2018年8月3日に行われた、株式会社インテリジェント ウェイブ2018年6月期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料

スピーカー:株式会社インテリジェント ウェイブ 代表取締役社長 井関司 氏
株式会社インテリジェント ウェイブ 経営企画室長 藤澤由裕 氏

市場変更

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井関司氏(以下、井関):おはようございます。猛暑の中たくさんお集まりいただきまして、感謝いたします。

それでは、インテリジェント ウェイブ社の2018年6月期通期の決算の説明を行いたいと思います。

まずトピックスをお話ししたいと思います。

6月27日に我が社はJASDAQから東証二部へ市場変更を果たしております。これはその時の写真なんですけれども、カーンと鐘を鳴らしました。

2018年6月期 業績推移

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それから、のちほど詳しく申し上げますけれども、2018年6月期は売上高100億円を達成しております。

私としては、来期あたりに100億円になんとか到達できればということで、ここ2、3年毎年のように10億円ずつ売上は伸ばしてまいりましたけれども、今回、1年前倒しで100億円を達成しております。

中期事業計画を見直し

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(2018年)4月に中期事業計画の見直しを行いまして、もうその頃には通期の100億円というものに大いなる手応えを感じておりましたので、このあと3ヶ年につきましても、確実に売上高が100億円を超えるということを1つの目標にしております。

営業利益につきましては、3年後ぐらいには営業利益についても2桁億円を達成したいということを、中期計画としては発表しております。

株主還元

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株主さまへの還元につきましては、昨年、配当7円を宣言をしておりまして、今年もこれは継続していきたいと思っております。

株主さまへの還元につきまして、私は配当を中心に考えております。来年以降、またうまく利益が伸びれば、配当についてはまた改めて検討したいと思っておりますけれども、今のところ7円を維持していきたいと思っています。

自己株式についても着実に取得をしておりまして、できる限り社員に株式報酬ということで還元をしております。今期は若干減益なので、うまく利益が上がってくれば、こういうこともまた実現していきたいと考えております。

2018年6月期 業績サマリー 対修正予想

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さて、2018年6月期通期の決算について少し詳しくお話ししたいと思います。

まず今年(2018年)の1月31日に実は修正目標を発表しました。それに対しましてはおかげさまで、売上につきましては9.3パーセントほど修正予想に対して上回っておりまして、106億300万円を達成しております。

営業利益につきましても14パーセント増の5億4,700万円、経常利益、当期純利益につきましても、予想に対しては2桁増を果たすことができました。

2018年6月期 業績サマリー 対前期

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しかしながら、前年との比較をしますと、売上高は25.2パーセント増、21億3,400万円増ということで、100億円を超え106億円まで達したんですけれども、営業利益、経常利益については約20パーセント減の減益です。昨年比からしますと大幅増収減益ということになります。当然、当期純利益についても3割ほどの減益になっております。

原因についてはのちほど詳しくご説明はさせていただきます。

顧客別売上高 上位3社

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売上は上位3社がやはり非常に好調だったと。DNPは安定的にシナジーを出しているんですけれども、(カード)ブランド統合プロジェクトというのがありまして、これは年間で20億円に達するような大きな売上となり、今回の売上増の一番の原因になっております。

もちろんブランド統合ならず、ほかのカード会社につきましても、おかげさまで2018年6月期は売上、検収も順調でしたので、カード会社全般について非常に2018年6月期は好調に推移したと思っております。

2018年6月期 セグメント別サマリー

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次にセグメント別の分析です。

金融システムソリューションの売上は25.3パーセント増を果たしています。

営業利益は不採算のプロジェクトがあったりして、若干の減益となっています。

それからプロダクトソリューションについても、売上高については24.4パーセントということで非常に好調ですけれども、営業利益についてはやや減益という結果になっております。

