2018年9月21日に行われた、株式会社THEグローバル社2018年6月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:株式会社THEグローバル社 代表取締役社長 永嶋秀和 氏

エグゼクティブ・サマリー①

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永嶋秀和氏:みなさん、おはようございます。本日は足元の悪い中、朝早くからお集まりいただきまして、ありがとうございます。時間が1時間と限られていますし、冊子も厚さがありますので、さっそく始めさせていただきます。

今期の決算の概況、事業実績、今後の事業戦略、それから各社の事業戦略に入っていく流れとなっており、最終的に今期の業績予想というかたちでご説明させていただきます。

それでは2ページになります。2018年6月期の連結決算ですが、売上高が387億4,200万円、前期比23.4パーセント増。営業利益が41億5,700万円、前期比126.2パーセント増。経常利益が32億6,100万円、前期比122.9パーセント増。当期純利益は20億500万円となりました。これは前期比111.1パーセント増となっています。

過去最高益となりましたが、こちらはホテル事業の好調な進捗により、非常にいい成績です。またトピックスとしては、「ディスパースト・ホテル」です。後ほどご説明しますが、京都の5物件のホテルの竣工・引渡しをいたしました。

エグゼクティブ・サマリー②

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3ページにまいります。今期、2019年6月期の予想です。売上高が478億6,300万円、営業利益が42億1,600万円、経常利益が33億9,600万円で予定しています。引き続き3事業を軸に、仕入れの活動をしていくということで、ホテル事業が(売上高)261億9,000万円、営業利益41億9,200万円。マンション事業が売上高87億9,000万円、営業利益5億2,500万円。そして戸建事業が売上高117億7,100万円、営業利益5億5,900万円と予定しています。

連結損益計算書の概況

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5ページ、損益計算書の概況です。申し上げましたとおり、売上高が387億4,200万円、売上総利益が84億5,700万円、営業利益が41億5,700万円、経常利益が32億6,100万円、税引前の当期純利益が32億8,000万円、最終的な純利益が20億500万円となりました。

セグメント別業績の概況

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6ページ、これはセグメント別の業績の概況となりますが、当期はマンション事業が72億2,400万円でした。2017年の期には184億5,200万円となっていました。ちょうどこのころ、仕入れでいうと2016年になりますが、一気に土地が高騰しまして、マンション事業は様子を見ようという判断を下しました。

この72億2,400万円という数字は、(残り)1、2戸程度で、ほとんど在庫もなく、ほぼすべて完売できました。価格が上がっても立地のよいところであれば、マンションは売れるということで、また仕入れを再開している状況です。ホテル事業は、2016年の下期から仕入れを開始して、2018年に売上が上がってきたわけですが、おそらく場所のよいところでは、ホテルの取り合いになるだろうと(考えています)。

ご存知のとおり、インバウンドも増えていますし、ホテル価格などと言われていますが、おそらくこの価格でも、今は安く買えているという判断のもと、2016年・2017年は相当仕込みました。そして、188億2,800万円という売上になったかたちです。

戸建事業は微増なのですが、なかなか利益が出せない状況です。だいたい5,000万円から6,000万円のものを中心に建売を展開しているのですが、利益(を出すの)が少し難しいということです。この後、戦略を説明していきますが、やや苦戦している状況です。

販売代理事業に関しましても、9億6,600万円から4億8,500万円に落ちております。クライアントさん、当社も含めて商品自体も減っていますし、他社も物件が減っているということで、販売代理もやや苦戦気味です。

売れるには売れるのですが、昔のように、オープンと同時に半分売れたといったことはなかなか少ないです。竣工までにぱらぱらと売れていく状況です。

建物管理事業に関しましては、当社の「ウィルローズ」「ウィルレーナ」シリーズの管理というところで、比較的順調、安定している状況です。

連結貸借対照表の概況

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7ページは、貸借対照表の概況です。棚卸資産は(前期比で)63億6,700万円(増加)、有利子負債は100億6,500万円増加しています。総資産が132億5,600万円(増加して)、(前期比)40.6パーセント増です。また自己資本比率は20.2パーセントとなっています。現在は、業績をぐっと上げているところで、売上も上がっていますので、自己資本比率が少し低いかもしれません。しかし、場所を厳選して、よい場所を買っていこうということで(進めています)。つまり、外的要因や土地(の価格)が下がることがあっても、それでも下がりにくい一等地を買っていこうということで取り組んでいます。

