「年収1000万円」や「年収2000万円」などの給与で外資系企業に転職を考える人は多いのではないでしょうか。今回は外資系企業に転職してうまくいく人とそうでない人の差について考えてみます。

外資系で成功する人の特徴とは

外資系で成功する人にはいくつか共通点があるように見えます。その特徴をあげていきましょう。

  • 「いつも」話しかけやすい
  • 「いつも」話を聞く姿勢がある
  • チームワークを大事にする
  • (帰国子女でも)英語は丁寧にゆっくり話す
  • 海外から東京に来た同僚に親切である

どれも「当たり前だろう」という指摘も聞こえてきそうですが、これらの項目の中で複数を満たしている人物はそれほど多くありません。

外資系で失敗する人のパターンとは

東大や京大、慶應大や早稲田大といった大学を卒業し、海外の有名大学でMBAを取得した地頭の良い人物でも2-3年で退職していく同僚を何人も見てきました。彼らは何が問題だったのでしょうか。

もちろん、外資系企業は個人の成績(パフォーマンス)に厳しいことから、成果が出なければ会社を去らなければならないことがあります。

とはいえ、どんなに優秀な人物でも成果が出にくい状況は誰にでもあります。そうした状況において、日頃上司や同僚などとしっかりとコミュニケーションが取れていないとどうなるのでしょうか。

数年に1度の頻度で景気がスローダウンすることがあります。そうした際に人員削減の話が出ることはよくあります。結果どうかというと、コミュニケーションが上手ではない人から会社を去っていきます。

仮に同じパフォーマンスの人物が複数いれば、コミュニケーションがとりにくい、そしてチームプレーヤーでない人から会社を去っていきます。

さきほど「いつも」話しかけやすい、「いつも」話を聞く姿勢がある、と「いつも」を強調しました。

気分にムラのある人は、同僚も話しかけにくいと思いますが、それは上司も同様です。コミュニケーション下手は「チームプレーヤーではない」という烙印を押されてしまいます。

また、「外資系で?」と意外に思うかもしれませんが、お金(年収や年棒)の話に過度に貪欲な人も景気のダウンターンで姿を消します。

もちろん成果を上げていれば問題ないのですが、それほど大したパフォーマンスが出ていないのに貪欲な人はいます。

もっともそのようなタイプの人には普段はそんなそぶりも見せないのですが、パフォーマンスレビューでそのような一面を見せる人は少なからずいます。

そういう人の中には、海外留学に投じた資金を給料として回収しきれていないとか、子どもの教育費が思った以上にかかっているというような個別の事情があることもありますが、パフォーマンス以上に自分をよく見せてより多くの年収を手にしたいという人は上司から煙たがられます。

外資で評価される年収とはいくらか

外資系金融機関の場合であれば、社内でしっかりと評価されているケースであればベースの給与(サラリー)が年収で1000万円は軽く超えているケースが多いです。中にはこれらのベースに加えて家賃を現金で支給されてもらえる特別待遇なども存在します。ベースサラリーが2000万円近い人もいます。

ただ、かれらの年収はこうしたベースサラリーに加えて、ボーナスが大きな比率を占めます。「ボーナスをベースサラリーの最大XXX%まで支払う」というような契約もありますので、ボーナスがベースサラリーの何倍となる人もいます。

こうしたことを考えると外資系金融機関でバイスプレジデントやディレクターといったポジションで年収が1000万円代の人材はパフォーマンスを十分に上げきれなかったともいうことができます。

外資系の仕事の仕方や転職した会社が自分に合えば、10年も20年も勤務できる場合がありますが、それは稀です。

MBAを取得して入社をしても、思うような結果が出なければ3年目くらいにはいなくなります。不思議と4年目にはいないことが多かったように思います。転職する外資系企業で長く仕事ができない可能性も高い、と考えれば、意識高く「自分は特別だ」と思ったり、必要以上に給与に対して貪欲になるとよくないというのは頭の隅に置いておいてもよいかもしれません。

青山 諭志