株式市場の振り返り-日経平均株価は暴落翌日としては鈍い反発に止まる

2018年10月12日(金)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 22,694円(+103円、+0.5%) 反発
  • TOPIX 1,702.4(+0.6、+0.03%) わずかに反発
  • 東証マザーズ総合指数 987.8(+34.9、+3.7%) 大幅反発

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:1,130、値下がり銘柄数:926、変わらず:53
  • 値上がり業種数:16、値下がり業種数:17
  • 年初来高値更新銘柄数:6、年初来安値更新銘柄数:163

東証1部の出来高は16億8,884万株、売買代金は3兆3,416億円(概算)となり、いずれも前日より減少しました。米国NY市場の大幅続落を受け、東京市場でも連日で売り注文が増えた一方、下値を拾う動きも見られました。週末を控えたポジション調整などもあり、売買代金は前日より減ったものの、3兆円を上回る活況となっています。

そのような中、日経平均株価は荒い値動きとなりました。NY発の“世界同時株安”の連鎖が止まらないと判断された前場の半ばには一時▲267円安まで続落しましたが、後場の半ば過ぎには一時+120円高まで急反発する場面が見られました。

結局、3桁の上昇となる反発で終わりましたが、暴落の翌日としては鈍い反発に止まったようです。

なお、TOPIXはごくわずかな反発(ほぼ横ばい)で引けています。中小型株に対する買い戻しはほとんど起きていなかったと言えましょう。

東証マザーズ総合指数は大幅反発、売買代金は再び1,000億円割れの低調

東証マザーズの出来高は5,276万株、売買代金は799億円となり、いずれも前日より減少しました。新興市場では大型株市場以上に様子見スタンスが強まった結果、売買代金は再び1,000億円を大きく下回る商いとなりました。

ただ、売られ過ぎ銘柄を買い戻す動きも散見された結果、総合指数は+4%高に迫る大幅反発となっています。終値は1,000ポイント割れが続いていますが、今後の動向に注目です。

ソフトバンクGや東京エレクトロンが急反発、減益決算発表のローソンは急落

個別銘柄では、ソフトバンクグループ(9984)、東京エレクトロン(8035)、安川電機(6506)などが大幅反発となり、ファナック(6954)やコマツ(6301)も大きく買い戻されました。

また、SUMCO(3436)が+8%超高の急反発となった他、アドバンテスト(6857)や村田製作所(6981)などハイテク株の一角に対する買い戻しも優勢となっています。

その他では、任天堂(7974)やSMC(6273)も大幅反発となりましたが、トヨタ自動車(7203)やホンダ(7267)など自動車株はわずかな反発に止まりました。

なお、相場が暴落した前日に逆行高となったドンキホーテホールディングス(7532)は、一時+10%超高となる連日の爆騰となって、年初来高値を更新しています。

一方、前日に発表した上期決算が減益を強いられたローソン(2651)が▲6%安の急落となり、同じコンビニ株のユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)も▲4%安に迫る大幅続落となりました。

また、小売株ではファーストリテイリング(9983)が大幅続落となり、高島屋(8233)とJ.フロント リテイリング(3086)は年初来安値を更新しています。

その他では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)など銀行株が続落し、三井不動産(8801)など不動産株も冴えない値動きになったことが目を引きました。

新興市場では、ロコンド(3558)が爆騰して年初来高値を更新し、アンジェス(4563)も値を飛ばしました。また、そーせいグループ(4565)やCYBERDYNE(7779)も値を上げ、さらに、時価総額が最大のメルカリ(4385)も大きく買い戻されています。一方、シェアリングテクノロジー(3989)は小幅安になりました。

葛西 裕一