お金を本気でコツコツ貯めるための簡単な3つのポイント

パーソナル・ファイナンス入門

Banana Oil/Shutter

お金を貯めるにはどうしたらよいのでしょうか。個人の貯蓄を考える際にはたった3つのポイントしかないといっても過言でありません。ではその3つとは何なのでしょうか。今回はその3つについて見ていきましょう。

「偶然」を前提としないお金を貯めるステップ

個人のお金の流れを考えると、既に資産家ではない限り、仕事をして給与を手にし、生活費をやりくりしながら貯蓄をし、それを増やしていくということ以外にはないでしょう。

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もちろん、「宝くじに当たった」とか、「資産を相続した」というような特別な出来事があれば別でしょう。一般的なケースを考えれば、仕事で手にする「フロー」の給与をいかに経費を減らしながら「ストック」としての貯蓄を積み上げていけるのかがポイントとなるでしょう。ちなみに、貯蓄とは「預貯金」だけではなく、株式や投資信託といった有価証券も含みます。

ここでは、お金を貯めるために、そのポイントを大きく3つに分けてみましょう。

  • 【ポイント1】稼ぐ
  • 【ポイント2】削る
  • 【ポイント3】運用する

お金を貯めるために、「稼ぐ」とか「削る」といったキーワードはすぐに思い浮かべる人もいるかと思いますが、「預貯金から投資」になかなか進まない日本人にとっては「運用する」という行動は苦手という方も多いのではないでしょうか。

個人と企業のお金の流れの違いとは

この3つだけみると、「どれも当たり前ではないか」という指摘もあろうかと思いますが、自分の貯蓄を増やすにあたっては、そのポイントや目的を達成するためのプロセスはシンプルにするというのは一つの方法でしょう。

話はそれますが、企業の決算も同じような考え方をします。企業決算にも損益計算書(P/L)という「フロー」を見る決算書と貸借対照表(B/S)という「ストック」があり、P/Lでみる売上から経費や税金などを差し引いた当期純利益がB/Sの自己資本に積みあがる流れとなります。自己資本が積みあがってくればその金額に従って借入ができる金額も増えてきますし、企業にとってのファイナンス(コーポレート・ファイナンス)の選択肢が増えてきます。

個人のお金(パーソナル・ファイナンス)についても同様です。いかに収入を増やすのか、いかに経費を削るのか、またその結果積み上げることができる資産をいかに有効活用するのかが重要になってきます。

【ポイント1】よりお金を稼ぐために

給与については自分のキャリアを考えるということにも大きく関係してくるでしょう。会社員である場合には、職位やポジションが上がれば給与は上昇していくことがあるでしょう。

また、転職などを通じてキャリアアップし、年収が増えるということを経験したという方も多いのではないでしょうか。

共働きの夫婦であれば「世帯年収」で考えた時に、1人よりは2人の方が当然ながら世帯年収は増えます。結婚をすることで世帯での収入が増えることはよく見られるシーンでしょう。

「転職はちょっと難しい」という人でも、勤務先で副業をすることが可能であれば、副業を始めることでも収入を増やすことが可能です。子育てや地方在住で定時の仕事に就きにくいという方でも、インターネットを活用することで就業機会を見出すことがこれまで以上に容易になりつつあります。

また、資産を既にある程度お持ちの方は、その資産が生み出す収益、たとえば配当や分配金等が「稼ぐ」項目に入ってくるでしょう。これは不労所得という考え方で、自分が手を動かさなくとも、また仕事をしなくとも手にできる収入です。資産形成をする方の理想はこの収入が多くなるということも多いのではないでしょうか。ただし、不労所得は資産形成をした結果なのでいきなり求めることは難しいということは付け加えておきます。

