深刻な人材不足を背景に売り手市場が続く新卒採用。新卒一括採用は、ポテンシャルの高い人材に多く出会えるというメリットもありますが、失敗ができない、競合他社が多いという企業側のデメリットもあり、毎年就活生の傾向を調査し、企業の特色を活かした様々な採用戦略を打ち出す企業も多くなっています。

そんな厳しい状況の中で、確実に「企業にマッチした人材を獲得」するためのヒントとして、今回はイマドキの就活生の傾向とそれに対する対策についてお伝えしたいと思います。

データから見る2019年度の新卒採用

キャリタス2019就活学生モニター調査結果によると、情報解禁から1か月経った2018年4月1日時点で、学生1人当たりの平均エントリー社数は前年度より5.5社少ない26.2社。採用面接が解禁された6月1日時点での内定率は前年度を2.3%上回る65.7%でした。

また、10月1日時点での内定率は 90.5%、就職活動を終了した学生は全体の85.9%。インターンシップに参加した企業の本選考への応募は80.3%で、インターンシップ先の企業に応募した約半数が内定獲得となっています。

このように、2019年度は前年度よりエントリー社数は下回り、内定率は上回る結果となりました。企業側の内定出しのタイミングが早期化され、インターンシップ参加企業からの内定率も増加傾向にあるようです。

一方、中小企業への選考応募状況を見ると、10月1日時点で「面接試験を受けた」経験をもつ学生は 59.8%と、前年(60.8%)から微減。受けた理由としては「会社の雰囲気がよい」44.3%、「やりたい仕事に就ける」42.1%が多く、受けていない理由は「給与・待遇が良くない」42.2%、「安定性に欠ける」37.1% となっています。

イマドキの就活生の傾向と対策

情報源はオンラインとオフラインを使い分け

就活生の行動を見ていると、オンラインとオフラインを行き来している印象を受けます。定番としては「リクナビ」や「マイナビ」といった就活Webサイトから気になった企業をネットで検索し公式HPを覗いたり、合同説明会、個別説明会に参加したり、OB・OG訪問をして情報を収集したり。

その上で、さらに新しい情報を得るためにTwitter等でキーワード検索し、OB・OGとSNSでつながって随時情報をもらったりしているそうです。

企業にとってはオンライン、オフライン両面とも手を抜けない状況ではありますが、人事や採用担当者だけが対応するのではなく、様々な社員を巻き込みながら更新頻度を高めることで就活生側への認知度向上を図れます。また、幅広い視点から企業の魅力を発信できることで、企業側にとっても現場社員が新人の育成に責任を持ちやすくなるというメリットもあります。

働き方改革に興味津々