不動産の資産価値を、AIを使った査定で一目瞭然にする

不動産投資は、いまや資産形成の手段のひとつとして多くの人に活用されている。個人でアパートや区分・一棟マンションを所有して家賃収入を得るサラリーマン大家や専業大家は珍しくないし、ポートフォリオの分散を目的に不動産を持ち、リスクをヘッジする法人も多い。毎月入ってくるインカムゲイン(家賃収入)などが魅力の投資法として根強い人気がある。

しかしその名の通り、不動産への「投資」であるため、元本は保証されず、損をするリスクを覚悟しなければならない。誰もが不動産オーナーとして成功できるわけではないのだ。

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その成否には物件の立地・築年数・周辺環境などさまざまな要素が絡んでおり、見誤れば失敗することもある。価格が手ごろで、一見すると高利回りの物件でも、入居者を確保できないと十分な家賃収入は得られず、金融機関にローンの返済ができない。また、築年数の経過に伴い、建物や設備が古くなって家賃の引き下げを求められ、返済計画に狂いが生じることもある。魅力が多い一方で、失敗するリスクを常に内包している投資法といっていいだろう。

失敗する原因については、不動産投資に特有な事情があるという。「そもそも不動産投資が抱える情報の非対称性や、得られる指標の少なさが、失敗につながる要因です」と指摘するのは、首都圏を中心に不動産ソリューション事業を展開する株式会社コスモスイニシア ソリューション本部統括部カスタマーリレーション課の高橋元章氏だ。

不動産業界にある「情報の非対称性」

「株式投資であれば、株価をはじめ、ROIなど投資判断に役立つ数々の指標があり、これらを参考に銘柄を選ぶことができます。いまはネット上にたくさんの情報が公開されていて、専門家に頼らず株で利益を上げている方もいるでしょう。

対して不動産業界には情報の非対称性があり、不動産会社が持つ情報を投資家は持ちえないことが多い。結果、投資家は物件価格や利回りといった数少ない数値を指標とするか、営業担当者などに相談するかで売買の判断を下さざるを得ません。株式投資に比べて、不動産の投資は合理的に判断しにくいというのが実情です」(高橋氏、以下同)

確かに、一棟不動産オーナーや購入検討者が、物件を選ぶ際に参考にできる情報は、物件のエリアや価格、間取りや設備、収益性などに限られていて、かつ、それらはあくまで「過去」の情報だ。物件を購入後に資産価値や稼働率、家賃収入がどのように変化していくかまではキャッチしきれない。

また、節税の目的で投資する人、長期にわたって賃料収入を得たい人など、投資の目的や状況に応じて適した物件を提案してくれる営業担当者がいれば成功への確度は上がるだろうが、適切な相談相手に巡り合えるかどうかもわからない。こうしたリスクがリスクのまま放置されているのが、不動産投資の世界と言えるだろう。

不動産の将来価値をAIで予測

魅力的な資産形成の手段でありながら、不確実性も多分に含む不動産への投資。投資家が安心して取り組めるようになれば市場はさらに拡大し、投資家と不動産販売・仲介会社の双方にメリットをもたらすに違いない。そこで、いま注目されているのが、コスモスイニシアが一棟不動産オーナー・購入検討者向けに2018年2月から提供を開始した、業界初(*)となる一棟投資用不動産AI診断サービス『VALUE AI〈バリューアイ〉』だ。

前出の高橋氏はその魅力をこう語る。「『VALUE AI』は、ウェブサイトから新規ご登録いただければ、現在は首都圏の一都三県や愛知県、大阪府、福岡県といった一部大都市の一棟投資不動産を対象に、人工知能(AI)による不動産価値の将来予測と投資プランシミュレーションが無料で行える新サービスです」

*コスモスイニシア調べ。一棟投資用・賃貸不動産を対象。2018年2月時点。

同サービスのトップ画面(画像提供:コスモスイニシア、以下同)

コスモスイニシアは、首都圏を中心にマンションや一戸建を販売、さらには投資用・賃貸不動産の売買・運営なども手掛ける国内大手デベロッパー。現在は大和ハウスグループのひとつに数えられる。そんな同社が、デベロッパーという立場のまま、一棟不動産オーナー・購入検討者のためのソリューションを新たに始めたということだ。

「当社ではもともと、専属コンサルタントが、お客さまの不動産や賃貸経営の現状をさまざまな角度から客観的に分析・診断する、無料会員制のコンサルティングサービス『不動産健康診断サービス』を提供してきました。サービス向上を図るため会員の皆さまからご要望などをいただく中で、『物件査定の非透明性を解消してほしい』『投資シミュレーション機能があると便利』といったご意見があり、これが『VALUE AI』開発のきっかけになりました」

