株式市場の振り返り-日経平均株価は3日続落、一時+281円高も最後は失速

2018年10月29日(月)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 21,149円(▲34円、▲0.2%) 3日続落
  • TOPIX 1,589.5(▲6.4、▲0.4%) 3日続落
  • 東証マザーズ総合指数 838.0(▲35.4、▲4.1%) 大幅6日続落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:638、値下がり銘柄数:1,402、変わらず:69
  • 値上がり業種数:18、値下がり業種数:15
  • 年初来高値更新銘柄数:4、年初来安値更新銘柄数:551

東証1部の出来高は13億7,332万株、売買代金は2兆5,060億円(概算)となり、いずれも先週末より減少しました。下値を積極的に拾う投資家が多かった一方で、米国株の軟調を懸念した様子見スタンスも少なくなかったようです。売買代金は減少したものの、週初で2兆5,000億円超は相応に高い水準と言えましょう。

そのような中、日経平均株価は下値を探るやや荒い値動きとなりました。寄り付き直後に一時+281円高まで上昇しましたが、その後は上げ幅を縮小して大引け直前には一時▲74円安まで下落しました。最後は若干切り返しましたがプラス転換には至らず、3日続落で引けています。ただ、ザラバ値、終値とも21,000円割れはありませんでした。

なお、TOPIXも同じような値動きで3日続落となりましたが、4日ぶりに年初来安値更新にはなりませんでした。

東証マザーズ総合指数は▲4%超安の急落で6日続落、終値は約2年ぶりの安値

東証マザーズの出来高は1億1,597万株、売買代金は941億円となりました。出来高は先週末より大幅増加となりましたが、売買代金は逆に減少しています。新興市場では引き続き個人投資家の投げ売りが出たと推測され、出来高は1億株を超える高水準の商いでした。ただ、低位株の売買が中心であり、売買代金は12日連続で1,000億円を下回っています。

また、総合指数は▲4%超安の暴落となって6日続落、終値は約2年ぶりの安値水準となりました。今後は引き続き、個人投資家の物色意欲の回復が大きなカギになりそうです。

富士通が急落、場中に下方修正発表の日本特殊陶業は一時ストップ安の大暴落

個別銘柄では、ソフトバンクグループ(9984)、KDDI(9433)、テルモ(4543)などが大幅安となり、リクルートホールディングス(6098)は▲5%超安の急落となりました。

また、先週末に急落したキヤノン(7751)が続落となり、デンソー(6902)、アドバンテスト(6857)、日立建機(6305)などとともに年初来安値を更新しています。ハイテク株では、先週末に決算発表を行った富士通(6702)も一時▲6%超安の急落でした。

さらに、取引時間中に業績下方修正を発表した日本ハム(2282)が後場に入って一時▲7%超安の急落となり、同じく場中の決算発表で下方修正に踏み切った日本特殊陶業(5334)は一時▲19%安の大暴落となるストップ安まで売り込まれたのが目を引きました。

一方、先週末に好決算を発表した信越化学工業(4063)が一時+9%超高の爆騰となる買い戻しになり、同じく決算発表を行った関西電力(9503)も一時+7%高に迫る急騰となって年初来高値を更新しました。

また、ファナック(6954)、ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)、SUMCO(3436)などが大きく値を上げています。なお、場中に下方修正を発表した三菱電機(6503)は、直後に年初来安値を更新するまで急落しましたが、その後に買い戻されて終値は上昇して引けました。

新興市場では、そーせいグループ(4565)が7日連続の年初来安値更新となり、中村超硬(6166)は▲20%超安の大暴落となってストップ安で引けました。

なお、時価総額が最大のメルカリ(4385)は▲5%超安の急落で8日続落となり、公開価格(3,000円)を大きく割り込んだままとなりました。

葛西 裕一