アクシアル リテイリング、上期は増収増益で着地 店舗改装や物流改善が主因

2018年12月5日に日本証券アナリスト協会で開催された、アクシアル リテイリング株式会社2019年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料

スピーカー:アクシアル リテイリング株式会社 代表取締役社長 原和彦 氏

1.業績概要

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原和彦氏:アクシアル リテイリングの原でございます。本日は、ご来場いただきまして、誠にありがとうございます。それでは、アクシアル リテイリングのロゴマークのついた説明資料に沿いまして、ご説明を始めさせていただきたいと思います。

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まず、私からお話しさせていただく内容でございます。1つ目が業績の概況、2つ目が私たちアクシアル リテイリングの目指しているもの、そして原信ナルスの店舗フォーマット、最後に簡単に、今期の業績予想についてご説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。

それでは、2018年度の上半期の業績概要についてご説明をさせていただきます。

売上高でございますが、2.3パーセント増の1,184億500万円、経常利益が7.1パーセント増加の47億4,100万円、当期純利益が7.5パーセント増加の31億2,000万円となり、それぞれの数値が当社の会社予測を上回り、増収増益となりました。

既存店売上高がプラス1.1パーセントと堅調だったことに加え、新店・改装店も好調に推移いたしました。また、フレッセイの物流センターによる改善が進み、効果を発揮いたしております。原信ナルスでは、営業面でのマネジメントレベルが向上し、売上総利益率が改善できました。

本期は利益上位2店舗の大規模改装と移転及び子会社の食品加工センターの新設による経費増加があり、減益を見込んでおりましたところ、予想を上回り増収増益で上半期を終了することができました。

参考:グループ別の業績推移

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資料4ページ目になります。グループ別の業績推移を参考までに記載いたしております。原信ナルスグループでは、先ほどご説明申し上げました新店・改装の設備投資があったものの、増益を確保いたしております。

フレッセイグループにつきましては、店舗改装の効果や新しいマーチャンダイジングの浸透によって、既存店が1.9パーセントと高い伸びになっております。

また、物流センターの効果によって、粗利益率も改善いたしました。ただし、経常利益までは増益でありましたけれども、遊休資産の売却等により、純利益は若干の減益となっております。

2018年度 新店・改装

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上半期の新店と改装についてです。4月に新潟県の河渡店を、従来の600坪から900坪に大規模に増床いたしまして、専門性、ライブ感、情報発信をより高めた、セントラルマーケットという店舗フォーマットの2号店として改装いたしました。

さらに9月には、新潟県魚沼市の小出東店を、従来の600坪から800坪と、隣接地に移転拡張し、同じくセントラルマーケットの3号店として開店いたしております。いずれも、計画を上回る好調な結果となっております。

店舗配置の状況

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これらの新店・閉店の結果、現在営業している店舗は全店で129店舗となり、ご覧のような店舗配置となっております。

食品スーパー売上高ランキング(2017年度公開企業)

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業界における当社のポジショニングをご確認いただきます。こちらの表は、数字を公表している全国食品スーパーマーケットの2017年度の売上高ランキングです。当社の2,328億1,000万円という売上高の規模は、いなげやさまに続いて9番目となっております。

食品スーパー経常利益ランキング(2017年度公開企業)

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こちらは経常利益のランキングです。(スライド)左側の経常利益高では第7位、右側の経常利益率では、ヤオコーさまなどとほぼ同じく、4.0パーセントで第4位となっております。

食品スーパーマーケットのROAと自己資本比率

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企業体質についてです。こちらの図は、いちよし経済研究所さまが作成されました上場スーパーマーケットの収益性と財務体質を表すマトリックス図をアップデートさせていただいたものです。横軸は財務体質を表す自己資本比率。縦軸は収益力を表すROAとなります。

アクシアル リテイリングは、財務体質が平均値を上回っており、収益性も高くなっております。右上に位置するベルクさまをはじめとした優良企業さまと同じようなポジショニングであることが、おわかりいただけるかと思います。

売上高前年比の動向

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こちらのグラフは、2016年度4月から本年10月までの月別売上高前年比の推移であります。2017年度につきましては、競争の激化に加え、地域行事やお盆等のいわゆる「晴れの日」の曜日回りが、例年よりも非常に不利な配置でした。よって、営業数値が相当低下することが事前に想定されておりました。

これに対する重点施策として、売れて、かつ利益を確保できる商品の販売拡大、値下げ・廃棄の適正化と品切れの撲滅、成功事例の全社共有と活用という3点を掲げ、目標数値の達成に取り組みました。既存店売上高は0.2パーセントの減少となりましたが、全体では増収増益を達成することができました。今期に入りましてからは、今ほどお話しした取り組みを、さらに精度を高めながら推進しています。

