お金がなかなか思うように貯まらない...。もっと節約できる気がする...。お金の悩みは尽きないですよね。お金のプロに聞いてみたいけど、そんな機会もなかなかないという人も多いと思います。そこで今回は、現役金融アナリストやファイナンシャルプランナーとして金融機関で働くお金のプロに話を聞いてみました。彼らが実際にやっている節約術や貯金術をご紹介します。

レシートをまとめて家計簿代わりに

ある日本株の女性アナリストに話を聞いたところ、「家計簿なんて忙しくてつけていられないから、レシートをまとめて家計簿代わりにしています」と言う話がありました。彼女だけでなく、旦那さんもそうしていると言います。

お互いにレシートを入れる箱を用意しておいて、毎晩仕事から帰ってきたらそこにレシートを入れておく。週末にまとめて集計してみて、使い過ぎのチェックや無駄な出費を反省すると言います。主に彼女のほうがまとめる作業をしているようですが、彼女が週末出張したりしていると旦那さんがやってくれているときもあり、お互いそれが習慣になっていると言っていました。

また、その際に大きな買い物の相談をしたり、貯金の目標などの確認をするとのこと。コミュニケーションもしっかりとれていて、非常にいい関係ですよね。レシートの金額を計算して、お互い何にいくら使ったか、どちらに無駄遣いが多かったか、ちょっとした工夫で節約できたお金はなかったかなどを検証するようです。

忙しい毎日の中で”家計簿をつけなきゃ”と思うと、かえってストレスになったりするもの。無理なく続けられることを、できる範囲で続けるというのが正解かもしれませんね。

お金を使わないライフスタイル

ある男性アナリストは、メリハリのある出費を心がけていると言います。「会社では絶対0円で過ごすと決めている」とのこと。

その徹底ぶりもすごく、飲み物はウォーターサーバー、会社の無料の食堂を利用し、食後のコーヒーも魔法瓶のタンブラーに入れて持参。小腹がすいたときのおやつは健康のためにもやめているので、会社にいるときは全くお金を使わないのだそう。夕食も、遅くなるときは会社の社食で済ませます。

そんな生活で、平日は仕事も忙しく帰りが遅くなることもあるため、飲み会などの頻度は多くないと言います。しかも、職業柄懇親会やちょっとしたパーティーのようなものに出かけることもあり、上司との飲みニケーションもそれで済ませるのだそう。

会社の人とは普段の仕事の中でコミュニケーションをうまく取ればいいと割り切っているため、会社で飲みに行くことは全くなく、終業後はプライベートの付き合いがある人と過ごすとのこと。奥さんやお子さんはもちろん、スポーツサークルで普段からともに体を動かす仲間と飲み会をやったり、学生時代の友達と飲みに行ったりしているそうです。

このように、平日は夕食まで会社で済ませれば0円、飲み会も月1~2回ほどで済むそうですが、土日は自分の趣味のスポーツやお子さんのスポーツクラブの応援、奥さんとの買い物で過ごしているため、それほど節約を意識することはないようです。

ただ、お子さんのスポーツの応援も自分の趣味も、たくさんのお金がかかるものではなく、出費はかなり抑えられている様子。お酒やたばこも、「昔上司に、お酒やたばこは頭をダメにする。頭を使う仕事をしているんだからちょっと考えなさい」と言われて辞めたそうです。彼の場合は、ライフスタイルそのものが「お金を使わない」スタイルなのだと感じました。

会社で0円で過ごせとは言いませんが、仕事をしている自分を甘やかしてカフェでちょっと高いコーヒーを買ってみたり、小腹がすいたとおやつを買ってみたりする人も多いと思います。そういう人は、まずそういう無駄な出費をやめて、必要ならば家から持参することを考えてみてはいかがでしょうか。

人にアドバイスすることでわかった自分の改善点

普段は人の家計を診断し、アドバイスする仕事をしているファイナンシャルプランナーの女性も、実はもともと「貯金できない女」だったと言います。「金融機関に勤めている身でお金が貯められないなんてと思い、必死で色々と勉強しました」と笑います。

もともと彼女は銀行の営業として勤めており、ファイナンシャルプランナーとは少し違う内容の仕事をしていたようです。しかし、30代間近になって給与もそれなりにもらっているにもかかわらず、お金がほとんど貯まっていない自分に焦って、CFP(Certified Financial Planner)の資格を取ったとのこと。

「金融機関に勤めていると、飲み会などで『どうやったらお金が貯まるの?』とか聞かれるんですよね。金融機関勤務っていうだけで。金融機関といえども、ファイナンシャルプランナーみたいな仕事はしてないって言ってもなかなかわかってもらえなくて、はっきり答えられないのも嫌でした」というエピソードも。

余談ですが、確かに筆者も金融機関勤務だというだけで、「お金が貯まらない! 私の生活のどこがダメなのか教えてほしい」とか「貯金のコツを教えて」と言われることがよくあります。そう言われても、普段から色々な人の家計を見て、アドバイスをしている人でないと適切に答えるのは難しいものです。

そんな彼女がCFPの資格を取り、転職してファイナンシャルプランナーとなり、実際に様々な世帯の家計を見ながら、ローンの借り換えや保険の見直しを提案したりするうちに、自分の家計の悪いところが見えてきたのだそう。

「私は圧倒的に『自分のスキルをカバーするための出費』が多いと気付きました」と言う彼女。「たとえば、代表的なのが料理。自炊が全くできなかったから、コンビニか外食しか選択肢がなかった。料理教室に半年通って、料理の基本を学んで自炊するようになり、かなり食費が抑えられました」と言います。

確かに、週末5000円の買い物で自炊すれば1人暮らしだと十分すぎるくらいです。お弁当もできてしまうかもしれませんね。しかし、外食だとそうはいきません。1週間、お昼も夜も外食となると1回1000円だとしても1万4000円の出費になってしまいます。それが、自炊すれば約3分の1に食費が抑えられるんですよね。

また、「あとはクリーニングに出すことも多かったです。洗濯物のちゃんとした干し方を知らなかったし、アイロンも面倒でした。シミ抜きの方法も知らず、なんでもクリーニング屋さん頼みでした」と言います。

こういった家事スキル不足を、お金で埋めている人も意外と多いのではないでしょうか。ちょっとコツを身につけるだけで節約できるお金もたくさんあるので、一度「当たり前」だと思っていたものを見直してみましょう。

まとめ

いかがでしたか。お金のプロも最初からお金の使い方が上手だったわけではありません。自分のやり方をお金と向き合いながら考えてきた結果なんですよね。ぜひ今日からお金の使い方を見直してみてはいかがでしょうか。

大塚 ちえ