株式市場の振り返り-日経平均株価は大幅続伸、先物主導で上げ幅を拡大

2018年9月11日(火)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 22,664円(+291円、+1.3%) 大幅続伸
  • TOPIX 1,698.9(+11.3、+0.7%) 続伸
  • 東証マザーズ総合指数 1,017.0(+1.8、+0.2%) 小幅続伸

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:1,058、値下がり銘柄数:942、変わらず:107
  • 値上がり業種数:26、値下がり業種数:7
  • 年初来高値更新銘柄数:39、年初来安値更新銘柄数:154

東証1部の出来高は13億4,410万株、売買代金は2兆1,171億円(概算)となり、いずれも前日より増加しました。米国NY市場が下落するなどネガティブなニュースが少なくなかったものの、円安進行等を手掛かりに下値を拾う動きが強まりました。活況な商いにはほど遠かったようですが、売買代金は何とか2兆円を上回っています。

そのような中、日経平均株価は終日プラス圏で推移しました。朝方は小幅上昇程度でしたが、先物主導で時間を追うごとに上げ幅を拡大し、大引け直前には一時+294円高まで上昇する場面がありました。結局、ほぼ高値引けに近い水準で終わる続伸となっています。

なお、TOPIXも続伸となりましたが、上昇率は日経平均株価を大きく下回りました。これは、日経平均株価を構成するような大型株への買いが圧倒的に優勢だったことを示唆しています。

東証マザーズ総合指数は小幅続伸、出来高は約7カ月ぶりに1億株を上回る

東証マザーズの出来高は1億6,172万株、売買代金は1,086億円となり、いずれも前日より大幅増加となりました。大型株市場の上昇によって個人投資家の物色意欲が復活したのか定かではありませんが、売買代金が5日ぶりに1,000億円超になるなど、久々に活況な商いとなっています。

特に、出来高は1億株を大きく超えて終わりました。なお、出来高が1億株を上回るのは、相場が暴落した2月6日以来のことです。

ただ、売り買いが交錯したようであり、総合指数は小幅上昇に止まりました。今後は、このまま1,000ポイント台を維持できるのか注目されましょう。

ファーストリテイリングやソフトバンクGが大幅高、SUBARUは年初来安値を更新

個別銘柄では、ファーストリテイリング(9983)が大幅高となって年初来高値を更新し、ソフトバンクグループ(9984)も大幅上昇となりました。

また、ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)、アステラス製薬(4503)、武田薬品工業(4502)、キッコーマン(2801)などが+3%超高の大幅高となり、ダイキン工業(6367)やリクルートホールディングス(6098)は年初来高値更新となっています。

その他では、トヨタ自動車(7203)や資生堂(4911)などの上昇が目を引きました。

一方、スズキ(7269)やいすゞ自動車(7202)など自動車株の一角が引き続き売られ、SUBARU(7270)は年初来安値を更新しました。

また、三井住友フィナンシャルグループ(8316)など銀行株が総じて冴えない値動きとなり、シャープ(6753)や村田製作所(6981)などハイテク株にも下落銘柄が散見されています。

その他では、一連の不適切融資問題を引き起こした企業が大きく売り込まれ、スルガ銀行(8358)が15年3カ月ぶりの安値水準(年初来安値を更新)となり、暴落したTATERU(1435)は4日ぶりにストップ安(年初来安値を更新)となりました。

新興市場では、前日にストップ高となったフィンテックグローバル(8789)が急反落となり、ジェイテックコーポレーション(3446)やユナイテッド(2497)も大幅安となりました。また、CYBERDYNE(7779)が値を下げて年初来安値を更新しています。

一方、時価総額が最大のメルカリ(4385)が5日ぶりに小反発し、サンバイオ(4592)が急騰して引けました。

葛西 裕一