いつの間にか赤字になっていた。家計が苦しいけど理由がわからない。赤字に悩む人には意外とそういうことが多いのではないでしょうか。家計が赤字になると不安になりますよね。貯めてきたお金を少しずつ切り崩していく不安と罪悪感に苛まれて過ごすのはとても心苦しいでしょう。

そこで今回は、あなたの家計が赤字になる理由について考えてみましょう。

1. 本当に必要なものとそれ以外の区別があいまい

家計が赤字になる人の中には、「本当に必要なもの」の範囲が非常に広い人がいます。

どんなものでもいいですが、「この中からどうしても1つ選ばなければならない」と言われてもなかなか決められないタイプの人はその可能性が高いでしょう。たとえば、子どもの頃に遠足のおやつ選びでなかなかすぱっと決めきれなかったという人はこのタイプかもしれません。

こういうタイプの人は本当に必要なものとそれ以外の整理が苦手で、何でも「ないよりはあったほうがいい」と考えがち。ほかの人よりも「本当に必要なもの」の範囲が広く、「本当に必要なもの」と「欲しいもの」の区別がついていません。

今の自分に必要なものと今の自分が欲しいものは、ちょっと違いますよね。それを混同して、常に「必要なもの」+「自分がほしいもの」を買ってお金を使ってしまうから、家計が赤字になっても「本当に必要なものだけ買ったんだけどな...」と思うことになるのです。これではなかなか赤字になる理由が見えてきませんね。

2. 家計管理のルールがない

普通は家計管理をして赤字にならないようにコントロールする必要があります。しかし、間違った家計管理法を実践しているために、もしくは家計管理をしていないがために家計が赤字になってしまうことがあります。

家計管理ってどうするの? 何をするの? と思った人は、まずは家計簿をつけてください。家計管理で何をすればいいかピンとこない人は、まずそれをやってみるしかありません。

理想は、毎月・毎週の予算を決め、毎週その1週間の支出をチェックして、自分が使えるお金と既に使ったお金の金額を用いて予算の消化率を計算することです。そうすることで自分がどのくらい支出したか、あといくら使っていいのかが明確になります。「次の給料日まであと2週間だからこのくらい使えるな」というのがわかればいいのです。

家計が赤字になる人はそういった家計管理のルールを持ち合わせていないことが多く、家計簿すらつけていないパターンも非常に多いものです。それでは当然、自分が使っていい金額や自分が実際に使っている金額が把握できず、「なぜか赤字になる」という状況に陥ってしまいますよね。

まずは自分が1か月で使えるお金、それをもとに1週間で使えるお金を計算してみてください。1週間で使えるお金を計算するのは、1か月単位だと使いすぎてしまったときのリカバリーが難しいからです。

1週間ごとに区切れば、予算の超過分を次の週で調整することができます。リカバリーできないと赤字になってしまうので、そうなる前に上手に赤字を解消して最後に帳尻を合わせられるような体制にしておく必要があります。

3. 計画外の出費が多い

計画外の出費が多く、「予想以上に出費がかさんだ!」という月もあると思います。そういう月が一時的に赤字になるのは仕方ないかもしれませんが、そんな月が何か月も続くようではそもそも計画が甘かったと言わざるを得ません。誰にでも計画外の出費はあるものですが、実はそういう計画外の出費は、ちょっと考えれば予測できることも多いのです。

たとえば、「友達の結婚式のご祝儀で赤字に」とか「歓送迎会が多くて出費がかさんだ」というのをよく耳にします。しかし、それは本当に全くの予想外だったのでしょうか。友達から「実は来月婚約するんだ」とか「カレの親に挨拶に」という話があったのではないでしょうか。

もしくは、歓送迎会が多い時期だったり、上司から「来月から新人が来る」と聞かされていたりしたのではないでしょうか。そういうことは思い出せないことではありませんし、必要な金額もだいたい予測がつきます。

また、予想外の出費といっても自分で調整できるものもありますよね。友達からの急な飲み会の誘いとか、恋人からの急な旅行の誘いとか、全てを断れということではありません。「旅行したいから、飲み会の予定を1つキャンセルしよう」とか「遊びの予定は今月はあまり入れないようにしよう」など、上手にほかのところで調整すればいいのです。

4. 収入と支出が見合っていない

最も根源的な理由はこれです。収入がいくらだろうと、その中で支出を収めていれば決して赤字にはなりません。赤字になるのは支出が収入を上回るからです。

もっとお金を使いたいならもっとお金を稼ぐ、という発想が必要なこともあります。給料が安くて不満なら、転職するなり資格取得でキャリアアップを目指すなり、何か対策を考える必要がありますよね。

収入に満足しているのであれば、支出を抑えるほかありません。自分がお金を使いたくなってしまうシチュエーションを分析するのも一つです。

女性に多いのが「新作とか期間限定に弱くてお菓子を買ってしまう」というパターン。しかし、自分がそういうものに弱くて出費してしまいやすいとわかっていれば抑えることもできます。自分の消費パターンを分析し、把握しておくのも非常に有効ですよ。

まとめ

いかがでしたか。一度赤字に陥ると、そこから抜け出すのはかなり大変です。一番いいのは家計赤字に陥らないことです。その予防のためにも、自分の家計が赤字になる理由をきっちり押さえておきましょう。

大塚 ちえ