2018年6月期 金融システムソリューション事業 売上高

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今回の売上増の大きな要因は、やはりブランド統合プロジェクトが昨年の2億6,800万円から今回は19億3,500万円ということで、大幅な取引増となっていまして、1年間で16億6,700万円増と、これが全体の金融システムソリューションの押し上げにつながっております。

ところが、ブランド統合プロジェクトの一部工程、少し専門的な用語なんですけれども、内部結合テスト、ITABの工程で大きく不採算となりまして、残念ながら1億8,000万円にのぼる不採算となりました。これが会社全体の減益につながります。

不採算案件といいますけれども、実はこのプロジェクトは5年にわたるプロジェクトで、まだ2年目が終わったばかりです。なおかつ、ITABというのは半年ぐらいのプロジェクトなので、ITABだけの工程では赤字で2年間をトータルしますと、その影響があって少し利益率は落ちていますけれども、利益は出ているんです。

これからは3年続きますから、その3年については今回のいろんな不採算になった要因等も分析をして、同じことを繰り返さないようなかたちで今後行っていきます。プロジェクト全体では数十億円のプロジェクトで、数億円の利益が出ると予想をしております。

不採算案件というとプロジェクト全体がなんとなく赤字じゃないかと誤解を受けるんですけれども、実はこのプロジェクトの一部工程です。ただしテストケースも3万ケースにわたるような大きな、もしくは長期のプロジェクトでしたので、一部非常に進捗がままならなくて時間がかかったり、そのために人を大きく投入したりすることによって赤字になっていきました。今後3年間では十分に挽回していけると考えております。

2018年6月期 プロダクトソリューション事業 売上高①

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かたやプロダクトソリューション、セキュリティ事業に関しましては、「CWAT」という当社の自社製品の売上が2017年度6月期に比べて減っています。

これは実は、2017年6月期に大手ユーザーに「CWAT」の導入がを果たして非常に好調で、前期が悪かったというのではなくて、大型の案件がなかった分やはり売上が落ちています。この「CWAT」というのは自社製品ですから利益率が高いので、プロダクトソリューション事業全体に影響があったということです。

ハードウェアは、セキュリティのシステムのハードウェアを私どもインテリジェント ウェイブとして受注をしております。ハードウェアの販売というのはソフトウェアと違って薄利です。

このあたりが大きな売上を上げながらも利益率が悪かったり、もしくは「CWAT」という主力の最も利益率の高いものが減ったりして、全体として増収ながら減益という結果にいたっております。

2018年6月期 プロダクトソリューション事業 売上高②

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とくに外部からの攻撃を止める「Traps」という製品が主力の製品だったんです。

とくに前々期、2017年6月期ではどんどん契約が増えまして、プロダクトソリューション事業の中心的存在になりました。しかし、やはりいろんな意味でセキュリティソリューションは競争も非常に激しくて、ユーザー側の検討期間も長くなり、結果的に勝率もやや落ちる傾向にあり、「Traps」については、2,500万円ぐらいの販売減となっております。

比較をして、実は外部からの攻撃を止めるだけなら「Traps」が、いちばん優れている製品群なんですけども、止めた後に分析をして処理していく機能が若干劣るので、その辺り今期機能強化を販売元のPalo Altoと協議をしています。「Traps」についてはまた巻き返しを今期考えております。

この辺りが、やはりプロダクトソリューション事業全体の、1つのまた利益面での増加の施策になります。

その他のものについては、また後ほど申し上げます。

中期事業計画①

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これもトピックスで申し上げました中期事業計画について、少し触れておきたいと思います。

私は「進化3way」という言葉を社内で使っています。

Road to 10B(ビリオン)。つまり中期的に売上高100億円、営業利益10億円を安定的に上げられるようになりたいと。インテリジェント ウェイブ社は売上高では過去更新をしていますが、これが上がったり下がったりしては困りますから、100億円、3桁の売上を確実に上げていきたい。そして、利益面ではまだ果たしたことのない10億円、2桁億円をなんとか2~3年のうちに達成したいということです。

