2018年11月26日に行われた、日比谷総合設備株式会社2019年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:日比谷総合設備株式会社 代表取締役社長 西村善治 氏

決算概要 (連結)

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西村善治氏:どうもみなさん、こんにちは。本日はお忙しい中、日比谷総合設備の第2四半期の決算説明会においでいただきまして、ありがとうございます。それではさっそく、資料に基づきまして、私からご説明をさせていただきます。

この第2四半期は、受注高につきましては昨年とほぼ同程度と見ていまして、年度計画に対しては順調に推移をしています。一方、売上高につきましては……これ、想定よりちょっと下回っていまして。一部工事の進捗が、想定を下回ったという状況でございます。

加えまして、利益面につきましては、一部工事の採算悪化もありまして、営業損失11億6,000万円、経常損失で10億7,000万円という状況でございます。

四半期純利益も8億5,000万円のマイナスという状況でございます。

受注高 分野別・顧客別 (連結)

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受注高です。

今ご説明したとおり、ほぼ昨年よりはちょっと低い水準ですが、年度の当初に作りました計画に対しては、おおむね順調に進んでいます。分野別・顧客別を見ましても、だいたい想定どおりという状況でございます。

売上高 分野別・顧客別 (連結)

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売上高です。

官公庁が一部、前の年に比べますとちょっと増えていますが、ここが想定より若干、進捗が悪かったという状況でございます。

手持ち工事高 分野別・顧客別 (連結)

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その分手持ち工事が、1年前と比べますと44億円くらい多くなってきていますので、これが順次竣工してくる予定でございます。

損益計算書 (連結)

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先ほど概略をご説明したとおりでございますが、売上高総利益率につきましては、やはり工事の進捗遅れもあって、今期は少し低い水準という状況になっています。

ちなみに、一番下の四半期純利益でございますが、前の年は株式の売却益もありまして大きな数字になっていますので、そこと比べると、かなりの低い水準になっています。

通期業績予想の修正 (連結)

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通期予想でございます。

受注につきましては、当初計画どおりの750億円ということで、これはなんとかいけるんじゃないかなと見ています。

売上高につきましては、やっぱり上期の進捗遅れを若干引きずるだろうという見通しで、20億円下げまして730億円の見通しを持っています。

利益面も、当初計画は営業利益が40億円だったのですが、上期の採算悪化を少しひきずるだろうということで、8億円下げさせていただきまして、32億円。

経常利益は(中期経営計画各年度計画の)50億円に対して42億円ということで、これも8億円下げさせていただきました。

当期純利益ですが、ここが少し下がってはいるものの、投資有価証券の売却益を若干見込んでいまして、こちらは当初計画どおりにいけるのではないかなと考えています。

株主還元施策の状況

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株主還元施策の状況でございます。

今年度も、中期計画の利益ベースをした株主還元を考えていますが、昨年は大きな450万株の自己株取得ということで、償却もさせていただいたので、配当と自己株取得の2本立てで、今期も計画をしていますが。

少し、配当に重きを置いた計画としています。配当金が、昨年度は60円でしたが、今年は20円増配して、年間80円の配当とする予定でございます。中間期につきましては、計画どおりに1株当たり40円を配当させていただく予定でございます。

自己株式取得でございますが、昨年度は50万株の枠を持ってスタートしたのですが、途中からある程度進んだところで、「自己株式(の取得は)大きなものをやろう」ということになりました。今期は、昨年のスタート時点の50万株より少し減らさせていただいて、30万株の計画でスタートしています。

政策保有株式については、コーポレートガバナンス・コードの改訂の趣旨も踏まえて、当社が持っています政策保有株式の、お客さまとシナジーが生むものについては残そうと考えていますが、そうでないものは売却を進めようということにしています。

一方で、一部持ち合っている株もございましたので、それを相手方にご説明させていただいて、先方も売却ということもございますので。その状況を踏まえて、先ほどの30万株の枠を、しっかり自己株取得ということで、こなしてまいりたいと考えています。

第6次中期経営計画(2017.4~2020.3) 基本方針・基本戦略

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今期は第6次中計の2年目ということで、ちょうど半期が終わりましたので、ざっと施策面での進捗状況を、簡単に説明させていただきたいと思います。

中期の計画はこちらにありますように、「企業体質変革の定着と強化」を基本方針として、戦略としては、「人財とICTへの投資による働き方改革」という1つの柱と、もう1つは「LC(ライフサイクル)トータルソリューションの高度化」と、この2本の柱で3年間、今取り組んでいます。

第6次中期経営計画(2018年度実施状況)

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それぞれの柱につきまして、取り組み事例を2つずつ、ご説明させていただきたいと思います。あと、グッドデザイン賞を受賞したプロジェクトに関わらせていただきましたので、これもちょっと後ほどご説明させていただきます。

クラウド型のアプリケーションを利用し、働き方改革を推進(取り組み事例①)

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まず最初は、「クラウド型のアプリケーションを利用した働き方改革を推進」ということです。

