク管理を徹底しつつ、市場の動きを注意深くモニターし、慎重に対応したいと考えております。

金融再生法開示債権につきましては、3月末比13億円増加しまして82億円。開示債権比率は0.04ポイント上昇し、0.3パーセントになっております。

当期末の自己資本比率は、後日報告させていただきますけれども、引き続き十分な水準を維持する見込みでございます。

Ⅳ.配当の状況

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冒頭に社長の馬場からコメントがありましたとおり、第3四半期の1株当たり配当金を、第1四半期・第2四半期と同額の1株当たり40円で決定しております。

金融機関にとりましては難しい業務環境が続いておりますが、私どもは引き続きリスク・リターンの確保を重視したバランスシート運営と、収益減の多様化を図っていくことで、業績目標の達成を目指してまいりたいと存じます。

どうかみなさま、今後ともご支援賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。以上で、決算の説明を終わります。

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