人材育成というのは、実は私が3年半ぐらい前にインテリジェント ウェイブ社の社長になったときは300名だったんですけども、今すでに実は400名になっております。

人がシステム開発をやりますけども、技術者を育成していかなければ確実に売上は増えていきませんから、体制はどんどん整備しております。そこでまた改めて人の育成に力を入れたいと考えています。そういう組織を今期作っております。キーワードとして、育て上手な会社になるということを上げています。

この会社はどうしても請負で開発するので受身の風土があるので、もっと自分たちが前へ出て、新しいことに取り組むという新種の希少を持てるような風土(をつくりたいと考えています)。それから今、働き方改革というのも出てますけども、働きやすい職場にしなければ活躍できませんから、働きやすい職場にしていきやすい。

これが風土改革ということで、この3本柱で、「進化3way」という言葉を使って、今社内で社員みんなにそういう気持ちを持ってもらおうと思って、日々問いかけております。

中期事業計画②

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売上面は度々申し上げておりますように、今期おかげさまで106億円です。

大プロジェクトがあり非常に急な伸びになってしまったので、この辺りから成長は鈍化をするんじゃないかと予想していました。しかし、100億円を着実にやっていきたいので、今期は107億円。来期は110億円。再来期は112億円あたりを考えています。

このあたりは、とにかく確実に100億円をいきたいと思っています。利益面については、今回は減益で5億4,700万円ですけれども、これは先ほどの、大型の採算プロジェクトも回復しますし、確実に10億円を今度は実現したいと中期計画としては考えております。

中期事業計画 金融システムソリューション事業①

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その成長の、いちばん軸になるのは、2年前から始めていますクラウドサービスです。引き合いも、それから開発も真っ盛りです。リリースもこれから次々してまいります。

後ほどまた詳しくは申し上げますけども、金融ソリューション事業については大型案件が減る分、クラウドサービスによる取引増は1つ大きなきっかけになると考えています。ですから、大型案件が減っても、十分にその他のもので補って、また新しい成長の可能性があります。

中期事業計画 金融システムソリューション事業②

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クラウドサービスにピックアップをして申し上げますと、今期は3億8,600万円ほどの売上ですけども、年平均成長率は57.2パーセントを達成できるような急激な成長を期待しています。

実際、もうすでに19年6月期リリースにするもの、20年6月期にリリースするものも、すでに受注をして、開発に着手をしております。早い時期に年間の売上高が10億円になるという手応えは、十分に感じております。

中期事業計画 金融システムソリューション事業③

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このクラウドサービスも、今は「IOASIS」の加盟店契約システムの提供と、「IFINDS」の不正検知の提供と、「IGATES」のネットワーク接続の提供、3つのサービスを行ってます。

さらにQRコード決済ですとか、メクラウドサービスのメニューを増やして、クラウドサービスの機能を拡充して、新しい取引につなげたいと考えています。

現在は、25年前に作った「NET+1」をクレジットカード会社を中心に、30社以上と取引させていただいています。これも完全に今期は作り変えようと、新しい時代にふさわしいネットワーク接続のシステムの開発に着手しておりまして、新たな取引、新たな業種でのネットワーク接続の契約も可能じゃないかということです。

それから従来やはり、金融業界が中心だったんですけども、今、実は自動車産業とも取引が始まったり、放送業界とも実は取引を少しずつ始めようとしています。中期としてはやはり金融業ということから、新しい業種に新しい製品を提供していこうということを始めております。

中期事業計画 プロダクトソリューション事業①

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それからプロダクトソリューション事業です。これはセキュリティの製品群ですけども、「CWAT」はおかげさまで、今期また新たな大口の企業に導入が決まっておりますので、堅調ではあります。イスラエルを中心とした他社製品です。

