悲しいことに、イジメ問題はまだまだ解決の糸口が見つかっていません。年々イジメの手口は巧妙化されており、今やれっきとした犯罪である、と言っても過言ではないような気がします。

もしあなたの子どもがイジメめる側だったら、あるいはイジメられる側だったら…という話題はよく目にしますが、今回はもうひとつのパターン、「もしあなたの子どもが身近なところでイジメが行われている事実を知ったら?」ということについて考えてみたいと思います。

ホッとした自分に嫌悪感…

まずは、小学4年生の女の子を持つCさん(38歳)のエピソードをご紹介しましょう。

「娘のクラスに、夏休み明けから不登校になった子がいるらしい…という噂を耳にしました。娘に事実確認してみると、クラスの女の子が、グループ内でイジメにあったことをきっかけに、学校に来なくなってしまった、とのこと。イジメの内容も無視からはじまり、提出物を破く、黒板にその子を揶揄するようなことを書くなど、聞いていても気分の悪くなる内容でした。

『何それ、先生はどうしてるの?』『そんなことする親の顔が見てみたい!』などと私が呟くと、娘が突然泣き出したんです。

そして、泣きながら『私は、その子とまぁまぁ仲良かった。とても優しいいい子だったのに、イジメがあってから学校で話さなくなって、学校に来てもずっと机に突っ伏すようになって、最後には学校に来なくなった。私は、その子がイジメられているところ、何回か見てるのに、怖くて注意できなかった』と訴えるんです。

号泣する我が子にかけてやる言葉も見つからず、ただ抱きしめてやるしかできませんでした。そして、最低なことに、私は、我が子がイジメの被害者でも加害者でもなくてよかった…と感じたのです」

イジメの現場を見ながらも、何もできない自分の無力さと気弱さに失望したCさんの子ども。もし、あなたの子どもが、Cさんの子どものような内容を訴えてきたら、どんな風に話してあげたらいいのでしょうか。

あんなにいい子が…という驚き