棚卸資産の概況

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8ページは、棚卸資産の内訳です。棚卸資産は、2017年が234億5,400万円でしたが、298億2,100万円で、増額63億6,700万円。販売用不動産、マンションが(2017年は)10億1,500万円で、現在は31億1,500万円となっています。先ほど申し上げたとおり、マンションの在庫は2戸だけで、あとは原宿のFOUND HARAJUKUという商業ビルを買っております。これはマンションというカテゴリーの中に入っているため、(数字が)増えている状況です。

また主だったところでいうと、中古再生物件についてで、この後に説明させてもらいますが、極力築年数の古い物件……なかなかお客様が付かない物件を買って、リニューアルして、きれいに内装を整えて売却するという事業を進めている状況です。また仕掛販売用不動産ですが、こちらもそれぞれ微増となっております。

連結キャッシュ・フロー計算書の概況

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続きまして、9ページです。連結キャッシュ・フローの計算書ですが、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナス21億1,200万円。それから、投資活動によるキャッシュ・フローがマイナス30億7,800万円。財務活動によるキャッシュ・フローが98億4,300万円でした。

現金および現金同等物の増減額は46億3,400万円。現金および現金同等物の期首残高は60億9,300万円でしたが、期末残高が107億2,700万円という状況です。財務活動によるキャッシュ・フローで見ますと、水戸と池袋で利回り物件を保有しており、(それによって数値が)増えています。

ホテル事業実績①

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続きまして、2018年6月期の事業実績です。まずホテル事業ですが、「ENSO ANGO」という名前のホテルを運営していくわけですが、ひとまず前期の段階で、5物件の引き渡しを行いました。

「TOMI I」……これは富小路という通りです。京都の場合は通りなのですが、そこに名前をつけて「TOMI Ⅰ」「TOMI Ⅱ」「FUYA Ⅰ」「FUYA Ⅱ」としています。また「YAMATO Ⅰ」といった名前をつけて、ディスパースト(ホテル)を展開していこうということです。

ホテル事業実績 EASO ANGO①

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次のページに行きまして、それぞれの物件でアーティストに入ってもらいました。内田デザイン研究所さんがメインで、そこにアーティストさんを加えてデザインを行いました。あまり派手なものではなく、京都に合ったシンプルなデザインというテーマです。

麸屋町通1(FUYA Ⅰ)は、客室が16室。ビジネスホテルですと100戸など、通常では(部屋数が少ないと)ホテルとしては成り立たないといわれていますが、京都ではなかなか大きい土地は高いですし、(建物を)高くすることもできないため、小さい土地で密集したエリアにたくさんホテルを作ることで運営するというテーマのもと、展開しています。また施設としてはラウンジやランドリーがあります。

隣の麸屋町通2(FUYA Ⅱ)は86室ですが、ここは写真のとおり、畳サロンです。この畳サロンで座禅を組むなどの体験ができたり、お茶会を実施したり……これも裏千家の人たちと提携しています。主にインバウンドをメイン(ターゲット)にしていますので、そういった方に体験してもらおうということでスペースを設けています。またジムもあります。

ホテル事業実績 EASO ANGO②

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次のページです。富小路通1(TOMI Ⅰ)は29部屋で、これはアーティストの日比野克彦さん(が関わっています)。日本で5本の指に入るぐらいのアーティストで、段ボールアートなどをやっている方でして、至るところに日比野さんの作品が展示されています。