また、猛暑や野菜の相場高など、追い風となっている部分もございますが、上半期は堅調な売上高となりました。

2.アクシアルのめざすもの

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私たち、アクシアル リテイリングが目指している方向性についてご説明をさせていただきます。アクシアル リテイリングは、チェーンストアによってお客さまの毎日の生活に豊かさ、楽しさ、便利さなどを提供していくことを目指しております。

チェーンストアとして、数店舗の小売業では実現できないお客さまへのメリットを提供できるようになるには、まずは一定の規模が必要になってまいります。流通先進国であるアメリカでは、経験則として、標準化された200店舗がスケールメリットを生み出せる最低ロットと言われております。

そして、一定以上の規模とともに、それらを有機的につなぐ組織や物流、ITなどの機能、言い換えれば仕組みが欠かせません。また、それらを作り上げ、活用していくのは人材です。人材育成を図るためさまざまな教育制度を整備してまいりましたが、これらの基盤として、当社が40年近くにわたって試行錯誤しながら定着させてきた、「TQM」という活動があります。

「TQM」とは、お客さまのご満足向上のために、合理的、科学的なものの見方や考え方により、従業員一人ひとりが主体的に取り組む、いわゆる改善活動のことであります。全社を挙げて、徹底してこの活動を推進している会社は、小売業では珍しいのではないかなと思っております。

TOPIX TQM

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その「TQM」でありますが、大変ありがたいことに、日本科学技術連盟さまより「TQM」に関する賞を立て続けに授与していただきました。

1つ目が、2018年度の「QCサークル経営者賞」という賞です。QC活動により、継続してお客さま満足の実現に努めるとともに、北陸支部の役員幹事企業として、QCサークルの発展に尽くしたという理由で授与していただきました。私の受賞で28人目となるようですが、小売業では初受賞となりました。

また、TQM推進室の主任が、QCサークル推進の「石川馨賞」を受賞いたしました。こちらは、社内ではQCサークル活動を指導して手法を普及させ、社外ではQCサークル北陸支部の新潟地区の幹事を務め、北陸支部幹事長、新潟地区幹事長にそれぞれ就任してQCサークルの発展に尽くしたということで、授与していただいたものであります。

当社では、この「TQM」を経営の根幹と位置づけ、40年近くコツコツと改善活動に真摯に取り組んでまいりました。現在ではチームで改善に取り組むQCサークルが約900あります。このほかに、部署長や店長、バイヤーなど、個人で改善に取り組むスペシャリストが約400人おりますが、年間に合計5,000件ほどの改善活動が行われております。

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作業のちょっとしたわずらわしさを解決するなど、工夫を収集して共有する「改善事例バンク」という仕組みがありまして、年間で約1万3,000件の事例が報告されております。

このような改善活動は全員参加を基本としており、商品やサービスはもちろんのこと、物流やITなどの機能、人事制度や財務など、あらゆる面での品質を磨き上げる活動に取り組んでおります。これが当社の最大の特長であり、強みに繋がっているのではないかなと思っております。

今後もお客さまによりよい商品やサービスをお届けするためにも、全社を挙げて改善活動に愚直に取り組んでまいりたいと思っております。

<ビジョン>

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当社グループでは、道しるべとなる目標をビジョンとして定めており、現在のビジョンは2009年に策定した「Advanced Regional Chain」であります。

このビジョンは、出店エリアの拡大に伴い、新潟県や群馬県を中心としたローカル的思考から脱却し、強固で優良な、複数県にまたがるスーパーマーケットチェーン作りというものを目指しております。ビジョンの主要な項目は、日本一のサービス、標準化された大型のスーパーマーケット200店舗、そして信頼の構築という3つで構成されております。

中期経営計画(2018~2020)①

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ビジョンの実現に向けて、当社では毎年3ヶ年先を見据えた中期計画を策定しております。1つ目の出店政策については、従来と変わりありません。2つ目の商品政策に関しましては、後ほど原信ナルスについてご報告いたします。そして、4つ目の物流の全体最適化が、従来と同様、もっとも主要な課題と位置づけております。

今から2年ほど前に稼働いたしましたフレッセイ前橋物流センターが軌道に乗ってまいりましたので、次の一手として、食品製造会社でありますローリーが運営する加工センターを新設し、8月から段階的に稼働を開始しております。また、フレッセイでもPC機能を拡充する予定で、計画の策定作業に入っているところであります。

