株式市場の振り返り-日経平均株価は3日ぶり反発、材料難の中でハイテク株へ買い戻し

2018年11月19日(月)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 21,821円(+140円、+0.7%) 3日ぶり反発
  • TOPIX 1,637.6(+8.3、+0.5%) 3日ぶり反発
  • 東証マザーズ総合指数 976.9(+28.5、+3.0%) 大幅反発

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:1,289、値下がり銘柄数:756、変わらず:67
  • 値上がり業種数:20、値下がり業種数:13
  • 年初来高値更新銘柄数:11、年初来安値更新銘柄数:163

東証1部の出来高は12億8,646万株、売買代金は2兆1,367億円(概算)となり、いずれも先週末より減少しました。先週末のNY市場が続伸となったものの、企業の決算発表が一巡したことで材料不足感が強まり、引き続き模様眺めムードとなりました。週初ということもあり、出来高は12億株台と低迷しましたが、売買代金は何とか2兆円を上回っています。

そのような中、日経平均株価は底堅い値動きとなりました。寄り付き直後には一時▲15円安となりましたが、直後には一時+172円高と急反発する場面も見られました。その後いったんは上げ幅を縮小しましたが、徐々に切り返した結果、最後は140円超の上昇となって3日ぶりの反発で引けています。

なお、TOPIXも同じような値動きで3日ぶりの反発となりましたが、上昇率は日経平均株価より小さくなりました。これは、大型株への買い戻しが優勢だったことを示唆していると言えましょう。

東証マザーズ総合指数は大幅反発、売買代金は6日連続で1,000億円割れ

東証マザーズの出来高は5,161万株、売買代金は836億円となり、いずれも先週末より減少しました。個人投資家の物色意欲回復が遅れており、売買代金は6日連続で1,000億円を割り込んでいます。

ただ、一部主力株への買い戻しが強まった結果、総合指数は+3%超上昇の大幅反発となりました。このまま1,000ポイント回復を目指すのか、引き続き個人投資家の物色意欲の回復が大きなカギになりそうです。

任天堂やソフトバンクGに大きな買戻し、銀行株が売られSMFGは年初来安値を更新

個別銘柄では、先週末に大幅安となったソフトバンクグループ(9984)が+5%超高の急騰となり、ファナック(6954)も大きく値を上げました。

また、同じく先週末に暴落した任天堂(7974)も一時+5%高に迫るまで買い戻された他、東京エレクトロン(8035)、アドバンテスト(6857)、SUMCO(3436)、ローム(6963)なども急反発しています。さらに、ソニー(6758)や三菱電機(6503)なども大幅上昇となり、ハイテク株への買い戻しが鮮明になりました。

その他では、ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)が連日で年初来高値を更新し、テルモ(4543)や武田薬品工業(4502)など医薬品株も大きく買われたことが目を引きました。

一方、ファーストリテイリング(9983)が反落となり、TDK(6762)は取引時間中に年初来安値を更新しました(終値は上昇)。

また、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)など銀行株が大きく売られ、三井住友フィナンシャルグループ(8316)は年初来安値更新となっています。

その他では、日産自動車(7201)など自動車株の一角が軟調に推移し、SUBARU(7270)は連日の安値更新となりました。

新興市場では、サンバイオ(4592)が一時+13%高に迫る爆騰となり(年初来高値を更新)、時価総額が最大のメルカリ(4385)にひたひたと迫ってきました。そのメルカリは3日ぶりに反発しましたが、終値は公開価格(3,000円)を割り込んだままとなっています。

一方、シェアリングテクノロジー(3989)やZUU(4387)が下落したのが目を引きました。

葛西 裕一