「家事育児は女性が」と「女性も仕事を」の板挟みがツラい!

これからの家事・育児・仕事と家電とのつきあい方

昔からの「家事育児は女性の仕事」という価値観と、近年の「女性も仕事をすべき」という価値観の間にはさまれる現代の女性たち。2つの価値観のはざまで苦しみ、「どっちを優先したらいいの?」と疲れ果てていないでしょうか。

新旧の価値観が入り混じる今の時代、便利家電が出ても「機械に頼るなんて」と言われ、専業主婦を希望すれば「働かないなんて」と言われる時代です。そんな相反する価値観に悩むあなたに、これからの家事・育児や仕事と、便利家電への考え方をご紹介します。

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仕事だけでも価値観は千差万別

「女性が家事育児をすべき」「女性も仕事をすべき」など、「~べき」「~ねばならない」という価値観には根強いものがあるようですが、何をしたいかは人によって異なります。たとえば3児を育てる筆者の周りのママたちに話を聞くと、仕事に関していえば以下のような意見が出てきました。

  • 「妊娠しても仕事を辞めず、産休をとって復職」
  • 「平日は働いて子どもを保育園に預け、休日子どもと遊ぶくらいの距離感が自分にはちょうどいい。平日も子どもと1日中一緒なんて信じられない」
  • 「しばらく専業主婦予定だったけれど、産後に向いてないと気付き、すぐに復職した」
  • 「バリバリ働きたいから、夫が専業主夫」
  • 「子どもとの時間も欲しいし、仕事もしたいから、フリーランスになった」
  • 「子どもが小さい間に下準備して、起業した」
  • 「子どもが小さい間に資格をとって、手に職をつけた」
  • 「今仕事をしていて、子どもが大きくなったら大学院に行く予定」
  • 「子どもが小さいうちは専業主婦で、下の子が小学校に上がったらパートで働きたい。正社員より、パートで働くくらいが自分にはちょうどいい」
  • 「家族をサポートするのが好きだし、家事も育児も楽しい。今は共働きが多いけど、私には専業主婦が合ってる」

人によって、これだけ価値観はバラバラなのですね。中でも多いと感じるのは、仕事を辞めずに産休をとって復職する人と、しばらくは専業主婦でいていずれパートで働くという人。筆者が中国地方に住み子育て支援に携わっていたときは、起業をされる方も多くいました。

他人には評価する権利も、意味もない

上記のように様々な価値観がありますが、他人である私たちには、それを評価したり、非難をする権利はありません。なぜなら、彼女たちは「自分にとって何がベストか」をわかっていて、それを実践しているからです。

「何が正しく、ベストか」は、人や環境によって異なるものです。性格や趣味嗜好が異なればその人にとっての正解は変わりますし、価値観も時代の流れによって180度変わることさえあります。大切なのは「その時の自分なりの価値観」と向き合い、それを軸として行動することでしょう。

また、他人が非難したところで、その人の価値観も行動も変わるわけではありません。お互いに嫌な思いをするだけなら、人生の貴重な時間をそこに費やすのはもったいなくないでしょうか。「過去と他人は変えられない。未来と自分は変えられる」と心理学者のアドラーは言いましたが、他人よりもまずは自分がどう生きるかが大切でしょう。

「機械に頼るなんて…」は、機械とメーカーの方々に失礼?

価値観は様々な一方で、妻であり母である私たちが考える必要があるのは「家事を便利にする家電との付き合い方」です。まだまだ食洗器やロボット掃除機、乾燥機付き洗濯機などを使用することを、「悪いこと」「罪悪感が残る」「今までなくても済んだのだから買う必要はない」と否定的に感じる人も少なくないかもしれません。

しかしもっと昔は服は洗濯板で洗っていましたし、掃除もほうきや雑巾のみでした。それと同じように、食洗器やロボット掃除機、乾燥機付き洗濯機なども、いずれ「家にあって当たり前、ないなんて考えられない」と思うようになるでしょう。

また、機械に否定的な感情を持つことは、機械と、それを作り販売する会社の方々に失礼ではないかとも感じます。その機械を発明し、部品を作り、販売する人々は、「この機械が人々の生活を豊かにする」ことを願い、日々仕事をされていることでしょう。機械を否定するということは、その方々の思いや頑張りをも否定することになります。

機械を導入すると、生活が変わります。家事の負担が減り、気力・体力・時間ともに余裕が生まれ、「私ばかり家事の負担が大きい」といったストレスも減るでしょう。人間は変化を恐れるところがありますが、AI(人工知能)すら家庭に入りつつある今、機械との付き合い方をもう一度考えてみてもいいのではないでしょうか。

「自分の中の誰か」と戦う

自分では「こうしたい」と思って行動しても、「やっぱり家事は丁寧に」「女性が育児すべき」といった考えにとらわれ、罪悪感を感じることもしばらく続くでしょう。「自分の中の誰か」が、変わることを止めようとするのですね。

「自分の中の誰か」とは、自分の親であり、親世代の考え方です。その価値観の下で育っていますから、どうしても縛られてしまうのですね。

しかし親と育った家からは既に出て、新たな家族を作ったはず。もうあなたは子どもサイドではなく、親サイドとなり、家族の舵を取る主役です。「自分たちなりの家族の形」を築いていく必要があるのです。

どんな家族でもすぐにできあがるわけではなく、試行錯誤しながら、ゆっくり家族になっていくものです。他人や親時代の意見とは別れを告げ、新たな自分なりの家事・育児・仕事の仕方を模索していきましょう。

宮野 茉莉子

参考記事

宮野 茉莉子

東京女子大学哲学科を卒業後、野村證券を経て2011年よりライターへ。
主な執筆分野は育児、教育、ライフハック、女性の社会問題など。
子どもから大人まで「自分の頭で考える」哲学の面白みを伝えるべく執筆中。禅好きの3児の母。