株式市場の振り返り-盛り上がりに欠けた商いの中、日経平均株価は反発

2018年12月17日(月)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 21,506円(+132円、+0.6%) 反発
  • TOPIX 1,594.2(+2.0、+0.1%) 小反発
  • 東証マザーズ総合指数 911.5(▲30.4、▲3.2%) 大幅続落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:648、値下がり銘柄数:1,420、変わらず:60
  • 値上がり業種数:17、値下がり業種数:16
  • 年初来高値更新銘柄数:6、年初来安値更新銘柄数:329

東証1部の出来高は13億6,210万株、売買代金は2兆651億円(概算)となり、いずれも先週末より大幅減少となりました。先週末の米国株急落を受けて様子見スタンスが強まり、先週末の特殊要因(メジャーSQに伴う嵩上げ)を割り引いても、盛り上がりに欠けた商いとなったようです。売買代金はかろうじて2兆円を維持しました。

そのような中、日経平均株価は前場の序盤に一時▲11円安となりましたが、その後は終日プラス圏で推移しました。前場に一時+188円高まで買われる場面も見られましたが、上値を追う展開には至らずに引けています。確かに反発はしましたが、急落翌日の相場としては力弱い印象が拭えません。

なお、TOPIXも同じような値動きでしたが、日経平均株価に比べるとわずかな反発に止まりました。これは、中小型株への売りが依然として優勢だったことを示唆しています。

東証マザーズ総合指数は大続落、売買代金は11日連続で1,000億円割れ

東証マザーズの出来高は4,113万株、売買代金は760億円となり、いずれも先週末より減少しました。ソフトバンクの大型IPOを控えてか、模様眺めムードが強まって盛り上がりに欠けた商いとなりました。売買代金は11日連続で1,000億円割れとなっています。

また、総合指数も▲3%超安の急落となりました。終値では900ポイント割れも近くなっており、今後は個人投資家の物色意欲の回復が大きなカギになりそうです。

東京エレクトロンが連日の年初来安値更新、ユニーファミマHDが一時+7%弱高の急騰

個別銘柄では、ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)が一時+7%高に迫る急騰となり、KDDI(9433)、日本ハム(2282)、コナミホールディングス(9766)などが大きく値を上げました。

また、今週水曜日(19日)に傘下の携帯事業「ソフトバンク」を上場するソフトバンクグループ(9984)も小幅反発となっています。さらに、関西電力(9503)が大幅高となり、東京電力ホールディングス(9501)が年初来高値を更新するなど、電力株が総じて買われました。

その他では、ディフェンシブ銘柄が買われる中、とりわけ、JR東海(9022)が大幅上昇となり、JR九州(9142)が年初来高値更新となったのが目を引きました。

一方、東京エレクトロン(8035)が取引時間中に年初来安値を更新しましたが、その後に買い戻されて終値は上昇しました。また、東京エレクトロン以外にもハイテク株で下落銘柄が散見され、シャープ(6753)やアルプス電気(6770)が年初来安値を更新し、オムロン(6645)やルネサスエレクトロニクス(6723)も安く引けています。

その他では、不正融資問題の処理に追われるスルガ銀行(8358)が大幅下落で連日の年初来安値更新(約15年9カ月ぶりの安値水準)となったこと、及び「PayPay」の決済トラブルを嫌気してヤフー(4689)も安値更新となったのが注目を集めました。

新興市場(東証マザーズ)では、主力銘柄が軒並み年初来安値更新となりました。メルカリ(4385)が一時▲7%超安、CYBERDYNE(7779)が一時▲8%超安、ユナイテッド(2497)は▲4%超安でいずれも安値更新です。また、串カツ田中ホールディングス(3547)やサンバイオ(4592)も大幅安で引けています。

葛西 裕一