中期経営計画(2018~2020)②

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こちらは、これらの施策を踏まえた中期計画の数値目標となっています。3年目の数値目標は、売上高が2,450億円、経常利益率が4.1パーセント。3年間の開店が12店、閉店が6店で、設備投資額の合計額は170億円を予定しています。

経営統合5周年 ~主な取り組み

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経営統合から10月で5周年を迎えさせていただきました。この間に取り組んできたことを、まとめてご報告させていただきます。まず、グループとしてTQM活動を推進してまいりました。フレッセイでもレベルが上がってきていまして、先日開催されたQCサークル群馬地区チャンピオン大会におきましても、板倉店のいたくらミートサークルが県知事賞を初めて受賞いたしました。

また、発注システムやレイバースケジューリングなど、主な情報システムを段階的に統一しています。とくに基幹となる受発注システムは、フレッセイ前橋物流センターの新設に合わせて整備し、グループ全体で機能発揮ができるようにしてまいりました。

商品政策におきましては、原信ナルスとフレッセイが、メーカーさまや産地と合同で商談を進め、お互いによい商品を共有することからはじめ、2年目からは、大手メーカーさまのご帳合を統一させていただき、大きな効果を得ることができています。

プライベートブランド商品は、徐々にフレッセイでも導入が進んでおり、現在では342品目のうち、55パーセントの189品目をフレッセイでも販売しています。また、経費につきましても、統合直後から共同調達や比較購買などにより、5年間で約16億円の効果を上げています。

ロジスティックス戦略

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中期計画に基づいたロジスティックス戦略についてご説明いたします。原信ナルスでは2013年10月に、在庫を保有し、店舗へタイムリーに商品を供給するDC……いわゆるディストリビューションセンターを設置し、これに合わせて自動発注システムを導入して、効果を上げています。

また、2016年10月には、フレッセイ前橋物流センターが稼働したことにより、グループ全体のロジスティックス網と合わせ、商流面でも円滑な活動が可能となり、6県にわたる店舗網を生かしたリージョナルチェーンとしてのマスメリットを引き出す基盤が整備できています。

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次のステップとして、製造子会社であるローリーの工場が手狭になってきたことから、DC稼働によってスペースに余力ができた中之島チルドセンターを増築し、プロセスセンターを新築いたしました。

プロセスセンターの新築の目的は、店内作業を削減し、削減した時間を活用して、より付加価値の高い商品づくりの支援を行うこと。また製造から販売まで、レベルの高いコールドチェーンを実現すること。さらに、一部商品を新たにグループ全体へ供給することにより、マスメリットを創出すること。以上の3点で、8月末から部分的に稼働を開始し、順調な立ち上がりとなっています。

規模と供給高

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プロセスセンターの移転・拡張によって、供給能力は従来の約3.4倍となっており、精肉の一部商品については、フレッセイへも供給を開始しています。

3.原信ナルスの店舗フォーマット

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原信ナルスの営業政策に関して、ご説明いたします。2000年代前半に、特徴のない売場で販売力の弱さを実感していたことから、社内で「ニューコンセプト」と呼ぶ提案型の売場づくりへ革新を始めていました。

2010年からは、時代や環境の変化を受け、「ニューコンセプト・パート2」という営業方針に進化させました。これは、快適なお買い物環境において、今まで以上に豊かさ・楽しさ・便利さをご提供することに加えて、同時に生産性も追求した店舗づくりを目指したものです。

さらに2015年からは、健康志向や時短ニーズなどに対応した「ニューコンセプト・2プラス」というスタイルに進化させています。2015年10月に改装した長岡市の川崎店は、セントラルマーケットという名称を持ち、専門性・情報発信・ライブ感を重視した売場づくりを目指しています。

また、2011年からはネットスーパーを開始していますが、今年の9月14日からは「ネットスーパーPRO」という、新しいネットスーパーの展開を開始しました。そしてまた、前期末の3月には、新しく「エクスプレスマーケット」と名付けた店舗フォーマットの実験を始めています。

NCⅡ+(セントラルマーケット)

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それでは、順にご報告してまいります。まず、「ニューコンセプト2プラス」についてご説明いたします。今期に入って、4月に新潟市の河渡店を、川崎店で培った経験をもとに、セントラルマーケットの2号店として、従来は約600坪であった売場面積を900坪に増床し、改装をいたしました。

さらに9月には、小出東店をセントラルマーケットの3号店として開店いたしました。小出東店につきましては、敷地面積を1.6倍に拡張した上で、すべての建物を建て替えし、当社の売り場面積も600坪から800坪へ拡大させています。両店ともに、改装後は予想を大幅に上回る、お客さまからご支持をちょうだいできています。