「Traps」も、もう1回盛り返したいし、多彩なイスラエルの情報を入手して本語化して、新しい製品セキュリテイ群を、どんどん世の中に提供をしております。

中期事業計画 プロダクトソリューション事業②

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今までは「CWAT」と「Traps」が中心だったんですけども、さまざまな外部からの攻撃に対しての製品を充実させています。

例えば、マニュアル攻撃に対して「illusive」ですとか、大量のログデータを分析することによって隠れた脅威に対して「FBI」や「eyeshare」というソリューションであったり、さまざまな脅威に対する品揃えをして、これからどんどん提供していこうという考えです。

ようするに、今までの点から、面でセキュリテイ群を提供していこうと考えております。まだもちろん始めたばかりですが、実はもう3ヶ月おきに新しい製品群をイスラエルから仕入れています。

セキュリティのメンバーがほとんど毎月のようにイスラエルに行って、ベンチャー系の企業が多いので、非常に技術的なサポートですとか保守ですとか、細かい打ち合わせをして、彼ら(イスラエル側)も日本に来ていろんな打ち合わせをするということを繰り返しております。

このあたりの製品群を、もっと流通させていきたいと考えております。

2019年6月期 業績予想

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さて、2019年6月期の業績予想について申し上げたいと思います。

売上高は一応、107億円を目標に考えております。

営業利益は前期不採算の案件もありましたし、今期はいわゆるV字回復をする予定でして、営業利益は8億8,000万円。経常利益は9億円。純利益についても6億2,000万円。それぞれ50パーセント以上の増益を予想しております。

2019年6月期 セグメント別 通期業績予想

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セグメント別につきましても、金融システムソリューションはどうしても前期は大型のプロジェクトがあって、その影響が今期ありますので、若干、ほとんど数千万円ですけれども減収を予想しています。営業利益については当然、先ほども申し上げましたようにV字回復ですから、40パーセント増ということですね。

プロダクトソリューションにつきましても、売上高は少し伸ばしますけれども、前期の営業赤字から今期は確実に黒字にしていくと。とくに「CWAT」が今期はまた大口の企業に、相当なライセンスが発生しますので、利益面でもそれが貢献し、プロダクトソリューションについても増益ということを予想しております。

Road to 10B 金融システムソリューション事業①

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ちょっと細かく申し上げておきます。金融システムソリューションは、前期93億3,200万円で、今年は93億円ということで、ほとんど現状維持のようですが、大型の案件が前期は22億円あったんですけれども、今期は10億円です。12億円この大型案件が減ってしまうんですけれども、その分はその他のカード会社の案件が非常に順調ですので、そこで売上増があります。

それから、何度か申し上げておりますクラウドサービスも、前期3億8,600万円が今期6億5,000万円、今の状況ですともうちょっといくかもしれません。

クラウドサービスではやはり3億円ぐらいの増を考えておりますし、それから新規のプロジェクトも、実は先ほど自動車業界で少しずつ取引が始まっております。このあたりも億の単位で増加をしておりますので、大型案件の12億円のマイナスは十分にその他のカード会社のいろんな開発案件であったり、クラウドサービスであったり、新規のプロジェクトだったりで十分に補って、前期並みの売上はなんとか確保したいと考えております。

Road to 10B 金融システムソリューション事業②

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とくにクラウドサービスにつきましては、先ほどから申し上げております3つのサービス、「IOASIS」と「IFINDS」と「IGATES」の3つのサービスを行っていますけれども、今期については「IFINDS」が、この第1四半期から新たに稼働するものも1つあります。

それから「IGATES」についても、第2四半期からリリースするものもありますし、今提案中のものも今期中には受注し、開発が開始できるものと考えてます。開発期間によっては、今期中にまた検収売上ということも非常に高い可能性でありますので、このクラウドサービスについては、今期6億5,000万円というのはやや控えめぐらいの売上予想と考えております。

