私に「良き母親像」を求める夫や親のプレッシャー、どうすればいいの?

戦わずにかわす方法とは

世の中に根強く残る「良き母親像」。夫や実・義両親などから「良き母親」を求められ、モヤモヤしたり、罪悪感を感じたりするママもいるでしょう。この良き母親像が通用したのは、専業主婦が一般的だった時代。既に当時とは環境が変化し時代も変わったものの、価値観だけが変わらないので苦しみが生まれるのです。

「良き母親思想」は抽象的なもので、正面から戦おうとすると結局は「母親なのに」「母性が足りない」などの目に見えない要素で感覚的に結論付けられてしまうことが少なくありません。時間はかかりますが、正面から戦うよりもうまくかわしながら、自分らしい生き方を定着させることをお勧めします。では、夫と実・義両親に分けて対応法を見ていきましょう。

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「良き母親」に育てられた夫たち

「家事育児は女性の仕事」という家庭で育てられた男性の場合、生まれてからその光景が当たり前だったため、時代が変わっても価値観を変えられない人が多いものです。単純に「自分がやるのはめんどくさい」という人も少なくないでしょう。ただし一人暮らしの経験者も多いですし、周囲の男性が育児家事に協力している世代でもあります。

こうした場合、「諦める」という選択肢を取るのは要注意。何十年間も自分で全てを背負い、我慢し続けることになります。時代とともに家事育児に参加する男性が増え、「何でうちだけ」と不満が溜まり、年をとってから爆発する危険性も高まるでしょう。

家族ですから、家庭内で1人で我慢することはありません。時間はかかりますが、家族全員が心地良い自分たちなりの家族作りを目指しましょう。

言い合いより、毅然とした行動を

話し合いをするとなると、しばしば夫婦げんかにもなることも。言いたいことを我慢するよりは良いですし、お互いを理解するためには適度なけんかも必要でしょう。注意したいのが、「どちらが正しいか」という争いに終わり、肝心の家事育児の分担の話ができなくなることです。

それよりも、まずは毅然とした態度で行動に出ることをお勧めします。「自分はこう思うから、こうする」と、自分のできる範囲内のことをしましょう。優先順位を考え、無理をせずに、できない部分はやらない選択肢を取り、夫には協力してほしいこと、そもそも家事の量を軽減すること、夫婦共に苦手なことは便利家電を購入することなどを提案します。

おそらく夫は文句を言うでしょう。「家事育児は女の仕事」といった抽象論と、「俺の方が正しい」という話が出てくるとそれ以上建設的な話し合いにならないので、冷静な態度で話を止めます。真に受けず、取り合わず、淡々と「自分はこう思うからこうする」と行動し続けるのです。

仕事でお金を稼ぐことも大切ですが、お金を物や価値に変える家事育児も仕事であり、家族全員で担う必要があります。毅然とした態度で行動していくと、次第に相手もあなたを見る目が変わってきます。他人を変えることはできないので、自分を変えることがスタートです。

行動し、話し合いを重ねる中、夫婦で家事育児に優先順位をつけましょう。それだけでなく、「今しかない子育て期間をどう過ごしていきたいか」「貴重な人生の時間を何に使いたいか」「毎日どのような気分で生活したいか」「お互い譲れないもの」などを話すと良いでしょう。

お互いを尊重し、できないことは諦めて、減らす・家電に頼る・やめるといった策を取ってみてはいかがでしょうか。

中庸な態度でありつつ、自分の人生を歩む

実・義両親は母親が専業主婦の多い世代で、「家事育児は女性の仕事」「良き母親像」という価値観へのこだわりを持つ人が多いですよね。

50年以上その価値観で生きてきたのですから、それを変えることはほぼ無理でしょう。それまでの価値観を変えることは、「自分の人生を否定する」ことのように感じる人も。あまり言い争いをしてしまうと、自分を否定されたような気がして余計にこじれてしまいます。

また、女性の場合、「私だって自分を犠牲にして家族のために生きてきたんだから、娘(もしくは嫁)もそうするべき」と、自分と重ねて「良き母親であれ」という価値観を押し付けることもあるでしょう。

この場合、自分の価値観と相手の価値観、どちらかを選択するのは難しい場面もありますよね。彼らの前では「そうなんですね」と言いつつ、普段は自分の信念に沿って生活するほうが良いでしょう。心の中で「彼らは彼ら、自分は自分」という線引きをしておくのです。

初めは難しいですし、「実・義両親の言う通りにしたほうが良いのだろうか」と悩むこともあります。しかし親の言うことを聞くということは親の人生を歩むということで、自分の人生を歩むことにはなりません。精神的に自立し、新たな自分の家庭を作るためにも、自分の価値観を大切にしましょう。

「自分らしい人生を歩むための練習」と思って

様々な意見を家族や友人、会社の仲間からも言われるものですが、あなたの人生はあなたしか歩めません。良き母親像を求められても「自分らしい人生を歩むための練習」と思い、対応していってみてくださいね。

宮野 茉莉子

ニュースレター

宮野 茉莉子

東京女子大学哲学科を卒業後、野村證券を経て2011年よりライターへ。
主な執筆分野は育児、教育、ライフハック、女性の社会問題など。
子どもから大人まで「自分の頭で考える」哲学の面白みを伝えるべく執筆中。禅好きの3児の母。