はじめに

職場ランチの習慣がある会社、というのをちらほら耳にすることがありますが、内心、上司や同僚と集まって食事をするのは苦手と思っている人も少なからずいるのではないでしょうか。一緒に食事をする相手によっては、会話の内容に困ってしまうこともあります。この記事では、職場のランチタイムをどのように過ごすかについて考えてみましょう。

目次

1. 職場ランチに行くときに気をつけること
2. 職場ランチの会話で困ったら
3. 職場ランチをデスクで食べるときには
4. 職場ランチが面倒なのはなぜ?
5. 職場ランチは上手に断ろう
6. 職場ランチは一人でも大丈夫?
7. 職場ランチに疲れたときの対処方法

1. 職場ランチに行くときに気をつけること

上司や先輩など、立場が異なる人と職場ランチをするときには、まずビジネスマナーを意識したほうがよいでしょう。同僚だけでランチをするという場合には、失礼がない程度の社会常識を持って接していれば、あまり問題にはなりませんが、上司や先輩と一緒というときには、目上の人に対する基本的なマナーをおさえておかないと、ビジネスパーソンとしての評価や、職場での居心地の良し悪しにかかわってくるかもしれないからです。

席の位置

テーブルを囲むときには、上座に上司や先輩を通しましょう。通常は入り口から遠い席が上座になると考えていれば大丈夫ですが、店内や部屋のレイアウトによっては、そうではないこともあります。ケースバイケースで対応しましょう。なお、すでに席についていたときに、後から上司や先輩が来たという場合、そのまま座ると自分のほうが上座になってしまうというときには、席を譲るようにしたほうがよいでしょう。

選ぶ料理と食べるタイミング

料理を注文するときには、上司や先輩が頼んだ料理と同じタイミングで食べはじめることができるよう、できるだけ同じものを選ぶに越したことはありません。食べられないものがあるなど、異なるものを頼まざるをえない場合、自分の料理が先に到着したら上司や先輩の料理が届くまで、箸をつけるのを待ちましょう。なお、自分の料理が遅れている場合には、「お先にどうぞ。」と周囲に勧めるのがマナーです。

上司や先輩とは別に職場ランチに行く場合

上司や先輩と一緒ではないけれど、自分だけが誰かほかの人と外に職場ランチに行くというシチュエーションもあるでしょう。その場合は「食事に行ってきます。」など、食事に出ることについて、一言断りを入れてからでるようにしましょう。休憩時間とはいえ、何処にいるのかわからない状態では、緊急の用件などがあったときに周囲に迷惑をかけてしまうかもしれないからです。

2. 職場ランチの会話で困ったら

いつも同じようなメンバーで職場ランチをしていると、話題が尽きて会話が続かなくなることがあります。一方で、いつものメンバーに上司や先輩が加わることで、話題選びに気を遣い無言になってしまうというケースもあります。みんなで食べているのに、誰も言葉を発しないような状況は、多くの人が辛いと感じることです。そんなときは、誰かが言葉を発するのをじっと待つのではなく、自分が思い切って話題を振ってみましょう。

話題は何でもいいのですが、できれば誰も不快に感じることのない話題が望ましいといえます。もっとも簡単なのは、食事をしている場面ということで、「好きな食べ物」「嫌いな食べ物」でしょう。注文したメニューについて、「それが好きなのですか。」と切り出してみるのもよいですし、使用されている食材について好きか嫌いかという話題をだしてみるのもよいでしょう。主婦や、ふだんから自炊をする人などがいれば、「こんな料理は作れますか。」といった視点で話をすると、自然に会話が膨らんでいくのではないでしょうか。

ただ、付き合いが長いメンバーになると、お互いの食べ物の好き嫌いは熟知しているということで、食べ物の話題だけではネタがつきてしまうかもしれません。そんなときは、外食であれば、食器やメニューの書き方、店内のインテリアなどを話題にしてみるものひとつの手です。