長期滞在される外国人の方が多いため、1階に大きなキッチンを備え、自分たちで料理を作って、そこで食事をしたり、パーティーができるスペースを設けています。また富小路通2(TOMI Ⅱ)は、唯一外国人さんをアーティストとして迎え、アトリエ・オイのパトリック・レイモンさんにお越しいただき、デザインしてもらいました。

この方は、パリでルイ・ヴィトンの店舗をデザインしています。外国から来る方をターゲットとするなら、外国人の方にデザインしてもらった方がおもしろいのか、逆に日本人が作ったものが受けるのかという議論もあり、では外国人の方も使ってみようということで、パトリックさんにお願いした次第です。

ホテル事業実績 EASO ANGO③

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続きまして、大和大路通1(YAMATO Ⅰ)という物件です。これは非常に場所がよく、部屋数は23室しかないのですが、バーを設けています。本当に小さなホテルなのですが、泊まった方が食事をしてお酒を飲んで帰ってきて、もう一杯飲んでから寝ようかというときにちょうどよい場を作ることで、人と人の出会い(が生まれるようにしました)。

日本人は、京都へ行くと朝から晩までお寺をひたすら見続けて、ご飯を食べて寝るといった方も多いですが、外国人の方は、午前中だけいくつか決めたところを回って、その後は部屋でゆっくりする長期滞在型が基本になっています。したがって、小さなホテルでも、面積を増やすだけでなく、小さくても共用部分を作って、そのぶん単価を上げていこうと考えました。そして、人と人が出会う場を多く作ることがテーマですので、23室でも1階にしっかりとしたバーを設けております。

またユニフォームのデザインは、安藤明子さんという方(が手がけたもの)です。どのホテルでもこのユニフォームを共通のものとしていこうと考えています。

ホテル事業実績②

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京都以外のホテルについてです。東京エリアでは、東上野プロジェクト。これは当社は携わることなく、開発して運営会社を決めて、そのまま投資家に売却するといった事業です。それから、浅草駒形プロジェクトは、アマネクさんが運営をするのですが、当社が借り上げて、転貸でアマネクさんに提供しています。

マンション事業実績 新築マンション

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こちらのマンションですが、前期は王子・田端・市川1丁目の物件を引き渡しています。市川は比較的早く売れましたが、王子と田端は毎週1戸、月に2~3戸というかたちで、昔のような集客が難しい状況でした。しかし、竣工までには8~9割方は埋めていく状況で、こちらも予定の利益を確保できた物件です。

マンション事業実績 買取再販

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17ページになりますが、こちらは買取再販です。メインで進めていこうということではないのですが、グローバル住販は仲介を行っていますので、古い物件でなかなか売れない物件があったときは、当社で買わせていただき……例えば(スライドの)上のものでいいますと、ほぼスケルトンからやり直しました。約900万円ほどのリノベーション費用をかけ再販した物件です。

極論をいってしまうと、古くてなかなかお客様がつかない物件を買って、中をおしゃれに変えて販売するというかたちで、仲介の延長線上で進めています。競合が多いため、(この事業を)メインで展開していこう、伸ばそうという考えはあまりありません。

戸建事業実績

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次は戸建です。「キャスティア」というブランド名で、狛江や石神井で建売ということで展開しております。大量供給されているビルダーさんに比べて、ワンランク上のものを提供していこうということで進めていますが、販売については、自社販売ではなく仲介業者さんにお願いしております。ワンランク上という差別化により、値段と広さで集客が順調のようです。

社内でも一度販売はチャレンジしています。販売のほうが収益が入るということもあり、現在、今後の建売事業をどういうかたちで進めるかについて、社内でも検討中です。これだけ少子化ですから、郊外に夢の一戸建て、という時代ではなくなってきているのは間違いなく、土地に資産価値のあるものという方向になってきています。

ですから、数は減るかもしれないですが、立地のいいもの……駅近で徒歩10分以内のものや、2LDK程度のもの、ご夫婦だけの世帯のように、マンションと比較したらこの駅近の戸建も検討できるな、というところをターゲットに進めていこうという状況です。