営業担当者の実感も加味してより現実に即した査定

『VALUE AI』は、不動産投資テックベンチャーの株式会社リーウェイズが開発したAIによる物件査定システム「Gate.」をベースに、コスモスイニシアが独自にカスタマイズしたもの。約5800万件に及ぶ膨大な不動産データとAIを駆使し、現在の不動産価値や任意で設定する購入から売却までの保有期間の利回りをスピーディに算出できるという。主な特長は次の通りだ。

・ウェブ上で完結できるため、時間や場所を問わず、気軽にかつ短時間で結果確認が可能
・マルチデバイスに対応
・保有不動産を登録することで、ポートフォリオのグラフ化が可能
・投資プランシミュレーションが可能
・賃料の変動率、稼働率、売却予想価格などの将来予測が可能
・収益性、安全性、将来価値など、資産価値の多角的な投資パフォーマンスの分析が可能
・初めての人でもわかりやすい画面設計と簡便な入力システム

高橋氏は『VALUE AI』の性能に自信を示す。「リリースにあたってはユーザーインターフェースの改良、PCだけではなくスマホへの対応など、独自のカスタマイズを加えました。区分所有では似たようなソリューションはありますが、一棟投資用不動産では業界初の試みです」

『VALUE AI』がこれまでのサービスと異なるのは、「物件情報」「運営情報」「ローン情報」「土地・建物の費用割合」といった、一棟不動産オーナー・購入検討者が取得できる情報を入力するだけで、不動産の査定や投資プランシミュレーションが自分で行える点だ。

また、物件の査定価格は過去のデータをもとにAIが算出するが、「リアルタイムの相場も反映させないと、最適な購入・売却タイミングを計れないと考え、営業担当者の相場観も取り入れて価格を導き出すようにしています」と高橋氏は説明する。『VALUE AI』は膨大な不動産データ&AIといったテクノロジーと、同社が培ってきた人によるノウハウを組み合わせた、ハイブリッド型の不動産投資ソリューションと言えるだろう。

『VALUE AI』の物件登録画面。不動産仲介会社等の利用は断っているとのこと

例えば、2000年時点で築10年の物件があったとしよう。現在は、そこからさらに18年が経過していることから、AIは「資産価値は低下している」と判断した場合に、営業担当者には「直近では不動産投資市場の活況により築古物件の相場が上がっている」という実感があれば、その要素を加味するのだ。「AI+人」により、現実に即した査定が実現するので、売買タイミングを間違えずにすむというわけだ。

物件の「内部収益率」もわかる

高橋氏はこう付け加える。「さらに、『VALUE AI』の大きな強みは、不動産会社が重視する『IRR(内部収益率)』がわかることです。これは物件を所有している期間で得られる平均的な利回りのことで、これを把握することによって適切に投資判断を下せるようになるのです」

仮に1億円の一棟マンションがあるとして、10年後の資産価値は8,000万円になるとしよう。これだけの情報では売買するかどうかを決めにくいが、利回りが5%で推移するなら10年間でトータルの家賃収入は5,000万円、この時点で売却すれば3,000万円のプラスになる。すなわち、IRRは3%ということだが、『VALUE AI』を使えば、こういったことが自分1人で入力・操作するだけですぐにわかるという。かつ、賃料変動率や稼働率といった諸条件はその時々のリアルな状況を参考に任意に変更がかけられ、それぞれの結果を保存できるので、投資プランシミュレーションの比較が可能。多角的な視点で投資判断を下せるという。

実際のシミュレーション画像(画像のサンプルは全てシミュレーション物件のもの)

このように、いままでは手に入りにくかった投資における重要な指標を、膨大な不動産データとAIを活用することで個人でも算出可能にしたのが、この『VALUE AI』だと言える。

「不動産の価値が“見える化”するので、査定やシミュレーションの結果をもとに、コンサルタントや営業担当者に相談すれば、彼らのリアルタイムの相場観も加わり、投資の精度はさらに高まります。従来の手法に合わせてお使いいただければと思います」と、高橋氏もアドバイスする。無料のサービスでもあり、興味を持った読者は、一度、同サービスに触れてみてはいかがだろうか。

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2005年創業。ビジネス書・実用書を中心とした書籍出版や企業出版、メディア・コンテンツ事業、デザイン制作事業などを手がける。

主な刊行書籍に、20万部突破の『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』をはじめ、『特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ』 『起業家のように企業で働く』 『すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術』 『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』 『自分を変える習慣力』 『鬼速PDCA』など。