シリーズでお伝えしている「注目小売店月次実績」。今回は焼鳥チェーン店「鳥貴族」を運営する鳥貴族(3193)の、2018年10月の月次動向及び過去実績、また過去1年の株価動向について振り返ってみましょう。

直近の月次実績はどうだったか

2018年11月7日に更新された鳥貴族の2018年10月の既存店売上高は、対前年同月比で93.5%のマイナス成長となりました。

内訳は客数が同96.4%、客単価が同97.0%といずれもマイナス。昨年10月の値上げ以来継続していた客単価アップは、値上げから1年経過したところで100%割れとなりました。

一方で全店売上高は同111.5%のプラス成長となっています。

今期の既存店売上高の振り返り

では、今期の既存店売上高はどう推移してきたのでしょうか(同社は7月決算)。

既存店売上高は、当期の8月以降は3カ月続けて対前年同月比でマイナス。さらに前期から見ると、10カ月続けてのマイナスとなっています。客単価はプラスが継続する中で客数減が続いており、客数のマイナスを客単価のプラスでカバーできない状態です。

客数は対前年同月比で80%台の月も多く、既存店客数の回復は同社にとって非常に重要な経営課題です。

なお、全店売上高は昨年8月から本年10月までプラス成長を維持しています。

過去1年の株価動向はどうだったか

最後に同社の株価動向を見ていきましょう。

同社株価は昨年12月の3,965円を天井に下落が継続中。そして本年10月には2,000円を一時割り込む場面も生じており、昨年12月の約半額の株価水準に位置しています。

昨年8月以来、既存店売上高のマイナスが長く継続しているため、それがどのタイミングでプラス成長に転じるのかという点に注目が集まるのではないでしょうか。

鳥貴族の過去1年間の株価推移

参考データ:鳥貴族「月次報告」

LIMO編集部