これまではいわゆる、パソコンをネットワークにつないだかたちで、データはパソコンの中にある状態で仕事をしていたのですが、仮想デスクトップサービス……データがクラウドの向こう側にあるというシステムに、移行させていただきました。

こうやることによって、すべての社員がどこにいても、社内と同じような仕事ができるという状況を作りました。これはスマートフォンからも入れますし、タブレットからもアクセス可能という状況でございます。

例えば現場では、現場の社員は、もちろんずっと現場にいるので、そこにパソコンを置いて仕事をするわけですが、現場を管理する課長・部長も定期的に現場を巡視して回ります。

そのときにチェックした項目であるとか、それを現場でタブレットで書き込むと、瞬時にデータが上がっていくと(いうことです)。わざわざ資料を作るために、会社に戻らなくていいということもできます。

それから営業担当も、外出先で日報とか議事録・報告書などを、その場で作れるということでございます。かなり時間的には(短縮できて)直出直帰も可能ということで、その分、多くのお客さまを回ることができます。

そして、これからなのですが、例えば育児中でも介護中でも短時間で、家からでもアクセスして仕事ができます。本来であれば、ずっと育児休暇を取らなきゃいけないような方も、いろんな工夫で「短時間勤務ならできる」「自宅でできる」ということが、状況としては作れるようになってまいりました。

勤怠管理システムも今、すべてクラウドになっていますので、とくに出かける機会の多い人たちが、「今日、どうしても出先で仕事を続けざるを得ない」というときにも、クラウドで上げれば、上長がすぐその場で承認ができるということになります。

それから、経費精算システム。これは主に、交通費を中心に精算をしているのですが。これも例えば、SuicaとかPASMOをカードリーダーにかざしてあげると、そこからデータを取って、「どれとどれが、会社の仕事で回ったのか」を指示してあげれば、クラウドにすぐ上がっていけるというシステムを、今作っています。これをやることによって、仕事の効率がかなり上がってきたなと見ています。

ICTを活用した協力会社との業務効率化(取り組み事例②)

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協力会社さんとも業務を効率化していこうということで、1つは情報伝達の手段です。

メールとか、電話・FAXという手段を中心にやっていたのですが、今回「安全衛生協力会ポータルサイト」を作りまして、ここにいろんな情報を上げることにいたしました。そうしますと、随時協力会社からもアクセスしていただいて、情報交換に必要な時間がわりと短縮できているんじゃないかなと思っています。

それから、「Hibiya-EDIシステム」ですが、請求書の作成・郵送ないしは、場合によったら、持参していただいていたということなのですが。これを、この「Hibiya-EDIシステム」に投入していただくと、当社現場代理人で承認をかけると、すぐに支払いに回していけるということです。現場の生産性の向上ですとか、ひいては競争優位性につながっていくのではないかなと思っています。

それから、もう1つ。協力会社さんとの関係では……これはいろんな会社さんがやっておられて、もちろん当社が初めてではないので、あれなのですが。「日比谷マイスター」という制度を、今年(2018年)から導入させていただきました。優秀な技能者を評価させていただいて、一定のインセンティブを差し上げることによって、当社の作業所にまた来ていただくというシステムでございます。

順次、このマイスター……それから、さらにより優秀な技能をもっとお持ちの方を「プレミアムマイスター」と呼んでいるのですが、この2つのマイスター制度を使って、良い職人さんに来ていただけるようにやっていきたいと思っています。

ゼネコンと連携した建物設備劣化診断(取り組み事例①)

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2つ目の、LCトータルソリューションのお話です。

これは、何度かお話しさせていただいたかもしれませんが、NTT関連会社の工事においては、これまでストック提案をかなり一生懸命やってきました。工事に入ったときに、その他の工事対象外の設備も見させていただいて、悪いところがあればご提案させていただくということをやってきていまして。かなりの金額を、今はストックできています。

これを、民間のお客さまにも展開しようということです。これは1つの例なのですが、都内の大学キャンパスの、校舎の増築工事を担当させていただいたときに、ゼネコンさんと一緒になりまして、その他の構内にいっぱいある、他の建物の悪さ加減を全部見させていただきました。

建築工事では、例えば屋上防水だとか、「内装を変えたらどうでしょうか?」というご提案を作りこんでいただいて、我々は空調や配管、照明についての更改提案を一緒にさせていただきました。

その結果、そんなに大きな工事はないですが、空調改修の工事を受注できるということも出てまいりましたので、いろんなお客さまに、このようなご提案を引き続き差し上げてまいりたいと考えています。

自治体向け省CO₂事業の展開(取り組み事例②)

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これは、もう同じようなやり方は、いろんなパターンでやらせていただいているのですが。

リース会社さんと一緒になって、バルクリースをやっていこうという取り組みです。今いろんな自治体で、かなり省CO2事業に取り組んでおられます。それを、お金が潤沢におありになる行政庁さんは、自ら工事を発注なさって、投資しておやりになるのですが。

