株式市場の振り返り-日経平均株価は4日ぶり反発、一時+400円超高も上値は重い

2018年10月30日(火)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 21,457円(+307円、+1.5%) 4日ぶり反発
  • TOPIX 1,611.4(+21.9、+1.4%) 4日ぶり反発
  • 東証マザーズ総合指数 870.1(+32.1、+3.8%) 6日ぶり反発

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:1,840、値下がり銘柄数:239、変わらず:31
  • 値上がり業種数:30、値下がり業種数:3
  • 年初来高値更新銘柄数:6、年初来安値更新銘柄数:528

東証1部の出来高は22億790万株、売買代金は4兆406億円(概算)となり、いずれも前日より大幅増加となりました。米国株の大幅続落を受けた模様眺めムードが強まると思われましたが、好決算銘柄や売られ過ぎ銘柄を買い向かう動きが主流となりました。

さらに、TOPIXの浮動株比率見直しに伴うリバランスによる一時的な売買も加わった結果、売買代金は4兆円を上回る約5カ月ぶりの大商いとなっています。

そのような中、日経平均株価は底値固めから反発する展開となりました。米国株安を懸念して、寄り付き直後は一時▲113円安まで売られ、再び21,000円割れ目前まで下落しました。しかし、そこから徐々に切り返し、後場に入ると上値を追う値動きとなって4日ぶりの反発で引けています。

ただ、後場の半ばに付けた高値(一時+418円高)からは売りに押された格好となりました。

なお、TOPIXも同じような値動きで4日ぶりの反発となりました。リバランスが行われた割には、上昇率は今一つ小さかった印象です。

東証マザーズ総合指数は6日ぶり反発、売買代金は13日連続の1,000億円割れ

東証マザーズの出来高は7,866万株、売買代金は871億円となり、いずれも前日より減少しました。大型株市場の活況な商いとは体操的に、新興市場は盛り上がりに欠けた商いとなりました。売買代金は13日連続で1,000億円を下回っています。

ただ、下値を拾う動きもやや活発となり、総合指数は6日ぶりの反発となりました。900ポイント回復もまだ時間を要しそうですが、個人投資家の物色意欲の回復が大きなカギになりそうです。

悪材料出尽くしのファナックが大幅高、ロームは残り20分で一気にストップ高まで上昇

個別銘柄では、東京エレクトロン(8035)が一時+7%高に迫る急騰となり、ファーストリテイリング(9983)も大きく値を上げました。

また、前日の決算発表で業績予想を上方修正したコマツ(6301)が+6%超高に急騰して9日ぶりの反発となり、下方修正幅が小幅に止まったファナック(6954)も悪材料出尽くしから大きく買い戻されています。

その他では、寄り付き直後に年初来安値を更新したローム(6963)が、大引け前(14時40分)に発表された上方修正を好感されて一時ストップ高まで買われる大爆騰となったことが注目を集めました。

一方、前日に下方修正を発表した日本ハム(2282)が大幅続落となり、前日に年初来高値更新となった関西電力(9503)も大幅反落となりました。

また、不祥事の影響で今期の大幅な最終赤字転落が発表されたレオパレス21(8848)が、一時ストップ安(▲19%超安)まで売られる大暴落となり、同じく食中毒問題の影響等で赤字転落となるモスフードサービス(8153)も一時▲5%超安の急落となっています。

新興市場では、そーせいグループ(4565)がザラバで8日連続の年初来安値更新となりましたが、その後に買い戻されて終値は上昇しました。また、時価総額が最大のメルカリ(4385)も買い戻されて9日ぶりの反発となりましたが、依然として公開価格(3,000円)を割り込んだままとなっています。

葛西 裕一