人は誰しも、誰かに認められたい、褒められたい、賞賛されたい、といった「承認欲求」を多かれ少なかれ持っています。そしてこの「承認欲求」を満たしてくれる人と出会ったり、話をしたりすると「この人とまた会いたい」「もっと話をしたい」と感じるのではないでしょうか。

アメリカ最大の心理学者とも言われるウィリアム・ジェームス氏は、「人間の持つ感情のうちで最も強いものは、他人から認められることを渇望する気持ちである」と指摘。「承認欲求」をかなえることで相手の根源的な欲求を満たし、ポジティブな影響を与える存在になれることを唱えています。

「この人とまた会いたい」「もっと話をしたい」と思われる神がかったコミュニケーション能力を発揮している人はきっと、無意識的もしくは意識的に相手を承認し、ポジティブな影響を与えているのでしょう。

「承認」と「褒める」は違う

「承認」と「褒める」をイコールと思われる方も多いと思いますが、「褒める」ことは、承認の1つの方法です。

「承認」とは「相手を認めること」で、以下に紹介するように様々な方法があります。承認をすることで相手の根源的な欲求を満たすことができますが、場面によって方法を変えることで、承認の効果はより高まります。ぜひ、下記の方法を参考にしてみてください。

神コミュニケーションの鍵を握る5つの承認

表情を意識して「挨拶」をする

挨拶はコミュニケーションの入口であり、承認の基本であると言われています。挨拶をかわし、会話をすることでお互いを承認することができ、良好な人間関係を築くことができるのです。

その際に特に注意したい点は「表情」です。下を向いてぶすっとした表情で「おはよう」と言われても「何か怒らせることをしちゃったかな」と相手に不快な思いをさせてしまうかもしれません。可能な限り、笑顔でアイコンタクトをしながら「挨拶」をすることをおススメします。

何度も「名前を呼ぶ」

思っている以上にインパクトが強いのが「名前を呼ぶ」という承認。承認は「存在承認」「行動承認」「結果承認」という3つに分けられるのですが、名前を呼ぶという行為は「存在承認」に分類され、「あなたの存在を認めてます」という強いメッセージに繋がります。

仕事や家庭で名前を呼ぶのが恥ずかしく、つい「おい」や「あの~」と言ってしまう方は、ぜひ今日から勇気を出して名前を呼んでみましょう。

相手の話を全力で「聴く」

売れる営業マンは「聴き上手」だとよく言われますが、なぜ話し上手より、聴き上手が良いのでしょうか。実は「きく」には、自然に耳に入ってくる音や情報を受け取る際に使われる「聞く」と、注意深く心を感じながら耳を傾ける際に使われる「聴く」があります。

「聞く」も承認の1つですが、全力で相手の話を「聴く」ことで、より相手へポジティブな印象を与えることができます。もし皆さんの周りで「この人聴き上手だな~」と思う人がいれば、ぜひ観察をしてみてください。

きっと、こまめに「そうなんですね」「そんなことがあったんですね」と相槌をうったり、時に相手の話に合わせて驚いたり、微笑みを浮かべたりして、相手の話しやすい環境を作っていると思います。

具体的に「褒める」