ここで言う学生ローンとは、返済義務のある貸付型の奨学金を指しますが、日本の奨学金と同じイメージでいいでしょう。ほとんどが大学生ですが、特徴としては、その約9割が政府(州政府含む)による貸し付けであり、その金利の高さ(約4~6%、借入プランによって異なる)でも知られています。

なお、約7割の学生が学生ローンを組んでおり、卒業時の1人当たり平均残高が約4万ドル(約450万円)という調査結果もあります。社会人になる時に、これだけの負債を担うというのは大変なことです。

大学の学費高騰が学生ローン残高急増の最大要因

学生ローン残高急増の最大要因は学費の高騰です。米国では、有名教授陣や豪華な施設を揃える大学が多く、当然ながらコストが嵩みます。また、リーマンショック以降の政府からの補助金削減も影響しているようです。

さらに、米国が世界有数の“学歴社会”であることから、中間所得層に満たない入学者が増えていることも一因と推測できましょう。

学生ローンは全ての債務で最大の延滞率

そして、ここ直近で大きな問題となっているのが、返済の遅延です。最新のデータで3カ月以上の返済滞りをベースにした延滞率で見ると、学生ローンは8.6%に上っており、クレジットカード(4.8%)、自動車ローン(2.3%)、住宅ローン(概ね1.1%)を大幅に上回る状況が続いています。高額な学生ローンを返済できない学生や、その家計の苦しさを見ることができるのではないでしょうか。

ちなみに、一概に単純比較はできませんが、日本の奨学金(日本学生支援機構の貸与型奨学金)の延滞率は同じ3カ月以上の返済滞りで3.5%程度です。もし、日本で9%近い延滞率となったら大変な騒ぎになるでしょう。

学生ローンの在り方を巡る改革は始まったばかり

実際問題として、在学時から一部返済が始まる場合、返済ができずに退学を余儀なくされる学生や、アルバイトに時間を取られて卒業ができない学生も少なくないようです。

また、卒業以降の返済が大変な負担となって、個人消費に影響が出ているという見方もあります。日本でいう“自己破産”を申請するケースも多々見られているようです。

こうした状況を背景として、学生ローンの在り方を見直す動きも出ています。具体的には、1人当たり貸付上限額を15万ドル(約1,650万円)に抑制する法案の提出や、民間企業(主に金融機関)の貸付業の参入促進による金利低下などですが、未だ不確実性が高いと言えます。

ただ、何らかの手を打とうとしているのは事実であり、今後の行方を見守る必要があるでしょう。

米国の大学に行きたいなら、まずは資金計画からスタートすべき?

将来は自分の子供を米国の大学に入学させたい、あるいは、自分も米国の大学で学びたいという人も多いと思われます。しかし、現実には多額の学費が必要となります(注:学部やコースによる)。米国の大学に行きたいなら、まずは綿密な資金計画からスタートするのがいいかもしれません。

LIMO編集部