なお、同じ会社の人について話題にするのも良い方法ですが、話の切り口には最新の注意を払うことが必要です。悪口や陰口になると、話題に乗った人全員の印象が悪くなるだけでなく、話をした内容が本人の耳にも入ってしまうというリスクがあります。

3. 職場ランチをデスクで食べるときには

お弁当派やコンビニ派の人など、デスクで職場ランチ、というシチュエーションもあります。ランチタイムが明確に定められている場合でも、急ぎの対応など、まだ仕事をしている人もいる可能性がありますから、周囲に配慮するのがマナーです。

においと音

香りが立ちやすいカップラーメンや、食べる音が遠くまで響くスナック菓子などは避けた方が良いでしょう。おにぎりやサンドイッチは比較的手軽に食べられる上、においも音もあまり問題になりません。

汚れ

基本的にはデスクは仕事をするための場所です。食べこぼしなど、汚れたままにしないように気をつけましょう。自分は汚れたままでも気にならないと思っていても、隣席の人が気にしていたり、自分のデスクをみた同僚や上司に悪い印象を持たれたりしてしまうことがあります。汚れ防止にランチョンマットを使う、食事後はウェットティッシュなどでデスクを拭くなどの工夫をしたほうがよいでしょう。

一度はデスクを離れる

ランチタイムは休憩時間としての意味合いもあるので、できればデスクから一度は離れるようにしましょう。というのも、同じデスクで、仕事も食事も済ませてしまうと、脳も身体もリフレッシュする機会を失ってしまう可能性があるからです。午後の仕事の能率を下げないようにするためにも、ランチ自体はデスクで済ませても、少し社内を歩くなどして心身をリフレッシュするようにしたほうがよいでしょう。

4. 職場ランチが面倒なのはなぜ?

「みんなで食べると楽しい。」ということで、職場ランチに好意的な人もいますが、その一方で、「かなり苦痛」「面倒だ」という印象を持っている人も少なくありません。そのように感じる理由について考えてみましょう。

プライベートに立ち入らないで欲しい

食事中のおしゃべりが、趣味嗜好など当たり障りのない会話に留まっていればよいのですが、話の流れによっては、家族のことや病気など、プライベートに関わる内容に及ぶことがあります。周囲の雰囲気から、答えないわけにはいかないという場合もあり、うまく話を躱すのも一苦労というときに、職場ランチを断りたいという気持ちが生まれるようです。

昼休みにまで人に気を遣いたくない

人付き合いが苦手、職場の人間関係に苦労しているといった人は、昼休みにまで人に気を遣う職場ランチは避けたいと考えるようです。ほかにも「休憩時間ぐらい自由に使いたい」「リフレッシュするためにも一人の世界に入りたい」と考える人もいるようです。

お弁当の中身を人に見られたくない

お弁当派の人の場合、「残り物を詰めただけ」「おかずがなくてご飯だけ」「雑誌で見るようなきれいな仕上がりじゃない」などの理由で、お弁当の中を見られたくない時もあります。このため、お弁当を一緒に食べるような職場ランチはできるだけ避けたいと考えてしまうのでしょう。

5. 職場ランチは上手に断ろう

職場ランチはあくまで休憩時間に行うものですから、誘いを断って一人ランチを選択するのも、決して悪いことではありません。ただ、やはり職場の付き合いですから、今後の人間関係に影響を与えないようにするためにも、上手な断り方をしましょう。

基本的には、「先に済ませたい用事がある」「仕事を済ませてから食べたい」など、当たり障りのない理由を付けて断ることができれば問題はありません。他にも、外食をともなう職場ランチであれば、「今はダイエット中だから、ヘルシーなお弁当にしている」「節約中なので、しばらくお昼はコンビニで済ませたい」も理由になるでしょう。社内での職場ランチであれば、「外に用事がある」「友人が近くに来ている」という理由も使うことができます。プライベートに立ち入らないのはビジネスマナーの基本ですから、細かな事情までは説明する必要はありません。いくつか理由を準備しておき、職場ランチのお誘いの状況に応じて、使い分けるとよいでしょう。

ただ、毎回いろんな理由を考えるのも大変、という場合もあります。職場ランチが外食中心という場合には、お弁当を持ってくるようにするだけでもお誘いの回数を減らす効果が期待できます。ダイエットや金欠という理由も長期的に断り続けやすいものですから、積極的に活用すると良いかもしれません。

6. 職場ランチは一人でも大丈夫?