【ポイント2】より経費を削減するために

生活費、教育費、その他経費を削るという作業は、お金を貯めたいという方が真っ先に考えることでしょう。

生活費といっても、食費から光熱費、既に必需品といえるスマートフォン等、通信費用などは生活するのにはどうしてもかかってくる支出は削減するといっても限界があるでしょう。ただ、結婚をすることで経費を共通化できる領域も多く、結婚を機に一人当たり生活費を引き下げることができたという人は中にはいます。

また、経費を削減するのには、お金の流れの「見える化」が必要です。最近では、家計簿アプリで銀行預金の流れやクレジットカードの利用金額なども確認できるようになっているので、どこで何にお金を使っているのかが分かりやすくなっています。こうしたテクノロジーによるツールを利用するのも一つの方法です。

ただし、生活費を削るのにも限界があるでしょう。「節約が好き」や「節約が趣味」という方もいらっしゃいますが、節約し過ぎて「節約疲れ」という方もいます。人によるかとは思いますが、収入を増やす、もしくは運用を積極的に行うという選択肢に時間を変える方がよいという方もいるのではないでしょうか。

【ポイント3】より効率的に運用するために

収入から経費などを引いてお金を貯めて行ったとしてもその後に重要となるのは「どう運用するのか」ということでしょう。

一般的な運用としては以下のようなものがあるでしょう。

  • 預貯金
  • 投資信託の購入
  • 株式投資
  • 不動産投資

物価がデフレ環境下であれば「預貯金」でもよかったでしょうが、マイルドなインフレ環境になれば、現在の金利水準を考えれば株式投資や株式を含む投資信託等も検討の余地があるでしょう。

最近では、iDeCoやつみたてNISAといった非課税枠を活用できる制度が整っており、資産を運用する場合には検討してみる価値は十分にあります。ただし、制度を利用できる金額に制限があるため、運用する資産が多い人は、別の運用先も検討しなくてはいけません。

ちなみに住宅ローンを活用した住宅購入も投資と考えるのが良いでしょう。賃貸の場合には家賃が発生しますが、ローンを活用し自宅を購入した場合には返済が発生します。自宅をローンで購入した際には、個人の貸借対照表の右側に住宅ローンにともなう負債が、左側には資産として住宅がのります。

不動産価格の上昇に伴って住宅価格が上がれば含み益となりますし、その反対であれば含み損となります。ただし、自宅で使い続け、売却などが発生しない場合には、損益が実現しないので、あまり議論しても意味がないでしょう。

お金を貯めるためには3つのポイントをすべて活用しよう

「お金を貯めるぞ!」と決意する場合には、まずは【ポイント2】である経費を削るや欲しいものを我慢するというような節約するという点に注目する人は多いかと思います。ただ、経費を削るといっても現在使っている以上には削減はできません。

したがって、【ポイント1】であるこれまで以上に稼ぐということや【ポイント3】のように運用先を検討して効率的に資産形成を進めていきたいものです。【ポイント1】、【ポイント2】、【ポイント3】のそれぞれがいずれも独立しているのではなく、それぞれが紐づいて連動するように管理できるのが理想的です。

たとえば、年収が上がった分を資産運用に回し、経費を節約できた分を運用に回したり、運用による収益が増えることで収入が増え、さらに運用できる資産が増えるといった具合にです。

こうしてみると、シンプルな構造の中で自分にとって一番お金をためやすい方法で確度が高い手段を検討するのが良さそうです。

青山 諭志

ニュースレター

慶應義塾大学卒業後、国内大手及び外資系大手金融機関に合わせて10年以上勤務し、株式市場を中心にマーケット関連の仕事に従事。その後独立。金融機関では主にアナリストとして企業や産業調査活動に従事。調査内容としてはミクロ・セミマクロが主な分析対象だが、好きなのはマクロ分析。記事で取り扱うテーマはマーケット動向、企業分析といった株式市場関連の分析や貯蓄や投資といった個人の資産運用動向を取り扱う。最近は「富の分配」問題や「お金持ち」である富裕層研究にも時間を割いている。その他に興味のある分野はブロックチェーン技術とゲノム(ジーノム)。