Road to 10B 金融システムソリューション事業③

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そしてもう既に要件定義の工程を終えています次世代の「NET+1」、ネットワーク接続のゲートウェイシステムですけれども、これはなんとか今期中に開発を終えて既存のネットワークに接続します。VISAであったり、mastercardのブランドであったり、NTTデータさんのCAFISであったり、こういったものは当然接続していきますし、クレジットカード会社さんとも接続をしていきます。

今までよりも簡易に新しいネットワーク接続ができる仕組みで開発をしようとしています。その他の銀行さんであったり、消費者金融であったり、スマホですとか、スマホも使わないQRでの決済など、決済の手段というのは非常に多様化しておりますけれども、そういうものにも非常に短期間で、ローコストで実現できるようなパッケージのつもりで開発しております。

今後、やはり今までの「NET+1」ももちろんそのままお使いいただきます。もう三十数社ございますから。しかし、新たに更新するとか、新しいネットワークシステムを考えることになると、こういう新しい「NET+1」、ネットワーク接続のシステムのご利用機会も増えてくるんじゃないかと期待をしています。

それから海外展開です。ここ2、3年アジアを中心に、インドネシアであったり、マレーシアであったり、タイであったり、ベトナムであったり、台湾であったり、こういうところの金融のネットワーク接続というのを調査しております。なかなか国内の「NET+1」はちょっと高価なんですよね。ですからこういう海外仕様についても、この新しい「NET+1」であればもう1度海外でのご利用というものも、いろいろと今後手がけていきたいと考えております。

Road to 10B 金融システムソリューション事業④

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そして新規のプロジェクト。

私ども「ACEPlus」という不正検知の主力製品があるんですけれども、これはどちらかと言うと国内での利用は非常に活発なんですけれども、やはりもっと簡易にいろいろ不正取引、とくにインターネットでいろいろな購買をされて、決済をカードでやるというケースが多いじゃないですか。我々はそれを非対面取引と呼んでいますが、非対面取引というのはものすごい量でアクセス、トランザクションが発生するので、やはりそれ専用の不正検知システムは必要です。とくに大量データですから、できるだけ機械学習、AIの機能を使って不正の取引じゃないかということを導き出す。それも短時間でです。

大量のデータを短時間でやるのですから、これはまさに新しい不正検知システムです。POCを始めている段階には来ているんですけれども、「ACEPlus」に続く新しい不正検知システムを、国内だけではなくて海外でも販売をしていきたいと考えてます。

それからIoTという、大量データの、インターネット上のデータの取り扱いなんですけれども、これについても暗号鍵(を使えます)。これ実は車、自動車産業は工場の中でナビゲーションを含めてインターネットでさまざまなデータの取扱をされているんですね。車の中も。それをやはりしっかりと安全に、外部への(情報)流出を止めなければいけませんから、暗号化をするんです。ネットワーク接続の「NET+1」は、やはりユーザーさんの重要な決済データですから、必ず暗号化しているんです。その暗号化の仕組みをこの自動車産業でも採用されまして、実は最大手の自動車メーカーさんにこの暗号鍵システム「HSM」というマシンを使ったシステムの採用が決まって、相当台数実はもう売れています。

国内2番目、3番目、4番目のメーカーさんからも同じような引き合いが来てまして、今後この「HSM」という暗号化機器と暗号鍵管理システムが、今までの金融機関にお使いになっているノウハウをそのまま活かして、そういうメーカーさんにもお届けできるのではないかという期待をしております。

Road to 10B プロダクトソリューション事業①

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プロダクトソリューションにつきましては、やはり製品をどんどん増やしていきたいということになります。

とくに「CWAT」は、お陰さまで今期はもうちょっと回復いたしますけれども、他社製品につきましては、「Traps」のみならずその他の製品も次々と販売を、とくに今年に入ってから開始しておりまして、このあたりがプロダクトソリューション事業を再び増収増益につなげていきたいと考えております。

