さて、今回の統一地方選挙に合わせて、台湾では10件の国民投票が実施されました。国民投票では、10件の懸案についての是非が問われ、成立には賛成票が有権者数の4分の1以上(約495万票)かつ反対票数を上回る必要がありましたが、注目された『「台湾」名義での東京五輪への参加申請』と『同性婚容認』については否決されました。

台湾では、台湾で生まれ育ち「台湾人」をアイデンティティーとする人が増えているのが現状です。そのため、2020年の東京オリンピック・パラリンピックには「台湾」という名称で参加を申請しようという声が広がり、国民投票につながりました。

ただ、名称の変更を求めるこの動きは、当然ながら中国政府の強い反発を招きましたし、IOCも台湾オリンピック委員会に対し、名称変更を認めない方針を伝えていました。東京五輪では台湾は、従来どおり「チャイニーズタイペイ」としての参加となりますが、その頃にも、台湾の揺れは落ち着いていないでしょう。

ニッポン・ウェルス・リミテッド・リストリクティド・ライセンス・バンク 長谷川 建一