なかなか予算的に厳しい行政庁さんは、リースのかたちで費用を平準化するというやり方も、たくさんやっておられます。そのやり方を、リース会社さんと一緒に組ませていただいて、リース会社さんが契約をする。我々はリース会社さんの下で、工事をさせていただいてやるということです。

例えばLED照明で、例えば(今までは)これだけ電気代がかかっていたのが、こうなった(場合をご提案した)ときに、リース料金を払っても、メリットがないとやっていただけませんので。だいたいこのようなシステムをなんとか工夫して、ご提案をさせていただいて取り組んでいます。

関東地方のある市では、LED照明への更改、空調機の更改。市がお持ちの3つの施設で、これをやらせていただきました。それから北海道の街でも、LEDとボイラーの更改というかたちでやらせていただきました。

いろんなパターンがありますので……だいたいLED照明に変えるか、空調機をより省エネルギーのものに変えるかというパターンが多いのですが。引き続き、この事業には取り組んでまいりたいと思っています。

TOPICS:2018年度 グッドデザイン賞受賞の建築CLTモデル施設に参画

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これが、グッドデザイン賞を受賞したプロジェクトに、参画させていただいたということなのですが。

これは、東北大学の構内にあります「建築CLTモデル」というもので、このようなそんなに大きくない建物……ちょっと変わったかたちの建物なのですが。ここにあります「CLT」とは、「Cross Laminated Timber」と言って、薄く挽いた板を直角方向にいくつも重ねて強度を出して、それをパネル化して、このような建物を作るという工法なのですが。当社は、空調と電気をやらせていただいたのですが。

これは、東北大学の大学院都市建築学のセミナールームです。これを東北大学で設計をなさって、我々は空調と電気ということでやらせていただきました。非常に小さい建物ですが、空調的にもこの下に空調機を入れて見えなくするとか、座席の下から空調を吹き出すとか、いろんな工夫をやらせていただいて取り組んだプロジェクトです。全体がグッドデザイン賞ということで、受賞をすることができました。

〔基本戦略〕 LCトータルソリューションの高度化 (注力領域別受注状況)

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ここから先は、竣工した建物をいくつか簡単にご紹介させていただきます。

この5つの領域を、我々は「注力領域」と呼んで取り組んでいまして。これ(右側)は単体の受注額なのですが、それの前期と今期の比較でございます。傾向的にはほぼ同じような状況で、少しだけ縮んだかなという状況でございます。

オフィス

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これが田町の「msb Tamachi(ムスブ田町)」というプロジェクトでございまして、田町駅の東側、駅を出たすぐのところに新しくできたビルでございます。

東京ガスさん・三井不動産さん・三菱地所さんの3社合同事業というかたちで、オフィスビルでございます。当社はこちらで電気……火報とかセキュリティ設備も含む電気でございますが、やらせていただきました。

こちら(右側)は、住友不動産さんの「住友不動産御成門タワー」ということで、御成門の駅の直上にあるオフィスビルでございます。こちらでは、空調と衛生をやらせていただきました。

物流施設/ホテル

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物流・ホテル系です。

これ、左は「DynaBASE」と言いまして、京浜トラックターミナルの中にあります、マルチテナント型の高機能型大型物流施設でございます。こちらの空調と衛生を担当させていただきました。

右は、福岡市にあります、東急グループさんが運営なさっておられますビジネス系ホテルの「東急ステイ博多」でございます。こちらは、空調と衛生を担当させていただきました。

教育施設/医療施設

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次、どうぞ。

これは、東京成徳大学さんの十条台キャンパスでございます。こちらの空調と衛生を担当させていただきました。

こちら(右側)は、市立伊勢総合病院。三重県伊勢市の市立病院でございます。地域の防災拠点にもなるような総合病院ということで、こちらでは衛生設備を担当させていただきました。

株価・時価総額推移(~2018/9末)

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これからは参考(資料)でございますので(割愛させていただきます)……これは、何度もご説明している資料です。

株式の状況 [株主構成]

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次、株主数です。

(2018年)3月末で2,875名でしたので、(9月末で)230名ほど株主さまが増えました。

衛生設備の省エネ技術

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このへん、飛ばしましょう……最後のやつだけでいいかな。

わりと「省エネ」とは、空調設備・LED化をはじめとする電気設備の項目が多いのですが、これは衛生設備で省エネ化を図った事例でございます。

排水を処理するときに空気を混ぜてあげて、浄化して排水するという技術があるのですが、そこの空気量を調整することによって、大幅な省エネを図ったという事例でございます。

酸素の量が適切かということでこれを測って、これを見ながら過不足を調整して、適切な空気量にしてあげるということです。わりと大きな……建物全体ではなくて、この設備としての60パーセントの省エネなのですが。このような衛生設備でも、このような技術が可能でございますので、チャンスがあれば、また取り組んでまいりたいと思っています。

以上、雑駁ではございますが、当社の第2四半期の決算状況についてご説明をさせていただきました。ありがとうございました。

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