戸建事業実績 収益物件

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マンション・戸建のノウハウで多種構造に対応可能ということで、その土地に最良の収益物件を開発しています。スライドでは全部アパートになっておりますが、当社の強みは戸建、マンション、ホテル、商業ビル、オフィスビルと、すべて手掛けている点です。マンション用地を探したり、それぞれの会社が土地を探すというよりも、ボトムラインをしっかり引いて、その土地に対して何が建てられるのかという考え方をするのが、一番大きな強みだと思っております。

現在は、アパートというと、銀行さんからするといろいろ問題があるかもしれませんが、サラリーマン層の方がキャピタルゲインをとりにいくようなアパートでなく、資産の運用、節税対策、相続対策といった(ことでアパートを購入される)方が、これからかなり増えてくると思います。そこに対して販売していくアパートをつくっていこうと考えている次第です。

販売代理事業実績 建物管理事業実績

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販売代理事業ですが、こちらは自社物件が97戸、他社物件が90戸で、その他仲介等で140戸ということで、327戸の販売を行いました。これからまた新築のマンションを少し増やしていこうと考えております。それから、建物管理事業は順調になってきているという状況です。

事業戦略の概要

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続きまして、今後の事業戦略です。まず既存の事業領域というところで、今はマンション、戸建、商業施設、海外不動産、そしてホテルを開発して売っていこうというところです。

ここにアパートやオフィス、老犬ホーム、民宿の再生、簡易宿泊所型……民泊は木造のアパートなども入ってくると思うのですが、こういったものもスタートしていこうと考えております。老犬ホームにしてもホテルにしても、運営が必要になってきます。また、不動産AM事業は、収益物件を売却すればこれにAMがついてくるということで、このあたりもしっかりと体制を強化していきます。

またマンションの販売は、先ほどもお話ししたとおり、収益があまり上がらなくなってきています。私の時代は、飛び込み営業や、モデルルームをたくさんつくるなどして、厳しい販売をやっておりました。現在はそういう時代ではなくなり、とにかく合理化していこうということで、日本橋のコレド日本橋の隣に総合マンションギャラリーを開設しました。これを、コンパクトマンションを中心に販売していく総合的なモデルルームにしていこうと考えております。

また、先月ぐらいに不動産特定共同事業許可を取得しました。任意型の不特許可を取得しまして、お客さまに小口化で販売していこうということも考えております。これからスタートする状況です。

事業戦略 トピックス

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みなさまもご存知の「みんかぶ」という、会員数が約16万人いる投資家向けメディアがございます。そこと当社で提携を結びました。これによって収益物件の販売と小口化、投資商品の出口戦略を強化していこうと考えております。

小口化のメリットについてはご存知かと思いますが、10億円のものであれば、1億円ずつ10人で買ってもよいですし、1,000万円ずつ100人で買ってもよいわけです。そういったかたちで小口化して販売していきます。これによって、今後は相続者になっていく方がかなり増えていくと思いますが、相続もしやすいです。株や為替、現金も含めて(考えても)、不動産というのは非常に節税効果が高いわけです。節税向けという言い方はふさわしくないかもしれないですが、節税向けの不動産を売却して、お客さまの資産を運用していくようなサイトをつくっていこうということで検討しており、今、スタートを切ったところです。

ホテル市況環境①

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続きまして、エルシードのホテルの開発強化と、都市型コンパクトマンションということでお話しします。

まずホテルに関してですが、国際観光市況需要というデータが出ております。フランスは約8,260万人、米国は約7,586万人、日本は約3,000万人に達しようとしており、今は12位となっています。右のグラフの折れ線グラフを見ていただくとわかりますが、2000年が830万人で、2017年には2,860万人ということで、ここ数年の上がり方が非常に顕著です。

