文章を「頭よさそう」に見せようとするほどバカっぽくなる理由

人間関係をシンプルにする心理術

説明の文章はシンプルなほどいい

 というのも、多くの学生は、簡単な文章ほど「頭がよさそう」と答え、難しい表現をした文章ほど「頭が悪そう」と答えたのです。

 もし、これが小説などの「文学的」なものなら、「2」の言い回しを難しくした文章を選ぶかもしれません。しかし、いま問題になっているのは、上司に提出する報告書や資料です。世の中には、難しい言葉を使ったほうが賢く見えると思い込んでいる人たちがたくさんいますが、実はまったくその逆なのです。

 人間の脳というものは、難しいことが嫌いです。簡単な表現ほど好感を持ちやすくなる特徴を持っています。そのため、報告書や資料など、何かを説明する文章というものは、シンプルなほどいいのです。

 あなたも読書をするときに、きっと「読みやすい本」と「読みにくい本」があるはずです。なかなかページが進まない本は、基本的に難しい言葉の羅列で、読んでいてもあまり頭に入ってこないという経験はきっとあることでしょう。

「難しい言葉」を使いたい人たち

 私たちが使う言葉もそうです。自分は頭がいいと思い込んでいる人間ほど、難しい言葉を使います。たとえば、「客観的な観察で記述できる関係性に注意を向ける行動主義の心理学は外部からの刺激によって生体の反応が変容することを扱う学習の研究との相性がよい」。

 はい、言っていることは何となくわかるのですが、まず頭に入ってこないですよね。

 頭がいいと思い込んでいる人たちは、こうした言葉を頭の中で覚えてはいるのですが、それを噛み砕いて相手に伝える能力がない。ですからこの場合は、実は記憶力がいいというだけで、決して頭がいいということではありません。本当に頭がよければ、難しい言葉を噛み砕いて、相手にわかりやすく伝えることが可能なのです。

 では、先ほどの文章を咀嚼して、わかりやすく伝えるとどうなるでしょうか。

「外から見ることができない『心』というものに注目せず、誰でもわかるような『関係を見る行動』からわかる心理学というのは、『外から刺激すれば、体の反応が起きる』という一般的な研究との相性がいい」

 いかがでしょう。最初の文章よりは頭の中に入ってきたのではないでしょうか?

筆者のロミオ・ロドリゲス Jr.氏の著書(画像をクリックするとAmazonのページにジャンプします)

文章の3つの鉄則

 つまり、難しい文章を使えば使うほど、「こいつは自分の知識をひけらかしたいだけで、決してこっちのことを考えていない」と思われるわけです。結論として、(実際にどうかはさておき)少なくとも他人から「頭がいい」と思われる文章のポイントは、次の3つです。みなさんも、報告書や資料などをつくるときは、これをぜひ心がけてください。

1.シンプル……わかりやすく、簡単に
2.クリア……明瞭に、簡潔に
3.ミニマム……最小限に

 なお、もし難しい文章を自分で簡単にできる自信がないときは、「ほかの人にその文章を読んでもらって、どういう意味か聞いてみる」という裏ワザもあります。その人の説明がわかりやすいと思った場合、それをそのまま文章にすればいいのです。


■ ロミオ・ロドリゲス Jr.(Romeo Rodriguez Jr.)
1972年香港生まれ。メンタリスト。幼少時より英国・カナダ・日本とさまざまな国で生活し、4カ国語を操る。2010年には香港大学の専修科でメンタリズムの講師として抜擢される。経営・営業・サービスや接客業などビジネスの現場で「いかに人の心を読むか」を指導。ビジネス心理術に特化した説得術・交渉術・読心術・営業術・人心掌握術を得意としている。

ロミオ・ロドリゲス Jr.氏の著書:
仕事は嫌いじゃないけど、人間関係がめんどくさい!

ロミオ・ロドリゲス Jr.

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1972年香港生まれ。メンタリスト。幼少時より英国・カナダ・日本とさまざまな国で生活し、4カ国語を操る。
2010年には香港大学の専修科でメンタリズムの講師として抜擢される。経営・営業・サービスや接客業などビジネスの現場で「いかに人の心を読むか」を指導。ビジネス心理術に特化した説得術・交渉術・読心術・営業術・人心掌握術を得意としている。