シリーズでお伝えしている「10倍株」研究。今回はGMOペイメントゲートウェイ(GMOPG)について同社の有価証券報告書やLongineでの過去における推奨時記事をもとに事業内容や業績実績、また株価の動きについてみていきましょう。

GMOペイメントゲートウェイについて

GMOPGがどのような事業をしているかを一言で言い表すとすればどうでしょうか。個人投資家のための経済メディアLongineの「GMOペイメントゲートウェイ(3769)の株価はどこまで上昇するか。地に足着いたFinTech銘柄」によれば、同社を以下のように定義しています。

FinTech(フィンテック)という言葉が生まれ、GMOペイメントゲートウェイ(GMOPG)もそのフィンテック関連とされることが多い。FinTechとはFinance(ファイナンス)とTechnology(テクノロジー)を掛け合わせた造語として知られるようになった。ただ、Longine編集部から言わせれば、GMOPGはFinTech関連銘柄といっても「地に足着いた」手堅い銘柄である。


加えてこう続けます。

同社はネット小売店(ECサイト)をはじめとしてクレジットカード決済のシステム導入をサポートする企業でありながら、近頃は加盟店などの接点の多さから「GMO後払い」、トランザクションレンディングなど金融機関としての役割も持ちつつある。今後はクレジットカード以外の決済手段の選択肢が増えることで恩恵も受けつつ、金融機関としての役割も新たな事業領域となっていくことであろう。

GMOペイメントゲートウェイの業績は過去5年でどうだったのか

同社連結の過去5年の業績を有価証券報告書をもとに振り返っておきましょう。

一言でいえば、増収増益の5年でした。

売上高は2013年9月期の57億円から2017年9月期の217億円にまで拡大しています。売上高は何と4倍近くまで大きくなったということです。

また、経常利益については、2013年9月期の20億円から2017年9月期の47億円にまで増加しています。

投資家の注目が集まるボトムラインである親会社株主に帰属する当期純利益は、2013年9月期の12億円から2017年9月期の29億円にまで増えています。

GMOペイメントゲートウェイの株価は過去5年でどうなったのか

ここまで株価をけん引する業績についてみてきましたが、ここでは株価についてみていきましょう。

2017年9月期の高値は7310円。また、2013年9月期の安値は612円(分割調整後ベース)。この5年の比較でもGMOPGは「10倍株」クラブといえます。

もっとも、2018年8月23日終値ベースで1万2170円ですので、2013年9月期の安値で見ると「20倍株」ともいえる銘柄です。振り返ってみれば、同銘柄はいわゆる大化け銘柄でしたね。

GMOペイメントゲートウェイの株価と目標株価の考え方

GMOPGのような銘柄の目標株価はどのように考えればよいのでしょうか。

Longineの先ほどの記事では、PER、PBRとROEの関係を切り口に目標株価を算出していました。

Longineでは当初目標株価1万円で推奨を開始し、その後の「GMOペイメントゲートウェイ(3769)は株式市場のリトマス試験紙か」によれば1万2600円にまで引き上げました。

Longineでは、最終的には、「GMOペイメントゲートウェイ(3769)は目標株価達成し、一旦推奨終了」で目標株価を達成したとして推奨を終了しています。

株初心者が次なる10倍株をいかに探すのか

株式投資は株初心者にとっては「難しそう」「分かりにくい」「とっつきにくい」「はじめるまでの勉強が相当程度必要そう」などの意見がありますが、超過収益を手にするために必要なことは意外にシンプルかもしれません。

ここまで見てきたように、10倍株といわれるような銘柄は、業績拡大とともに株価は大きく上昇していることが分かります。しかし、株初心者が注目すべき最大のポイントは業績の拡大ペースよりも株価の上昇ペースが大きいことが分かります。

これは専門的に言うと「バリュエーションにおけるマルチプルの拡大」ともいえる現象です。

業績拡大期待ととともに、株式市場では過去の実績をもとにさらに大きな期待をしがちです。そうした株式市場における「期待のインフレーション」とも呼べる局面を上手に捉えると上手な株式投資ができるかもしれません。

【ご参考】10倍株とは何か

「10倍株」とは聞きなれないなと思われる方もいると思います。「10倍株」とはそのままズバリ「株価が10倍になる銘柄」のことを指します。「10倍株」は英語では「テンバガー」とも呼ばれます。

「10倍株」は、投資した株式の株価が10倍にもなるわけですから、アマチュア投資家である個人投資家のみならずプロ投資家である投資信託を運用するファンドマネージャーやヘッジファンドなどの機関投資家も常に探し求める株式投資最大の醍醐味といえます。

【Longine過去記事の参照記事】

青山 諭志