セントラルマーケット河渡店は、川崎店での経験を生かし、さらに専門性と情報発信、ライブ感を重視した店づくりにトライしていますが、その中からいくつかご紹介させていただきます。

365 Sidedish

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まず、新たに「365 サイドディッシュ」というコーナーづくりに挑戦しています。ナチュラルチーズやピクルス、マリネ、ローストビーフや生ハムなど、食卓を彩る副菜をトータルコーディネートし、リーズナブルな価格で豊かさをご提供しています。

MDコンセプト

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さらに、ドライフルーツやナッツを練り込んだデザートフルーツチーズなど、他店では取り扱いが難しい商品をご提案し、お客さまからご好評いただいているところであります。

インストアスィーツ

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次に、河渡店から始めたインストアスィーツについてご紹介いたします。女性メンバーを中心に、「スィーツプロジェクト」を立ち上げ、原料と製法にこだわった「とろぷり」と名付けたプリンを開発し、1日(の販売数が)100個を超えるヒット商品となっています。

「とろぷり」シリーズ化・季節限定アイテムの開発

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これは店内製造で、他店では品揃えのない差別化商品でありますが、今後はフレーバーの拡充や季節商品などで、「とろぷり」シリーズとして育成してまいります。

手握りおにぎり「お結びや」

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また、手握りおにぎり(の売り場)を「お結びや」というかたちでコーナー化しました。米、塩、のりにこだわり、おいしいおむすびを手握りで提供しています。お米は厳選した「コシヒカリ」を使用し、具材は水産部門でご好評いただいているオリジナルの鮭、魚卵を用い、おいしい素材同士を結ぶというコンセプトで、1日に150個程度を販売できています。

「肉のてっぱん屋」

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またセントラルマーケットでは、ご家庭で手間をかけずに、より本格的でおいしい商品をお召し上がりいただくために、河渡店にて「肉のてっぱん屋」というコーナーを新設いたしました。お客さまの目の前で焼き上げて製造した、本格的なおいしいタッカルビやガーリックポーク、プルコギなど、とくに高くご支持いただいる商品もたくさんございます。

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次に、ネットスーパーについてご説明をさせていただきます。2011年からネットスーパーを開始いたしましたが、離島を除く新潟県内全域に商品を当日中にお届けする仕組みで展開を始めたところです。受注店舗は2拠点に増やして対応していましたが、さらに今年の9月14日に、「ネットスーパーPRO」を3拠点目として新設いたしました。

近年、街の食堂などに商品を供給されていた卸業者さまの廃業が増えてまいりましたため、従来の扱いアイテムに加え、業務用や大容量商品なども充実させ、また掛売りの決済にも対応できるようにした、他のスーパーが行っているネットスーパーにはない機能を兼ね備えたネットスーパーとなっています。

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次に、エクスプレスマーケットについてご説明をさせていただきます。2000年以降、進化させてきた提案型の売り場は、お客さまからご支持をいただき、坪当たり売上高や粗利益率も向上し、成果を上げてまいりました。

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しかし、一定のエリアで多店舗出店を実現し、さらにエリアのシェアを上げていくには、小商圏で成立し、軽装備で、高い生産性を実現する店舗フォーマットの開発が必要ではないかと考えました。

一方、これからのスーパーマーケットに求められる機能は、単に小型化するだけではなく、時代の変化に対応した商品政策や、快適な店舗環境も不可欠であろうと考えています。そこで新たな店舗フォーマットとして、エクスプレスマーケットの実験の取り組みを開始したところであります。

コンセプトとして、簡便・快適・生産性の3つをキーワードといたしまして、長岡市内で3月に1号店を開店いたしました。

標準的な「NCⅡ+」の売り場面積が約650坪、(商品数が)約1万6,000品目なのに対し、エクスプレスマーケット城岡店は560坪、約1万1,000品目と絞り込んでいます。しかし、惣菜やベーカリーなど即食性の高い分類は、「NCⅡ+」の店舗とほぼ同じとなっています。

このフォーマットを支える上で重要なのが、生鮮プロセスセンターとの密接な連携であります。基盤となるPCも稼働を開始いたしましたので、私どもが得意とするTQMによってさらなる改善を行い、従来の「NCⅡ+」とともに、もうひとつのフォーマットとして進めてまいりたいと考えています。

4.今期業績予想

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最後に、今期の業績予想についてご説明をさせていただきます。売上高は2,330億円、経常利益は92億円、当期純利益は60億円です。これらは、当初にお知らせした見込みと変更しておりません。

以上で、私からのご説明を終わらせていただきます。ご清聴いただき、誠にありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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