株式市場の振り返り-日経平均株価は大幅続落、華やかな大発会で一時▲773円安

2019年1月4日(金)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 19,561円(▲452円、▲2.3%) 大幅続落
  • TOPIX 1,471.1(▲22.9、▲1.5%) 続落
  • 東証マザーズ総合指数 827.3(+15.0、+1.9%) 反発

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:598、値下がり銘柄数:1,475、変わらず:56
  • 値上がり業種数:6、値下がり業種数:27
  • 昨年来高値更新銘柄数:3、昨年来安値更新銘柄数:97

東証1部の出来高は15億5,130万株、売買代金は2兆7,718億円(概算)となり、いずれも昨年末より増加しました。米国株の急落を受けた大発会となり、売りが先行する商いとなりました。一方で、下値を拾う動きもありましたが、売買代金は活況の目安である3兆円には届かずに引けています。

そのような中、日経平均株価は終日大幅マイナス圏での推移となりました。ただ、前場の半ばに一時▲773円安まで急落した後は掘り下げる動きはなく、徐々に下げ幅を縮小する展開となりました。大引けに掛けてさらに挽回したものの、結局は大幅続落という大発会となっています。ただ、終値で19,500円台に戻したことは注目していいかもしれません。

なお、TOPIXも同じような値動きで続落となりましたが、下落率は日経平均株価より小幅に留まりました。これは、日経平均株価を構成するような大型株への売りが圧倒的に優勢だったことを示唆しています。

東証マザーズ総合指数は反発、売買代金は4日連続で1,000億円割れ

東証マザーズの出来高は6,502万株、売買代金は808億円となりました。出来高は昨年末より増えましたが、売買代金は減っています。売買代金が4日連続で1,000億円を割り込むなど、新興市場も大発会としては盛り上がりに欠けたようですが、売られ過ぎ銘柄を拾う動きも強かったと見られます。

また、総合指数は+2%高に迫る反発となり、大型株市場との違いが鮮明となりました。今後は引き続き、個人投資家の物色意欲の回復が大きなカギになると思われます。

村田製作所が一時▲13%安に迫る暴落、ファナックや東京エレクトロンも安値更新

個別銘柄では、多くの主力株が大幅安となりましたが、とりわけ、米国アップル社の業績下方修正に伴う関連銘柄と中国景況感悪化が懸念される銘柄に急落が集中しました。

ファナック(6954)が一時▲7%弱安の急落、東京エレクトロン(8035)が一時▲7%超安の急落となり、ともに昨年来安値更新となりました。

また、ハイテク株では同様に、村田製作所(6981)が一時▲13%弱安の暴落、ローム(6963)が一時▲11%超安の暴落、社名が変わったアルプスアルパイン(6770)が一時▲9%弱安の暴落、日本電産(6594)が一時▲7%超安の急落になるなど、主力電子部品株がいずれも昨年来安値を更新しています。

さらに、コマツ(6301)と日立建機(6305)もともに急落して安値更新となりました。

その他では、ファーストリテイリング(9983)が一時▲7%超安の急落、任天堂(7974)が一時▲6%超安の急落、スズキ(7269)が一時▲7%超安の急落になるなど、もう手が付けられない状況だったことが目を引きました。

一方、KDDI(9433)が堅調に推移し、セブン&アイ・ホールディングス(3382)が大幅上昇で引けるなど、逆行高になる銘柄も散見されました。

また、徹底的に売り込まれたハイテク株の中では、NEC(6701)やOKI(6703)など“非アップル関連銘柄”が値を上げています。

その他では、東京電力ホールディングス(9501)が急騰するなど電力株が軒並み大幅高となり、三井住友フィナンシャルグループ(8316)や野村ホールディングス(8604)など金融株も消去法で買われたのが注目されました。

なお、上場間もないソフトバンク(9434)は大幅高となりましたが、依然として公開価格(1,500円)を下回ったままです。

新興市場(東証マザーズ)では、株価爆騰が続いたEduLab(4427)が一転して暴落となり、一時ストップ安となりました。また、串カツ田中ホールディングス(3547)やキャリア(6198)も大幅安で昨年来安値を更新しています。

一方、ブライトパス・バイオ(4594)が値を飛ばしてストップ高となり、サンバイオ(4592)も反発して引けました。

葛西 裕一