もちろん前期貢献していたハードウェアというのは、これはもう一時的な販売ですから、ハードウェアについては減りますけれども、イスラエル製の他社製品については次々新しい製品を導入し、販売をしていきます。今いくつかの製品については既にお引き合いもあり、取引も始まりかけてますので、このあたりが非常に楽しみです。

Road to 10B プロダクトソリューション事業②

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つい7月にニュースリリースをしました「SECBI」、これもイスラエルの製品ですけれども、これもまさに今期から販売を始めてまして、今までの「CWAT」や「Traps」のようにエンドポイントをPCに実装するのではありません。みなさんの企業の中で必ず通過するプロキシというサーバーがあります。そのプロキシに溜まっているログをAIで分析をしまして、このデータは、このソフトは悪質なソフトですということを抽出する仕組みです。このあたりはかなり専門的な話にはなるんですけれども、やはり機械学習です。AIを使って大量のログから分析をかけて、すぐ見つけると言うよりも、ログの中でそのデータが何年か後に動き出すものもあるんです。入ってすぐ動くんじゃなくて。

ですから、そのあたりはログをいろいろ解析をして、これはどうやら、まだ動いてないけども、この後動きそうな悪質なソフトウェアだということも抽出する仕組みです。こういったものも、実は今期販売を始めております。

人材育成、確立 次世代を担う人材の育成

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最後に、次世代育成。

もちろん風土改革もさることながら、実は、我が社はあまり研修に関する専門組織がなかったんですけども、今期、総務部内で研修のチームを立ち上げました。研修も場当たり的にやるんじゃなくて、計画的に各階層、新人から経営層まで順次やっていける研修の制度を整備しました。

もちろん、やることは技術力を育成することであったり、進取の気風を活かしたイノベーションをする力であったり、一人ひとりの人間的な力も蓄えたいということで、施策が(スライドの)右に出ています。すでに半分以上はもう実施をしております。コーチング研修であったり、イノベーション強化研修であったり、もちろん新人研修も今まではOJTに頼ってたんですけども、このあたりもOJTに頼ることなく、計画的にいろんな研修制度を、内部・社外の人の力を借りてやり始めてます。

今期はこのあたりも、たくさんの人を採用しているんですけども、育てなければ意味がありませんから、今後、こういう研修制度についても充実をさせて、人材の育成に努めてまいりたいと考えています。

私からのご説明は以上になります。ご清聴ありがとうございました。

2019年6月期 業績予想

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藤澤由裕氏(以下、藤澤):それでは続きまして、私から前期の実績と今期の予想について、少し補足をさせていただきたいと思います。

まず、資料35枚目のスライドになりますけども、今期の業績予想になっています。売上については、先ほどからお話ししてますとおりであります。ここでは上期・下期のバランスについて少し補足をします。

ご覧のとおり、売上が全体としては少し下期に偏った計画になってまして、そのために利益の出方も少し下期に偏っております。ただ、利益率、それから実利益の値としても、対前期で比べますと大変大きな伸びを予想しておりまして、前期悪かったからということはありますけれども、今期は悪影響がないという前提で、利益は伸びるという予想をしております。

2019年6月期 セグメント別 通期業績予想

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とくにプロダクトソリューションのセグメントにおいては、下期偏重が若干顕著な計画になってまして、いわゆる大型の案件であるとか製品の販売、今動いている案件を含めて、下期に順次売上が立ってくることを今のところは計画をしております。上期は営業利益がマイナスの予想になってますけども、通期としては4,000万円の営業利益を出していきたいと考えております。

2019年6月期 金融システムソリューション事業 通期予想

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それから、金融システムソリューション事業の今期の計画です。いわゆるカテゴリー別で見た計画になります。

全体としては、売上の規模は93億円で、ほぼ前期並みの計画をしています。

中身は大型の開発案件が約10億円。開発の部分だけでも約10億円、今期は減るという前提に立っています。去年64億3,900万円売り上げたソフトウェア開発が54億円であると。

