シリーズでお伝えしている「企業年収給与研究」。最新の有価証券報告書をもとに注目企業の従業員の年収・給与や従業員数を見ていきましょう。今回は国内大手人材派遣事業者であるアウトソーシングです。

アウトソーシングの平均年間給与はいくらか

アウトソーシング(提出会社)の2017年12月31日時点での平均年間給与は329.2万円と300万円を超えています。また、従業員の平均年齢は39.0歳となっており40歳を下回っています。平均勤続年数は2.4年となっています。

アウトソーシングの従業員数は何人か

有価証券報告書の提出会社(単体)の従業員数は2017年12月31日時点で8527名。単体で8000人以上の従業員数がいます。単体のセグメント別従業員数は以下の通りです。

  • 内勤社員:603名
  • 外勤社員:7924名

また、連結の従業員数は6万3642名。セグメントごとの内訳は以下の通りです。

  • 国内技術系アウトソーシング事業:9332名
  • 国内製造系アウトソーシング事業:1万1829名
  • 国内サービス系アウトソーシング事業:3194名
  • 国内管理系アウトソーシング事業:161名
  • 国内人材紹介事業:4名
  • 海外技術系事業:2189名
  • 海外製造系及びサービス系事業:3万6869名
  • その他の事業:64名

過去3年の業績動向

アウトソーシング(連結)の業績推移についても見ておきましょう。

まず、売上収益ですが、過去3年をみると増収傾向が続いています。2015年12月期に808億円であった水準が、2017年12月期には2301億円となっています。

また、税引前利益についても増益傾向が継続しています。2015年12月期には28億円の水準であったものが、2017年12月期には103億円にまで増加しています。

投資家が重視する「ボトムライン」でもある親会社の所有者に帰属する当期利益は税引前利益と同様に増益傾向で、2015年12月期には17億円であったものが、2017年12月期には61億円となっています。

まとめにかえて

年収や給与といった金銭面での条件は仕事をする人にとっては誰もが気になる要素ではないでしょうか。金銭面での処遇以外にも、働きがいや働きやすさといった職場環境が大事なのは言うまでもありません。

ただ、年収や給与などの「お金」の話は親しい仲でも聞きにくいというのが実際ではないでしょうか。こうしたデータが就職活動や転職活動の参考になれば、幸いです。

【注意点】有価証券報告書における年間平均給与及び従業員数について

平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。また、従業員数は就業人数です。基本的には、社外からの出向者を含み、社外への出向者は含みません。

【ご参考】有価証券報告書とは

日本証券業協会によれば、有価証券報告書は「金融商品取引法に基づいて上場会社が事業年度ごとに作成する会社内容の開示資料です。株式を上場している会社は、各事業年度終了後、3か月以内に財務局長および上場証券取引所に有価証券報告書の提出が義務付けられています」とされています。

LIMO編集部