ホテル市況環境②

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政府としては、2020年に4,000万人、2030年には6,000万人といっております。来年はラグビーもありますし、その翌年はオリンピックもあるということで、まだまだ(インバウンドは)増えるでしょう。それから、ビザの発行も緩和され、SNSなどの情報ツールの発達で、海外の情報が身近になっています。また、LCC(の存在も大きい)です。海外旅行にとても安く行けるようになったというのも、(インバウンド増加の)要因になっていると思います。

ホテル開発事業戦略①

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そういう中で、日本のホテルは5~6万円するシティホテルか、またはビジネスホテルで1万円~1万5,000円のホテルしかないというところで、これまでは受け入れ態勢が整っていなかったと思います。シティホテルが40平方メートルくらい、ビジネスホテルが現在だと15平方メートルくらい、もしくはそれ以下かもしれません。

この中間、25平方メートル~35平方メートルくらいのホテルを作っていくことによって、インバウンドの方たちを受け入れていこうと考えています。ブティック型ホテルというところで、先ほどお話しした京都もそうですが、ブティック型ホテルとして、これくらいの広さで展開します。

また、東南アジアのビザが緩和されて大きく(需要が)増えるのは、おそらくデザインドミトリーだと思います。その部分も、京都で一番最初に試したのが9平方メートルのものです。客室が9平方メートルで、2階がカフェになっているのですが、結果的に場所が良かったため、9平方メートルという狭さで1万2,000円くらいの料金です。

京都は今、それくらい高い料金を設定できています。どこまで続くかわかりませが、今のところは非常に順調です。今後は、こういったデザインドミトリーに対しても力を入れていきたいと考えています。

ホテル開発事業戦略②

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京都ディスパースト・ホテルが可能にする、無限に拡がるホテルプロジェクトです。このオレンジのところは、売却が終わったところです。青いところが、もう着工に入ろうとしているところも含めた、直近の動きになります。歩いても、遠いところでも10分くらいの圏内にすべてがあります。

レストラン、ラウンジ、バーはどのホテルにも付いていますが、ゲストキッチン、茶室、サロン、ジム、さらにはエステも計画しています。あとはギャラリーで、日本の作家さんを決めて、1ヶ月ごとにギャラリーを展開していこうと考えています。

あとは、ショップ、ライブラリー、工房、オフィスといったものをどんどんホテルに取り込み、どこの施設を使ってもよいというホテルにしていこうと考えています。

ホテル開発事業 予定物件

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29ページになります。現在の京都の開発状況などですが、1から3までは稼働中です。4から8までが10月15日にオープンするディスパースト・ホテルです。これに加えて、その9の清水五条は、不動産として売却していますが、その後の物件もこれだけ今、仕込みが終わっています。

とにかく、少し歩けばホテルがあるというかたちをとっていきたいと考えています。無限ということはないですが、これらを合計すると約1,000室。今のところの予定としては、もちろん途中で変更はありますが、2,000室くらいまでは進めていきたいと考えています。京都のホテル市場において、当社がもっとも部屋数を持っている状況にしたいと考えています。

ホテル事業 開発予定物件と地方主要都市

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続きまして、30ページになります。今後の京都以外のものでは、蒲田プロジェクトがあります。これが2019年6月、今期引き渡しになります。それから、浅草花川戸プロジェクトです。これは浅草寺を見下ろすかたちになるのですが、これも取得済みです。それから、広島駅の駅前にある再開発エリアの南区プロジェクト。そして、長崎の本石灰町プロジェクト。これは思案橋という、長崎では中華街の脇あたりの繁華街ですが、ここでも仕入れ予定となります。今後は、札幌、沖縄、金沢、仙台も含めて進めていきたいと考えております。観光の問題、地震の問題などは、あらためてリスクだとは考えていますが、そういうことがあっても選んでもらえるような、差別化したホテルを展開していこうと考えています。

ホテル事業 トピックス

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続いて、31ページです。こちらはすでに運営しているホテルで、言い方が難しいですが、実験的に実施してみたホテル「TABIYA HOTEL」です。これがうまくいくということで、ディスパースト・ホテルを進めていったわけです。ともにコンバージョン(用途変更した開発)ですが、オフィスビルを「GOZAN」というホテルに変えたものであり、こちらは全国住宅産業協会から優良事業表彰を受賞しています。