そのぶんを補うために、既存の顧客であるとか、大きな話をしますとキャッシュレス社会があると思いますけれども、決済手段の多様化を受けて、いろいろな開発案件が引き合いが来ておりますので、そういったものを受けて数字を伸ばしていくことが1つ。

それともう1つは、クラウドサービスです。ASPの事業の売上の増加によって、全体としては93億円で、数字を作っていこうと考えています。

年度当初の、今現在で見た規模感と言いますか、案件の積み上げが93億円でありますので、環境が非常に良好に推移していけば、数字も上振れがあるんじゃないかなということも期待もしております。

金融システムソリューション事業 クラウドサービス 2019年6月期 収益見通し

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それから次に、クラウドサービスの損益についてです。

ご覧のとおりでありまして、終わった期は約3億円ほど損失が出たわけですけれども、この期は増収に伴って損益が大きく改善することを見込んでおります。

もう受注済みの案件を多く含んでますので、この6億5,000万円という売上の数字は、ほぼ堅い数字と考えてまして、損益もこのぐらいの水準で通期を終えられると思っています。来期に至っては、年度でも黒字が達成できるのではないかと考えております。

セグメント別受注残高(個別)①

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それから、少し飛ばしますけども、受注の話をしますと、41ページです。

残高ですが、44億3,400万円で前期終わってまして、その前の第3四半期で46億円あったわけですけども、若干減っています。第3四半期に大型の開発案件の売上が上がったこともありまして、少し減っています。

セグメント別受注残高(個別)②

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ただ、受注の実績を見ますと、2018年6月期と2017年6月期、四半期で平均で見ていきますと、おおむね25億円から26億円の受注がキープができておりますので、勢いはあまり変わってないんじゃないかと考えています。この始まった期も、外部環境に大きな変化がなければ、この基調は変わらず継続していくのではないかということも考えています。

2018年6月期 第4四半期 対前期比較

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それから終わった期の話で、第4四半期だけを見ますと、営業利益率が若干悪くなっていることがございます。

原因は、金融システムソリューション事業の営業利益率が対前期で見ますとちょっと悪いわけですけども、実は粗利率で見たときには、金融システムソリューション事業は、終わった期とその前の年と、ほとんど差がない水準で実績が出ていまして、悪かった原因は販管費の増加にあるということであります。

4月から6月にかけて第4四半期になりますけども、この間、当社は新卒の採用を大幅に増やしまして、例年よりも倍増で人員採用したので、そうした人件費が一時的に出ていることがございます。

合わせて、冒頭申しましたとおりで、市場変更したわけですが、それにかかった費用であるとかが臨時的に発生しております。

そうしたかたちで販管費が例年よりも伸びたということであります。ですので、金融システムソリューション事業の中身に何か大きな変化があったということではありませんので、その点をご理解いただきたいと思います。

それから、人件費の伸びについても、採用した社員は、現場に配属される前は販管費として人件費を計上しますので、そうして第4四半期だけ出ているということです。7月以降は配属も終わってますので、製造部門の中で製造コストというかたちで、主に人件費が出てくることになります。

中期事業計画

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ちょっとスライド戻りますけども、18ページの中期計画のスライドなんですが、営業利益のセグメント別の内訳をお知らせしておきたいと思います。

この期は、全社では8億8,000万円の営業利益に対して、金融システムソリューション事業が8億4,000万円、プロダクトソリューション事業が4,000万円という内訳になります。

次の年が、金融システムソリューション事業が8億7,000万円で、プロダクトソリューション事業が6,000万円。

それから、最終年度は金融システムソリューション事業が9億2,000万円で、プロダクトソリューション事業が8,000万円ということで、内訳を計画をしております。ご参考まで。

私からは以上になります。ありがとうございました。

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