シリーズでお伝えしている「注目小売店月次実績」。今回は外食チェーンの吉野家ホールディングスが運営する「吉野家」の2018年8月の月次動向及び吉野家ホールディングスの直近の決算について振り返ってみましょう。

最新の月次動向はどうか

2018年9月5日に発表された2018年8月の吉野家の既存店売上高は、対前年同月比102.1%と、プラス成長となっています。また、その内訳では、客数は同102.9%、客単価は同100.4%といずれもプラス成長となっています。

また、2019年2月期のここまでの既存店売上高についても振り返っておきましょう。2018年3月から8月まで、いずれも100%を超えており、実績はプラス成長となっています。内訳としての客数もいずれの月も100%を超えており、客足は好調といえそうです。

直近の業績開示はどうであったか

続いて、直近発表されている同ホールディングスの決算について確認しておきましょう。

2018年7月6日に発表された2019年2月期Q1決算ですが、売上高は対前年同期比+3%増、営業利益は1.8億円の営業損失(前年同期は7.5億円の営業利益)となりました。

ここまで見てきたように売上高が好調であっただけに、Q1決算の営業損失に株式市場は大きく反応し、株価は下落しました。会社によれば、その背景は以下の通りです。

肉・米を中心とした食材価格の上昇や、労働力を確保するための採用・教育コストが上昇した こと、アルバイト・パート時給の上昇などもあり人件費が増加したこと等により減益となりました。


このように様々な費用が上昇し、売上高が好調とは言っても、企業収益を圧迫していることが分かります。今後どのような業績となってくるのか、引き続き吉野家ホールディングスに注目です。

青山 諭志