「職場ランチは一人がいい」という人にとって、職場仲間でグループになって食べる習慣は非常に厄介です。また、一人になりたいと思っていても他の人が集まってきてしまう場合もあります。集まる場所が決まっている、ランチタイムになると必ず声がかかる、という職場だと、一人でランチをしていると協調性が悪い、人付き合いが良くないと思われてしまうかもしれません。

自分が思うほどに周囲が気に留めない場合もありますが、一人で食べていることでいろいろ思われているのでは…と不安に思うのであれば、うまくバランスを取るようにしましょう。例えば、週に一度は職場ランチに参加するといったように決めてしまうのです。

なお、「職場ランチは色々な質問に応じなくてはいけなくて辛い」と思っているなら、参加したときは、積極的に自分から周囲に対して質問をしてみるのはいかがでしょうか。参加する頻度が低いと、質問の対象にされやすいものですが、自分から質問をしてしまえば周りに答えてもらう形になるので、答えに窮する質問に困る心配はありません。なお、質問の内容は、自分に返されたときに答えても差し支えないものにしておくのがベストでしょう。

職場ランチに参加したときに、面倒だからと発言しないでいると、職場での存在感が薄れてしまうかもしれません。「馴染めていないのでは」と周囲が気を遣ってしまう可能性もあります。せっかく参加するのですから、割り切って積極的に会話に参加してみることをおすすめします。

7. 職場ランチに疲れたときの対処方法

時には、職場ランチに参加するのに疲れてしまうこともあります。少しでも気楽な昼休みにしたいと考えたら、職場ランチはお休みし、一人の時間を作るようにしましょう。

一番簡単な方法は、「用事があるから職場ランチには参加しない」ということにして、職場から離れてしまうことです。お弁当を持参し、近くの公園や森林、海岸などに足を伸ばしてみましょう。自然の中に身を置くことで、心身ともにリフレッシュすることができます。静かなところが良いという場合は、図書館で本を読むのもよいでしょう。最近では、食事ができるカフェゾーンを併設した図書館も登場しています。近くの図書館に飲食可能なスペースがあるかをチェックしておくとよいかもしれません。

また、少し視点を変えて、人と食事をするなら、職場ランチではなく会社外の人と食事をする時間としてランチタイムを位置付けるのもよいかもしれません。知人に会うのもよいですが、インターネットなどを通じて知り合った人とのオフ会にしてしまうと、ビジネスに役立つ情報収集の機会になるかもしれません。他にも、同業界で働いていて知り合った人とプライベートなスタンスで話をする機会とすると、互いに実りあるランチタイムにすることができるかもしれません。

お昼の休憩時間は、午後の仕事に備えてリフレッシュするための折り返しタイムです。職場ランチに参加するにしろ、一人ランチを選ぶにしろ、あくまで自分にとって気軽に過ごせる時間であることがポイントといえるでしょう。

おわりに

職場ランチは、マナーを守って参加すれば、それなりに楽しいイベントといえますが、あまりに頻繁だと、人付き合いに疲れてしまうときもあります。一人で食べたいと思ったときには、適当に理由を付けて断われば問題はありません。ただ、職場ランチの機会が多いときは、付き合いが悪いと思われない程度に参加する習慣を作っておくのが賢明でしょう。参加するときには思い切り会話を楽しみ、参加しないときにはひとりの時間を満喫するという切り替えが大切なのかもしれません。

LIMO編集部