ホテル事業トピックス 老犬ホーム&ペットホテル

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次のページです。また、当社の引き出しの多さということで、これは目黒区の洗足から徒歩1分の場所に、小さなビルを購入しました。オフィスとして貸し出せば、7パーセントの利回り物件ですが、ホテル事業を展開していく中で、ペットのホテルもどうかということで、現在試している状況です。

本格的なオープンは年末になると思いますが、こちらは5つ星の「STAY」をコンセプトにしています。(スライド)左にあるとおり、高齢飼育者と高齢ペットという問題が起こっています。こういうエリアですから、自分がかわいがるくらい、(自分のペットを)かわいがってくれるところであれば、預けたいという需要があります。普通のペット店さんでは、高齢の犬はなかなか預かってくれません。

そこで、24時間対応でやってみようということでスタートしました。ウォーターミルといいますか……犬が水の中を歩いて筋力アップしたりします。もう歩けなくなる、その前の段階から来ていただいて、足腰を鍛えてもらって、健康に過ごしてもらう、いわゆる犬のスポーツジム的なものを地下に設けています。

その後、(介護が必要になったら)上の介護施設に入ってもらうということで、需要に応えてスタートした施設です。これも、当社の引き出しの多さの1つではないかと考えています。

マンション市況環境

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33ページのマンションの市況です。供給数は2年連続で増加しています。土地・建築費の高騰は相変わらず続いていまして、高値で推移していますが、販売市況は比較的好調な印象があります。先ほど申し上げたコンパクトマンション……単身者またはご夫婦だけという世帯の需要が非常に高いです。また場所がよいものは、比較的高くても販売が好調です。

マンション事業戦略

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やはり少子化ということで、ライフスタイルの価値観の変化というところでいくと、時間の削減が大きく、住職近接を重視している方が多いです。車を持っていない方も多いです。(スライド右の表は)これまでの「ウィルローズ」「ウィルレーナ」シリーズ……当社の30平方メートル~50平方メートルの(マンション)購入者分析一覧です。2016年・2017年・2018年とありますが、2016年の1LDKに関しては、32戸、独身女性100パーセントです。少し広いものでも、(独身女性の割合は)60パーセント台です。おそらく、お子さんのいないご夫婦(同様)ということで、このあたりの需要が非常に高いため、ここに特化して進めていこうと考えています。

マンション事業 開発予定物件

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こちらは、すでに着工して、販売に入っているマンションの事例です。この「ウィルレーナ東十条」は、商店街もよいですし、駅から徒歩7分です。京浜東北線沿線で、単身者向けのものがメインとなっており、1階にはフィットネスルームも用意しています。これが「ウィルレーナ」というブランドで、ややコンパクトなものです。

また、ファミリー向けのものは「ウィルローズ」というブランドです。これは小岩で展開しており、こちらもスタートしたところです。集客は比較的順調で、1階にパーティールームを設けています。キッチンスタジオやライブラリがありまして、共用施設を充実させようということで企画した物件です。

ホテル運営事業 市場

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続きまして、ホテルマネジメントのフィービジネスの確立です。2030年で1万室。これは1つ、大きな目標として立てています。(スライド)左にあるとおり、東横インさんが5万室。アパさんが3位で3万5,000室ですが、提携しているものを含めると5万6,000室あるようですし、現在着工中のものを含めると7万室を超えているという話も聞いています。先ほど申し上げたとおり、ここでブティックホテルとして1万室を目標に、数を伸ばしていこうと考えている次第です。

ホテル運営事業戦略

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当社はまだホテル運営の実績がないものですから、他社が建てているものを運営したいといっても、なかなか受託できません。その中で、今は開発、売却してリースバックするかたちで運営していく方法しかありません。まずは、よいパートナーを探して、そこに出資させてもらい、当社の人間が入って勉強させてもらっているという状況ですが、こういったかたちでホテル事業もどんどん進めていこうと考えています。

