老後が定年退職後の60から65歳以降始まると考えれば、40代では、もっとも長ければ25年、もっとも短いケースでも11年あることになります。老後資金をどうのように準備していくかを考えれば、こうしてみてきたように、1年や3年といった時間軸で考えるだけでは十分でないことが分かります。

定年退職間近であれば、資産運用でとるリスク量を減じることになるでしょうが、定年退職後も資産運用は続くことになります。よほどの資産がなければ、全額を現預金にすることは難しいのではないでしょうか。

定年後にそうした状況に直面するという前提に立つのであれば、40代ではある程度リスクをとりながらリターンを目指す選択肢を真剣に検討する必要があります。

「リスクのある資産は苦手」という方もいるかもしれませんが、国内外の株式投資をすぐに始める必要はありません。インデックス・ファンドなどを活用すれば株式投資の専門知識を必ずしも持ち合わせなくとも、投資を始めることができます。

また、40代といっても老後資金の準備のためにリスクをとりたくないという場合には、バランス型ファンドのように様々な資産に分散投資をする投資信託を保有するということもできます。リスクをコントロールするという考え方です。

リスクというと、ネガティブな印象ばかりが強調されるようですが、リスクとリターンはコインの裏と表の関係のようなものです。

長期の資産形成では非課税制度を活用したい

ここまで見てきたように、40代では老後資金を準備するために、老後資金を準備するための時間があることから、有価証券投資を真剣に検討する価値があります。