数年後には、できれば自社保有であったり、売却するものは売却するといったかたちで、はっきりさせられる状況にしていきたいと考えています。

戸建・収益アパート 市況環境

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次はグローバル・キャストに進みまして、戸建です。消費税が来年9月に上がることになりますと、駆け込み需要はあるのかなと思います。前回(消費税が)8パーセントに上がった際、その時期から売れ行きが非常によかったのですが、(現在は)さほどそういった印象がないため、戸建は今、非常に厳しいと考えています。

東京のところを見ていただいてもわかりますが、建物面積が大きくなっています。家族数が少ない方で、戸建が欲しい方はかなり減っているのではないかということで、戸建も様子を見ながら、駅近のよい物件を厳選して買っていこうと考えている次第です。

戸建・収益アパート 事業戦略①

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次のページは戦略です。実需の戸建は、建売から売建にシフトということで、ここまでは土地が非常に高騰していますので、時間的にゆっくり販売できれば比較的損はしないのですが、自社施工ということもあり、ビジネス的には回転率なども考えてしまいます。建ててしまうと建ててしまったで、1ヶ月~2ヶ月の間在庫になるとなかなか売れないこともあり、建築確認を取得した時点で販売にかけ、極力お客さまの要望を取り入れていこうと考えています。

以前は、ハウスタイルということでかなり自由度が高かったのですが、それだとほぼ注文住宅になってしまうため割に合いません。そこで、確認のかたちは変えず、中の内装の色や、間仕切りを取る程度の簡単なものは対応するという販売に変えていこうと考えています。

また、現在新宿には本店がありまして、町田・浦和・錦糸町と(支店が)あるのですが、場所のよいものを買っていこうということで、とにかく仕入れを強化していくことを考えています。

また工事部ですが、これから売建になっていくことを考えると、工事もスケジュールが立たないということで、他の法人さんのアパートまたは戸建を請負っていくことで、独立して採算がとれるかたちを目指しています。

戸建・収益アパート 事業戦略②

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4番、実需戸建だけでなく投資用不動産へ、というところです。こちらも相続税の基礎控除の改正があり、5,000万円から3,000万円になりました。あと、1人あたり1,000万円から600万円になったということで、10年後、15年後で考えると、今後この団塊世代の方たちが事前に相続対策しておこうという話になると思います。そのときに、不動産はものすごく節税効果があります。

その意味で、集合住宅の需要は増えるだろうと思っています。サラリーマンによるキャピタルゲイン狙いのものではなく、節税対策のものに取り組んでいこうと考えています。それを、(スライドの下に記載している)5番、みんかぶさんと組んで進めていこうという話です。

販売事業 トピックス

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販売事業についてですが、先ほど申し上げたとおり、COREDOの隣で、当社のマンションギャラリーを展開しています。こちらは、どんどん合理化して進めていこうと考えています。

管理事業 トピックス

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また、コミュニティサポートの充実についてです。何よりも顧客の方の満足感なしに会社の成長はないという理念のもと、(物件を)買っていただいたお客さまで、まず入居していただいたら入居者パーティー、さらにハロウィンのイベント、また全体で千葉に集まってグローバルまつりを開催しており、お客さまとのコミュニケーションもしっかりとってやっていこうと考えています。

連結業績予想①

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2019年6月期の業績予想です。売上高は478億6,300万円、前期比23.5パーセント増。当期純利益は22億5,600万円を計画しています。

連結業績予想②

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マンション事業は、現在は仕込みをがんばっているところですが、今期も慎重に仕入れを行っていましたので、マンション事業の売上は87億9,000万円(計画しています)。ホテル事業は、京都の物件をたくさん買ったこともありまして、261億9,000万円となっています。それから、戸建事業については117億7,100万円を予定しています。

以上で、ご説明を終わらせていただきます。

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